
公的支援で自社の状況や可能性を把握し、
民間代行サービスの活用で壁を乗り越える
「情報やアドバイスは得られたが、その先の営業が前に進まない」——海外展開を目指す中小企業からそんな声が届きます。中小機構では企業の海外展開に向けた情報提供や戦略アドバイスを行っていますが、アドバイザーが担えるのは助言まで。その先の実務ニーズに応える選択肢のひとつが、海外営業代行サービスです。今回、中小機構で海外展開アドバイス支援を行う5名の中小企業アドバイザーが代行会社を取材し、サービスの選び方や活用法について率直に語り合いました。
※本記事は中小機構が特定事業者を推奨するものではありません。
座談会参加者
(50音順)※ADは「中小企業アドバイザー」の略
加藤 純平 AD/小松 隆志 AD/福山 琢己 AD/星加 弘之 AD/森川 勤 AD
営業代行のバリエーション
ハンズオン型から伴走型まで
ニーズに合わせた多様なスタイル
星加AD ひと口に海外営業代行サービス(以下、代行サービス)と言っても、取材を通じて実にさまざまだということがわかりました。営業担当として前面に立つところもあれば、市場調査や戦略づくりが中心のところもあります。中小企業側のニーズも千差万別ですから、活用の仕方も変わってきます。
加藤AD 企業のご相談を受けると「海外営業代行を使えば全部任せられますよね?」と聞かれることもありますが、どこまでやってもらえるか、どこは自社でやるべきかは、サービスのタイプによって大きく違いますね。

星加AD まず海外展開には、「市場調査や事前検証」「顧客獲得へ向けた営業」「契約・交渉」「受注後の対応」の4つのフェーズがあります。中小企業の場合、この4つのフェーズをいきなり一気通貫でこなすより、それぞれの段階に応じた最適なサービスを求めるケースが多いのではないでしょうか。また、代行サービス会社には、前面に立って商談まで行う「実務代行型」と、コンサルタント的に関わる「伴走型」があります。
森川AD 特定の業界や地域に特化した代行サービス会社もありましたね。
星加AD それぞれの強みは、その会社の祖業や元々の事業領域と結びついているようでした。たとえば、市場調査を手がけていた会社が海外営業代行にも進出しているような形です。
福山AD 地方自治体の中小企業支援事業を受託している代行サービス会社も多く、中小企業のニーズをよく理解されています。
星加AD 月10時間程度の実務を単発でこなしてくれる会社もあるようで、海外担当者がいない中小企業の「猫の手も借りたい」というニーズに対応しています。
加藤AD 「とにかく丸投げしたい」というニーズに応える会社もあれば、逆に「代行サービスを活用しながら自社の組織づくりや自立化を目指したい」という企業ニーズに応える会社もありましたね。
森川AD 海外バイヤーのニーズを集めてマッチングする形や、海外営業とWebサイト構築を組み合わせて需要を喚起する手法など、さまざまな工夫がありました。
星加AD いろんなアプローチがありますから、中小企業側が「自社が求めているサービスは何か」をしっかり考えた上で依頼する必要がありますね。
選び方
自社のニーズを明確にし
複数社を比較検討する
福山AD 世の中にはさまざまなアウトソーシング・サービスが存在します。包括的に調べるには、Web検索だけでなく、JETROのJS-Links、民間のDigima〜出島〜といったサイト[MSOffが便利です。
小松AD 各社のホームページや動画・セミナーで具体的なイメージをつかんでから、担当者と打ち合わせするという流れがいいですね。地方自治体や地方銀行から、海外販路開拓の支援の一環で提携している代行サービス会社を紹介してもらえる場合もあるようです。

加藤AD 選び方のポイントとしては、まず「複数の代行サービス会社を比較検討すること」が重要ではないでしょうか。
福山AD そう思います。ところが実際には、地銀などから紹介された1社に比較検討することなく依頼しているケースが多い。数社を見ることで、自社に必要な機能がより明確になると思うのですが……。
加藤AD 調べ方がわからないからでしょうか。
福山AD どこも似たようなものだと思っていて、探す必要がないと感じてしまっているのかもしれませんね。
森川AD 実際には、かなり違いますよね。今回5社を取材してみて、考え方もサービス内容もそれぞれだと実感しました。
星加AD 代行サービス会社のWebサイトは「詳しくはお問い合わせください」といった形が多く、問い合わせをしないと具体的な情報が得られないケースも少なくありません。情報収集に心理的なハードルを感じる企業もあるのではないでしょうか。
加藤AD 今回の取材記事を、ぜひ参考にしていただきたいですね。そして直接代行サービス会社と話すことで、自社が今どのフェーズにあるか、何が必要かが見えてくると思います。
福山AD 中小企業の経営者が多忙であることはわかっていますが、少なくとも2〜3社とは話をしてみてほしいですね。
加藤AD 海外に出なければと焦っているのに、何から手をつければいいかわからないという経営者もいます。自社の現状を把握・整理するためにも複数社と話すべきです。
小松AD まとめると、まず自社が今どのフェーズにいるかを確認し、複数者を比較して、自社のニーズと営業代行の強みが合うかどうかを確かめることですね。
福山AD 中小機構のアドバイザーにご相談いただければ、ご一緒に比較・検討します。生産財については対応できる代行サービス会社が限られているようです。
森川AD 代行サービス会社が開催するセミナーに参加するのも有効です。セミナー経由で問い合わせが来るケースも多いらしく、海外営業の知識も得られます。

1/2
営業代行サービス企業のインタビュー記事を読む





