EUガイドブック 現地レポート

企業事例3 EU販路開拓の取組事例 夢元無双

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けん玉メーカーとして世界初のメゾン・エ・オブジェ出展。

岩田さん 当初は海外出展するつもりはなく、国内出展も全くしていませんでした。

しかし、ブランディングのための調査を進めていく中で、海外でメゾン・エ・オブジェが世界最高峰にあり、世界のものを仕入れるために日本のバイヤーも訪れるということを知りました。それなら、日本で出展するより、ヨーロッパで出展したほうが良いのではないかということになったんです。

そもそも、私たちは日本のおもちゃ、玩具を作っているというつもりはなく、車でいえばフェラーリのような、高感度なものづくりをしているという意識でやっています。それならば、そこに出展されているメーカーも私たちのお客様になり得るのではないかと考えていました。

▲メゾン・エ・オブジェ2018のブース。
▲メゾン・エ・オブジェ2018のブース。

ーメゾン・エ・オブジェでは、どのような話が進みましたか?

岩田さん 複数の有名な家具ブランドと具体的な話が進みました。ヨーロッパの家具ブランドの東京の店舗から販売をスタートし、そこから海外に持っていくといったことも決まりました。メゾン・エ・オブジェで採用したインスタレーションをそのまま日本とヨーロッパの店舗で使うという話もありますので、そのような点でもメゾン・エ・オブジェに出展した意義を感じています。

▲伊勢丹新宿店でのポップアップの様子。
▲伊勢丹新宿店でのポップアップの様子。

ーヨーロッパと日本で、市場の違いなどは感じましたか?

岩田さん 歴史や、時代の背景を大事にする姿勢はヨーロッパの方が強いと感じています。例えば、建物にしてもそうですよね。修復はするけど、建物の外壁は壊さない。それに対し、日本は、新しいものを取り入れようという姿勢の方が強いように感じます。ですから、私たちは新しいものと古き良き時代のものを一つにして伝えようと考えています。

▲メゾン・エ・オブジェ2018のブース。
▲メゾン・エ・オブジェ2018のブース。

ーヨーロッパに進出する際に、課題に感じていることはありますか?

岩田さん 海外で販売する場合のコストの問題ですね。為替の問題もありますが、輸送費や関税の問題もあります。ドイツで作ったものをフランスで売るなど、ヨーロッパ間のほうが流通はやりやすいんですよ。日本で作ったものをヨーロッパで売るとなると、価格競争という面では厳しくなってしまう。商品は気に入っていただいても、価格で行き詰まってしまうということもあるんです。日本から販売する方法と、海外の店舗に卸す方法と、価格設定をどうするかという点で非常に悩みます。

ー市場調査はどのようにされているのでしょう?

岩田さん ヨーロッパでは、展示会の会場だけでなく、トップブランドが置いてあるところにとにかく足を運んで見るようにしています。国内に製品を置いているブランドもあるので、そのようなところにも足を運んで、世界観を確認するようにしています。その世界観に何が合うのか、どのようなものが求められているのか、などを肌で感じながら、それを自分たちの次の製品に生かしていきます。

▲メゾン・エ・オブジェ2017のブース。
▲メゾン・エ・オブジェ2017のブース。

ー市場調査で、お店の世界観以外に、見ている点はありますか?

岩田さん お店の方がお客様とどのようなコミュニケーションを取っているのか見ています。例えば、国内のお店にけん玉を何の説明もなく置くと、けん玉はけん玉で、それ以上でもそれ以下でもなく見えてしまいます。ただ金額を見て「高いね」と言われて終わってしまう。せっかくお客様がいるところに置いていただいても、売れないのであれば意味がない。

▲ストーリーとともに販売していく。
▲ストーリーとともに販売していく。

岩田さん でも、これはこういう歴史があってこういうデザインになっていて、だから価値があるんですと説明できる店員さんがいると違ってきますよね。けん玉そのものについて説明しなくてはいけないヨーロッパであればなおのこと、店員さんがどのように説明するかが重要です。だから、市場調査に行く時は売り場で実際に店員さんが何を話されているのか聞いたり、「この商品がどのようなものですか?」と質問してみたりしています。そのような質問をした時に即答できる店員さんがいるお店はレベルが高いので、購買につながる可能性も高いですね。

ー直接営業されることもあるのでしょうか?

岩田さん ここの店にあったら素敵だな、ここの店に置きたいな、という店があれば、飛び込みで営業することもあります。ヨーロッパでも飛び込みで名刺とパンフレットを渡して、すぐにサンプル送れるから言ってくださいという感じで営業することもあります。ただ、人気のあるお店だとすぐに話が進まないこともあるので、1年2年3年と時間をかけてアプローチしていかなくてはいけないと思います。

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