メキシコ 現地レポート

メキシコ市場調査 ―メキシコの消費動向と日墨関係―

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メキシコにおける日本食材の販売動向

1 日本食材店

2015年初頭には、メキシコに滞在する日本人は9000人を超えている。上位5州は、メキシコシティ(3200人)、グアナファト州(1200人)、アグアスカリエンテス州(800人)、ヌエボ・レオン州(650人)、ハリスコ州(520人)である。日系企業が存立する州には、やはり日本人の在住者が多く、近年で見れば、マツダおよびホンダの進出に伴う、その他の日系企業サプライヤーの後追いにより、グアナファト州における日本人居住者が激増している。
メキシコには様々な料理・食材が存在するが、日本人の食生活の中心となるとは、海外においても日本食である。現在ではメキシコにおいても、割高ではあるものの、日本食材を購入することは可能である。メキシコシティでいえば、35年前から操業するGurpo MIKASA (http://mikasamex.web.fc2.com/index.html) が経営する日本食材店が有名である(Taniguchi, 2015)。
先述したように、過去数年において日本人居住者が急増しているグアナファト州でも日本食材が購入できる。同地において2006年から店舗をかまえるToyo Foodsでは、2013年には顧客が3倍にもなっている(Negrete, 2014)。同店の8~9割の商品が日本製であり、その他、韓国、中国ならびにタイなどからも輸入している。
同店の本店はハリスコ州グアダラハラ市にあるGrupo Toyoであり、こちらでも1982年から日本食材店が経営されている。グアダラハラ市のToyo FoodsのHP上に掲載されているものだけでも400以上の品揃えとなっている(表6)。
Toyo Foodsの例になるが、同店はその製品を日本あるいはアメリカ合衆国から輸入している。顧客層は、全体の8割が日本人で、その他のアジア諸国からの人々も購入するという。日本酒等の商品も取り揃えてはいるものの、その販売は「5人に1人」程度であり、専ら日本食材の販売が主となっているようである。なお、酒類の販売傾向としては、日本酒では「大関」製、ビールでは「サッポロ」が主として好まれているようである。

2 日本食レストラン

日本食材は、当然のことながら、日本と異なりその種類も豊富ではないにせよ、メキシコの日本人居住者が日本食を家庭で作る場合には極めて有益である。日本企業の進出とともに、日本人居住者が増加してきており、日本食材店・店舗の数も増える傾向にあり、その取り扱う商品もさらに多様になってくることが予想される。
他方、メキシコには日本食レストランも数多く存立する。日本人のみならず、メキシコ人にも多くの利用者が見られる。タコスや肉料理をはじめ、脂肪分の多い食生活となりがちなメキシコにおいて、相対的に日本食は健康的というイメージがもたれている。表7で、メキシコの主要3都市およびグアナファトにおける日本食レストランを示しておく。
メキシコにある日本食レストランで、やはり一番有名な料理は「テッパンヤキ(Teppanyaki)」になる。日本でいえば単なる野菜・肉炒めとなろうが、レストランによっては、大きな鉄板の上で調理をすることで、一つの料理として完成されている。アメリカ合衆国からの日本食レストラン文化を受け継いだとみられるメキシコでは、調理人がナイフやフォークを見事に操って調理を行うのである。Teppanyakiという名称は、日本食レストランだけでなく、中華、韓国料理店でも見られる。
なお、「お寿司(Sushi)」も言うまでもなくメキシコで広く認知された日本食の一つである。とはいうものの、日本のようなネタ・シャリのお寿司は、相応な魚の鮮度管理を要するため、相当のレストランではなければ見受けられない。
お寿司の浸透度合いもあり、日本人オーナーあるいは日本人の調理人がいない日本食レストラン、あるいはメキシコナイズされたそれも、相当数、見受けられる。そのようなレストランで提供されるお寿司は巻物が多く、具材には、かに風味かまぼこ、焼き魚(穴子)、チーズやアボカドなどが使用される。
大都市になるにつれて、日本食レストランの数が多くなる傾向がある。当然であるが、メキシコにおける日本食レストランは、日本人在住者を対象としただけではその経営は難しい。より広く、メキシコ人の味覚にもあった商品を提供することが必要といえる。好評なレストランでは、メキシコ人客で賑わっている。

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