
「情報やアドバイスは得られたが、その先の営業が前に進まない」——海外展開を目指す中小企業からそんな声が届きます。中小機構では企業の海外展開に向けた情報提供や戦略アドバイスを行っていますが、アドバイザーが担えるのは助言まで。その先の実務ニーズに応える選択肢のひとつが、海外営業代行サービスです。今回、中小機構で海外展開アドバイス支援を行う5名の中小企業アドバイザーが代行会社を取材し、サービスの選び方や活用法について率直に語り合いました。
公的支援で自社の状況や可能性を把握し、
民間代行サービスの活用で壁を乗り越える
予算感
目安は、社員1人分
状況に合わせて交渉も可能
小松AD 実績やサービス内容のほかに、費用面の確認も重要です。2〜3社をヒアリングする中で確認していく必要があります。
森川AD 今回お話を伺ってみたところ、数か月で数十万円から2年間で1000万円以上まで幅広いですね。1〜2か月で成果が出るものではなく、月10万円でもトータルでは100万〜200万円の投資が必要になります。
加藤AD 予算感は幅広いですが、各社ポリシーや営業手法が違うので一概には判断できませんね。
森川AD 結局のところ、コストをかける価値があるかは、成果への満足度の話です。「安いからやる」「高いから無理」ではなく、「どんな成果を期待するか」を考えることが重要です。

加藤AD 予算感は幅広いですが、各社ポリシーや営業手法が違うので一概には判断できませんね。
森川AD 結局のところ、コストをかける価値があるかは、成果への満足度の話です。「安いからやる」「高いから無理」ではなく、「どんな成果を期待するか」を考えることが重要です。
福山AD 各社とも「採用難の時代に海外営業経験者の確保は困難。代行サービスの活用が経済的にも合理的」とおっしゃっていたのが印象的でした。「いま海外営業経験者は700万円出しても雇えません」というリアルな声もありました。
森川AD だからみなさん自信を持って値付けされているわけです。ただ結果の確約はできない。「何を目指しているか」という根本がしっかりしていないともやもやしてしまいます。
小松AD 成果についての合意ができているかどうかですね。丸投げだと「思っていた結果と違う」となりやすい。事前に何をもって成果とするかをすり合わせておくことが重要です。
森川AD 最初は何も思い描けなくても、担当者との対話の中で「ここまでなら投資できる」「ここまでやりたい」というイメージが少しずつ明確になってくるのではないでしょうか。
加藤AD 料金はあくまで目安で、交渉の余地がありそうでした。たとえば「市場調査は自社でやります」「この部分は自分たちで対応できます」と自社の役割を明確にすることで費用を抑えることもできます。
森川AD 各社とも中小企業のコスト感覚は理解しており、状況に合わせてフレキシブルに対応してもらえそうでしたね。
小松AD やはり自社がどういう状況にあって、どれだけのリソースがあり、どのくらい投資できるか、あるいは投資すべきなのか。これらを整理したうえで、複数社を比較するということですよね。そうすればかけられる予算や、求めたい成果が見えてくる。
福山AD 最終的には社長が腹を決めて投資できるかどうかですよね。
星加AD 「やらなきゃいけないのはわかってるけど、人も時間もお金もない」は多くの経営者の本音だと思います。でも、そう言い続けるだけでは何も進みません。
森川AD 最後は経営者の熱量ですね。製品に差別化できる点が見当たらなかったりしても、「社長に熱意があれば引き受ける」とおっしゃっていた会社もありました。
活用法
相性の良さと熱意が肝心
密なコミュニケーションを

加藤AD 代行サービスを利用して成功するキーポイントについて、どう思われますか?
福山AD 海外営業で成果を出すには「戦略が明確でないとダメ」「現地への理解と向き合う気持ちがないとうまくいかない」という声がありました。
小松AD 「営業ができてガッツのある人材が必要」という会社もありましたね。
加藤AD 私が取材を通じて感じたのは、代行サービス会社との人間関係の相性が意外と重要だということです。できるだけ多くの担当者と話し、自社や商品を理解したうえで提案してくれるか確認することが大事です。
星加AD 「この会社なら一緒にやっていけそうだ」という感覚が大事ですね。波長が合う会社が見つかれば、長く一緒に取り組めますから。
森川AD やはり「人」ですね。印象的だったのは、代行サービス会社側が(依頼企業側にも)「専属の担当者を一人つけてほしい」と要望されていたことです。そうしないと中小企業側にノウハウが蓄積されませんし、海外からの引き合いがあってもコミュニケーションが滞ってしまいます。
加藤AD これだけの予算を使うのであれば、最終的には自社で海外営業を回せる体制にしていった方が絶対に得ですよね。そのためには担当者を必ずつけて人材を育てていく気持ちも持たないと、せっかくの投資が無駄になります。
福山AD 代行サービスを活用することで、経営者や担当者の意識も自然と上がっていくように思いませんか?
星加AD 海外展開への熱意が醸成されていきますよね。社長一人が抱え込むだけでなく、その熱量を社内全体に伝えることが大切です。
福山AD 会社としての意思統一も大事ですね。「社長が何かやっていますが私たちにはわかりません」という反応では海外展開はうまくいきません。組織全体で向き合う姿勢があってこそ、代行サービスをうまく活用できるのではないでしょうか。
森川AD 密なコミュニケーションも絶対に必要ですね。要望が出るたびに伝えていかないと、最終的に「思っていた成果と違う」となります。「待っていれば成果が上がる」と思ったら大間違いで、代行サービス会社の営業手法を吸収しようという意欲が成長につながります。
福山AD 能動的に動くことが大事ですね。定期的なミーティングの要望にもしっかり協力することが必要です。案外それができていない企業さんも多そうでした。
まとめ
代行サービス選定基準をつくり
クロージングに活用する
小松AD 最後に、中小機構のスタンスをお話しします。1つ目は「個社の紹介をしない原則」で、中立性を保つこと。2つ目は「企業の自走を前提とする」こと。特定の民間事業者を選んで紹介することはできませんが、公平な目で比較検討するお手伝いができます。
星加AD 公的支援機関と民間の代行サービス各社の大きな違いは、商談を成立させて契約まで持っていく「クロージング」まで踏み込めるかどうかです。たとえば「タイで代理店を見つけたい」という相談では、私たちはマッチングや候補企業のリストアップまでは支援できますが、クロージングには踏み込めません。すると「英語で営業できる人間がいない」などの理由で、そこから先に進めなくなってしまう企業さんも多いのです。
加藤AD まず公的支援を受けて市場調査等を行い、民間の代行サービス会社のサポートでクロージングまでたどり着くというやり方は有効な気がしますね。

小松AD 私たち中小企業アドバイザーは個社の紹介はできませんが、代行サービス会社の選定基準を一緒につくることはできます。いきなり複数社に問い合わせる前に、まずアドバイザーと一緒に絞り込んだうえで臨むとよいのではないでしょうか。
福山AD ミッシングピースの特定というか、自社にどういう機能を補わなければいけないか、何をアウトソーシングすべきかを一緒に考え、整理する。そのうえで欠けているところを代行サービス会社で補う形ですね。
加藤AD 人材・製品・資金といった経営資源の有無や国内での実績によっても適切な代行サービス会社は変わります。ぜひ中小機構にご相談ください。
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「海外展開アドバイス支援」
※ご利用は中小企業・小規模事業者に限らせていただきます。
