
海外展開を目指しながらも、実務面で踏み出せない中小企業は少なくありません。本企画では、営業活動の実務を支援する「海外営業代行」に着目し5社への取材を通じて、サービス内容や費用感、各社の方針や担当者の人柄等をご紹介します。導入検討の一助としてご活用ください。
商社出身の多国籍チームがサポート
「海外営業は私たちに“おまかせ”ください」
株式会社STANDAGE(スタンテージ)
特徴
◎一気通貫の海外営業サポート
→わかりやすいパッケージで、戦略立案から営業代行、貿易実務、商社機能までカバー。
◎経験豊富な人材と多国籍チーム
→商社や大手メーカー出身の海外営業経験者が在籍し、製品理解に基づく営業力を発揮。
◎透明性を確保し、学びや自立をサポート
→自社開発の「貿易クラウド」で進捗をリアルタイム管理。顧客情報、取引条件、商談形成数等をガラス張りで公開。
お話を伺った方
執行役員 国内営業本部 部長
加藤 大介さん
前職では大手商社にてイランビジネスを担当。「商社ではトレーディングや既存案件のフォローが中心で、自由に新しいビジネスをつくることは難しいのが実情でした。いまは新しいビジネスを自分たちの手でスケールできる面白さ、そして中小企業の海外展開を支援することに大きな価値を感じています。」

株式会社STANDAGE https://wp.standage.co.jp/
事業の概要と強み
商社経験者の目利きと現地ネットワークで、海外販路を切り拓く
――事業内容について教えてください。
当社は2017年設立で、本社は港区芝公園、中小機構から自転車5分ほどです。今日も自転車で来ました(笑)。従業員は約110名で、社長と副社長は総合商社の伊藤忠商事出身。社内には商社やメーカーで海外営業経験のあるメンバーが約40名、若手も多く、専門商社レベルの経験者を集めています。15か国ほどの外国人スタッフも在籍し、商社経験者とタッグを組んで企業の製品を深く理解したうえで海外に売り込む体制を整えています。
事業のメインは、中堅・中小企業の海外事業を請け負うことです。営業代行だけでなく、戦略立案から貿易実務まで一気通貫で提供するのが特徴です。
これまでにおよそ400社を支援しており、6〜7割は輸出が初めての企業で、残りは輸出経験があるもののマンパワーが不足している企業です。最近、群馬県のお客様と契約し、47都道府県すべてにお客様がそろいました。
――海外拠点はどちらに構えているのですか。
対応エリアは全世界で、ニューヨーク、ドバイ、エジプト、ナイジェリアに海外拠点を構えています。東南アジアには自社拠点はありませんが、現地の日系企業や日系商社のネットワークと連携しています。

――得意な商材やエリアはありますか。
支援商材は多様ですが、受注ベースでは食品が4〜5割を占めます。初めて輸出される会社は規制が緩やかな東南アジアや中華圏から始めるケースが多く、食品は小ロットで参入しやすい点が魅力です。展示会との相性も良く、テイスティングでフィードバックが取りやすいため、2か月に1回ほど食品展示会にも出展しています。
欧米向けはFDAやHACCPといった衛生基準をクリアされた後の段階から支援します。雑貨は規制が少ないため欧米向けが多く、準備が整っている企業ほど取引金額も大きくなる傾向があります。機械分野は展示会よりリスト営業が中心で、外国人スタッフがアポを取り商談につなげます。
また、上場企業を中心に、アフリカ向けの輸出支援も手がけています。創業時にナイジェリアに拠点を置いたことが縁で、現地スタッフとともにマーケティングやパートナー選定を支援しています。
具体的な営業手法と考え方
“売れるまで”をまるごと引き受ける、新しい貿易代行のかたち
――御社には、「おまかせ貿易」という、わかりやすいパッケージプランがあります。
「海外に商品を売りたいけど、何から始めればいいかわからない」「社内に貿易人材がいない」「海外で売上をつくりたい」というお悩みを一挙に解決する貿易代行サービスです。営業から輸出、決済、回収までまるごとおまかせいただけます。海外販路開拓を始められない要因を取り除き、貿易体制を最短ルートで整えていきます。

――具体的には、どのように進めるのですか。
まず、現地で製品のニーズや規制を確認し、売るべき国を選定します。その後、現地の外国人スタッフや商社経験者が製品を深く理解し、お客様の代わりに売り込みます。メインはBtoBで、海外卸や小売、レストランチェーンなどとの取引が中心です。交渉や契約、代理店設定やメンテナンスまでサポートしています。
販路開拓の手法は主に3つ。「営業リストをつくってアプローチ」「海外展示会への出展」、そして「現地への出張による営業」です。
展示会はSTANDAGEとしてブースを構え、契約企業の製品を並べて当社の営業員が売り込みます。過去3年半分の展示会データを弊社として保有しているため、展示会に出展せずとも、「まずこの企業にアプローチしましょう」と具体的に提案できます。
契約から2〜3か月目には、担当者が必ず依頼主の企業を訪問します。商材を理解せずに営業はできませんので、北海道から鹿児島まで出張し、社長や現場から直接製品の説明を受けて営業を開始します。プレゼン資料がない会社がほとんどなので、現地で写真を撮るなど、営業資料づくりから入ることもあります。定例会は月1回、基本的にオンラインで実施します。
――社内の体制について教えてください。

私が国内営業と受注を担当し、契約後は副社長が率いるカスタマーサクセス部が窓口となり、プロジェクトマネージャーが各社を担当します。規制チェックのチーム、商社出身者やメーカーの海外営業経験者で構成される海外営業チーム、約10人の米国人スタッフによるインサイドセールスチーム、営業資料やEC対応を担うクリエイティブチームが連動し、月1回の定例ミーティングには海外営業スタッフも参加して、現地の生の情報を共有します。
2年間のロードマップは当社が策定し、営業資料がない会社はこちらで作成します。社内には通関士資格保有者もおり、インボイスやパッキングリスト作成、フォワーダーとのやり取りにも対応しています。
――進捗状況はどのように共有するのですか。
自社開発のクラウドプラットフォーム「貿易クラウド」で管理しています。CRM・チャット・決済機能を統合し、製品情報の登録から商談状況、打ち合わせの議事録までリアルタイムで確認できます。顧客管理から受発注、プロジェクト収支管理まで一元化されており、商談回数や交渉状況もすべて可視化されます。
通常、商社はこうした情報を公開しませんが、当社はすべてガラス張りにしています。最終的にお客様が自社で海外取引を進められるようになることが目標なので、情報共有が支援の質を高めるうえで重要だと考えているからです。
――御社との契約を「卒業」して自立される企業も多いのですか。
支援した約400社のうち、現在もご利用が継続しているのは約250社です。関わった企業の成長は嬉しいのですが、プラン終了後に離れてしまうと我々としては事業が継続できませんから、よりお役に立てる方法を常に考えています。最近は、プラン終了後も6〜7割の企業がそのまま継続されています。
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