地場の伝統工芸品である虎ノ門焼の製造・販売を行っている虎ノ門窯。 日本に旅行に来た際にお土産として購入したイギリス人女性がフェイスブックに写真を投稿したことからお店に訪れてくれる外国人が増えてきました。そこで、海外ECモールで販売しながら、自社ではSNSを活用し虎ノ門焼ブランドを海外の人達にもっと広く知ってもらえる様にできないか、と考えるようになりました。

本稿では、地場の伝統工芸品である磁器の製造・販売を行っている企業を題材とし、海外の現地消費者向けにECモールやSNSを活用し、自社商品の直接販売を行うためのプロセスや手法についてSTEP BY STEPで説明します。

地場の伝統工芸品である虎ノ門焼の製造・販売を行っている株式会社虎ノ門窯。 日本に旅行に来た際にお土産として購入したイギリス人女性がフェイスブックに投稿したことからお店に訪れてくれる外国人が増えてきました。そこで、インターネットでの販売を介し、虎ノ門焼ブランドを海外の人達にもっと広く知ってもらえる様にできないか、と考えるようになりました。

しかし、虎ノ門窯社は2つの店舗を運営する小規模事業者で社員は7人。どういった形で何からスタートすれば良いか、専門家に相談してみることにしました。

今回、中小機構の国際化アドバイス制度を利用し、早速海外向けECに詳しい専門家と面談することになりました。

※株式会社虎ノ門窯、および虎ノ門焼は架空の名称です。

アドバイザーの港(みなと)
こんにちは! 中小機構 アドバイザーの港(みなと)です。よろしくお願いします。
ところで、虎ノ門窯さんの商品を購入される外国人のお客様はどういった客層なんですか?

相談者A
イギリスやフランス、アメリカ、オーストリア、イタリア、スペインなど。
欧米系の女性が中心です。年齢層は20-50代と幅広いですね。

アドバイザーの港(みなと)
どういう商品が良く売れるんですか?

相談者A
ボウルや大き目のカップが人気で、温かみのある素材感とシンプルデザインが好まれます。

アドバイザーの港(みなと)
国内でも売れ筋の商品ですか?

相談者A
そうなんです。なので、量産対応可能な2,000円前後の価格帯の商品を現地の方に直接販売してみたいと考えているのですが、社員も7人の小さな会社ですし、いきなり海外向けに越境ECサイトを自社で、というのはちょっとイメージできなくて。。それに自分たちで商品を発送したり問い合わせに対応したりするのって大変ですよね?

アドバイザーの港(みなと)
それなら、現地のECモールに出店という形から始めてみるのも一つの選択肢だと思います。こちらは、ヨーロッパ地域におけるECモールの月別来訪者数のデータです。ドイツ、英国(UK)、フランス、イタリアなど主要国に幅広く展開しているのはアマゾンとeBay です。フランスのECモール PriceMinisterを所有する楽天も頑張っていますね。

相談者A
ヨーロッパ全域で見るとアマゾンがトップなんですね!
お店の顧客層は英国(UK)、ドイツ、フランス人の方が多いのでヨーロッパの複数国で展開しているアマゾンは相性が良さそうです。

アドバイザーの港(みなと)
そうですね。ただ、気をつけていただきたいのは言語です。ヨーロッパの国々はみんな英語が達者なイメージがありますが、 ヨーロッパ地域の60%の人が自国の言語のECサイトでなければ買い物しない、という統計データ(*1) もあります。

アマゾンでも Amazon UK (www.amazon.co.uk) に登録すると、Amazon DE (ドイツ), FR(フランス), IT(イタリア), ES(スペイン) の5か国同時に販売可能ですが、各国のアマゾンサイトの商品ページは、その国の言語で作るという規約があります(*2) 。例えばアマゾンドイツなら商品ページはドイツ語で作ることになります 。

ちなみに、ターゲットにしたい国はどこですか?

相談者A

英国を考えています。世界的に有名な陶器メーカーもたくさんありますし、英国のテーブルウェア市場は過去5年伸びている様ですし(*3) 。

(*1) https://www.textmaster.com/blog/cross-border-sales-strategy/  Posted on 11/05/2017
(*2)  Amazon.de Product detail page rules
https://sellercentral.amazon.de/gp/help/external/help.html?itemID=200390640&ref=sc_hp_rel_200390640&language=en_GB
(*3) Annual expenditure on glassware, tableware and household utensils in the United Kingdom (UK) from 2005 to 2017  https://www.statista.com/statistics/301030/annual-expenditure-on-glassware-and-tableware-in-the-united-kingdom-uk/

アドバイザーの港(みなと)
なるほど。では、まずアマゾンUK で販売を開始し、慣れてきたら他の国にも広げてみてはいかがですか?

相談者A
それはいいですね! いきなりヨーロッパの複数国に展開、となるとしり込みしてしまいますが、将来的に販売対象国を順次拡大していくのであれば弊社の様な小規模の会社でもできるかもしれません!

アドバイザーの港(みなと)
また、海外への発送作業を自社で行うのが大変なのであれば、Amazon FBAサービスを使うという手があります。あらかじめ自社の商品をAmazon UK の倉庫に入れておいて、注文が入った時はAmazonが発送する、というしくみです。磁器なら賞味期限も無いですし量産可能な商品ならまとまった数を最初にAmazon UK の倉庫に送っておけますね。

ヨーロッパ地域でのECモールは、当然アマゾンだけでなくeBayを始め他のECモールの選択肢もあります。 出店先の選定にあたっては、自社の商品との親和性、競合度、出品ツールの使いやすさ、出品コストなど様々な角度から調べた上で選択すると良いでしょう。

ECモールでの販売における集客スキーム

アマゾンなどのECモールでも、出品するだけで商品が勝手に売れていくわけではありません。まずは膨大な数の商品の中で自社の商品がユーザーに発見されやすくなるための取り組みがカギとなります(STEP1)。

とはいえ海外の現地でまだ全く知名度の無い日本のブランドの場合、検索で上位表示されるようになるまでにはそれなりに時間と労力がかかります。そこで、STEP1のECモール内での取り組みに加え、外部からECモール内に送客するしくみも同時に構築(STEP2)することで、自社商品ページへの集客最大化を図ります。

STEP1 ECモール内で自社の商品が検索上位に表示される様にする
STEP2 外部(検索エンジン, SNSなど)からモール内の自社の商品ページに送客する

amazonuk

アマゾンUKサイト (www.amazon.co.uk)

※アマゾンサイトへの出品手順については、Amazon.co.uk, Amazon.co.jp のヘルプをご参照ください

ここからは、アマゾンUKサイトへの出品を例としてECモールでの集客・売上を最大化するためのスキームや業務の流れについてステップを追って考えていきます。

STEP1:ECモール内の検索結果で上位表示を目指す

アマゾンサイト内の検索アルゴリズムは、Googleのそれとは異なります。Googleの検索アルゴリズムが、「ユーザーが欲している情報を上位表示する」ことであるのに対し、アマゾンは「ユーザーが探している商品・買いたいであろう商品と関連性の高い商品を上位表示」しています。

よって、アマゾン内で検索上位表示されるためには右図の様な要素が重視されます(*)。

つまり、探していた類の商品であり、在庫があってオサイフに優しく、早く届き、そして購入者から高評価で売れ筋の商品がユーザーの探している商品である、ということですね。ユーザーの立場になってみると納得です。

では、それぞれの要素を順に見ていきましょう。

(*) これらはアマゾンが正式に公開している情報ではありません。国内外でアマゾンサイトでの販売に携わる事業者により経験則や検証結果として発信されている内容に基づいています

① 商品説明

右の商品は、アマゾンUK(www.amazon.co.uk)サイトで、 “soup bowl” と検索した際に上位表示された商品の商品ページです。

商品名(①)より、素材が磁器(Porcelain)で、容積は750ml。電子レンジ可能(Microwavable )で、シリアルやスープ用のボール6色セットであることがタイトルからわかります。また、商品説明 (②) では、詳細な説明が記載されています。

商品名は商品の概要がわかる具体的な情報を端的に。商品説明欄には、商品の特徴、使い方、競合商品との差別化ポイントなどを記載しましょう。

英語での商品説明は、複雑な文法はできるだけ使わず、シンプルな文節で構成する様にします。

② 在庫

アマゾンFBAサービスを使うと、商品をあらかじめアマゾン倉庫に納品しておくことでアマゾンが商品発送を代行します。

アマゾンUKにFBA登録をした商品は、アマゾン倉庫に納品完了するとPrime(*) 対象商品として『在庫あり』の状態になります。購入者にとっては、アマゾンUKの他のPrime対象商品と同様に無料で翌日配送してもらえるため、購買率は向上します。また販売側にとっても、Prime対象商品となることで検索結果画面での表示が上昇するメリットがあります。

fda

(*) Amazon Prime: Amazonでの買い物時に優遇が受けられる有料サービス。一部の商品を除き配送料が無料になる等の特典がある

③ 価格

価格は購買率(商品ページを見た人が実際に購入する確率)に大きく影響します。そのためコモディティ商品はどうしても価格競争に陥りがちですが、虎ノ門窯社の商品の様にUK市場で類似商品が少ない商品においては特に、無理に安売りするのではなくきちんと利益を確保できる価格付けに基づいた販売戦略を練ることがビジネス継続の観点で重要です。アマゾンUKでFBAサービスを利用するためには主に以下のコストがかかります。

送料、輸入関税
■ アマゾンに支払うコスト
・ 販売時に支払うコミッション
・ FBAに関するコスト
■ マーケティングコスト(もしあれば)
・ 広告など

商品の重量や種別により送料、関税、アマゾンに支払うコストも異なります。

自社の売り上げにおける海外売り上げ比率が増えれば増えるほど収益率が下がってしまう様では本末転倒です。卸売価格にこうしたコストを乗せた上での収支シミュレーションをした上で売価を設定しましょう。

④ 販売ボリュームと購買率

①商品説明の記載内容、②価格、③在庫有無などの条件に劣らず重要なのが、「商品が(絶対数として)たくさん売れていること」そして「購買率が高いこと」です。では、販売ボリュームを増やし、かつ商品の購買率を向上するためにはどういった取り組みが効果的でしょうか

■商品画像:商品ページに掲載する画像です。素材感やサイズ、使用イメージがわかる様、複数の写真を掲載すると良いでしょう
■カスタマーレビュー:商品ページを訪れたユーザーの購買率に大きく影響します。
■ EBC:Enhanced Brand Content の略で、商品ページ内で商品の仕様や特徴を画像付きで紹介できる機能です。商品のブランドを所有している企業のみEBCを作成できます。
■配送方法:アマゾンの倉庫から配送するFBA (フルフィルメント by Amazon) を利用することで購買率が上がります。
■広告:Amazonサイト上で広告を出稿することもできます

商品画像

カスタマーレビュー

カスタマーレビューは、購入率に大きなインパクトを与えます。
既にアマゾンサイト内で販売されている競合商品や類似商品のレビュー、特に1つ星~3つ星の低評価のレビューを確認し、自社の商品ページの記載内容や配送方法などに反映しましょう。

EBC (Enhanced Brand Content)

アマゾンの商品ページにおいて、通常は商品説明部分は全てテキスト文字で作成しますが、Amazon EBC (Enhanced Brand Content) サービスを使うと、テキスト文字と画像を混在させた商品説明ページを作ることができます。EBCを使用することができるのはその商品のブランド所有元のみです。(その商品を仕入れて販売している企業はEBCを利用することはできません)

Amazon EBC を利用すると、商品ページに独自のブランドストーリーを追加したり、より見やすい画像やテキストを配置することで、わかりやすく商品の特長を伝えることができます。効果的な商品紹介コンテンツを商品ページに追加することで、閲覧数を増やし、購入購買率を高め、売上を伸ばすことができる可能性があります。(Amazon セラーセントラル ヘルプより)

広告

『Amazonスポンサープロダクト』という広告サービスを使うと、特定キーワードでの検索結果画面や、他社の商品ページ内で自社の商品を宣伝することができます。クリックされた時のみ費用が発生するクリック課金型のため、初期費用をかけずに商品の露出を増やしたい時に効率的です。

参考資料

以下はアマゾンが提供しているヘルプや動画です。
また、出品方法やアマゾンでの販売のコツ、広告出稿手順など、第三者により様々な情報が提供されていますので合わせて調べてみてください。

Amazon グローバルセリング (海外のアマゾンサイトでの販売について)https://services.amazon.co.jp/services/global-selling/services-overview.html

【YouTube動画(日本語)】きれいな商品画像の撮影方法|Amazon出品大学
https://www.youtube.com/watch?v=x8qIbjE4-00&t=12s

【YouTube動画(日本語)】商品検索対策(検索キーワード)|Amazon出品大学
https://www.youtube.com/watch?v=9AV6v8IbK8Y

Amazonスポンサープロダクトについて(日本語)
https://services.amazon.co.jp/services/sponsored-products/how-it-works.html

(Amazon.co.jp のスポンサープロダクトの説明ですが、Amazon.UK など他国のアマゾンでも仕様は同じです)

STEP2:外部から送客するしくみを構築する

外部からECモールに送客するための流入元チャネルとしては、自社のWebサイト、ソーシャルメディア、ブロガーサイト(インフルエンサーマーケティング)、オーガニック検索、有料検索・ディスプレイ広告など様々なルートが考えられます。虎ノ門窯社ではまずは操作に慣れているソーシャルメディア(SNS)運用と自社サイトを中心に送客ルートを構築することにしました。

いずれECモールでの販売業務に慣れてきたらオーガニック検索対策(SEO対策)にも取り組みたいと考えています。

虎ノ門窯社は、ソーシャルメディアは主にインスタグラムを運用しています。これまでは日本語だけで投稿していましたが、今後は英語での投稿も織り交ぜながら、海外の購入者も意識した投稿をしていこうと考えています。

そもそもソーシャルメディアには認知度アップだけでなく、自社の対象顧客との距離を縮める、という重要な役割があります。 そのためにも、対象顧客からの共感を得られるような内容を発信していくことが大切です。

となると、どういった内容を発信すれば良いでしょうか。

国内の虎ノ門窯の購入者層は女性が多く、ふだんの食事での用途がメインです。今回の対象地域であるUKでも同じ様な使用イメージを前提に発信するのが良いのでしょうか?

海外では、日本のものが日本とは異なる用途で使われることは度々あります。着物をガウンとして着用したり、抹茶も抹茶ラテやスムージーなど、

当初日本には無かった飲み方で人気が出ています。ソーシャルメディアで海外に商品のイメージを発信するにあたっても、自社の商品に近いものが現地でどういった使われ方をしているのか、どういった発信が刺さりそうか、是非研究してみてください。

今回は検証手段の一つとして、アマゾンの購買情報から虎ノ門窯の潜在顧客層や商品の用途について掘り下げてみます。

アマゾンの購買情報から自社の顧客層を推測する

日本のアマゾンサイトで買い物をしたことがある方なら、商品ページの中の“この商品を買った人はこんな商品も買っています” というおすすめ表示機能をご存知でしょうか?

その中で自分の欲しいものを新たに見つけてしまい、ついついそっちも買ってしまった、という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この、おすすめ表示機能は、アマゾン内での実際の購買行動に基づいて表示されており、対象商品の顧客層を推測する情報として非常に有用です。

この機能を利用してアマゾンUKサイトの競合商品を分析し、自社の顧客層について掘り下げてみましょう

虎ノ門窯社の商品と親和性の高い顧客の嗜好は?

虎ノ門窯社の話では、自社の商品で訪日外国人に人気の高いのは、ボウルや大き目のカップ、とのことでした。そこで、アマゾンUKサイト内で虎ノ門窯の商品とデザインや質感の近い競合商品をいくつか選び、それらの商品ページ内の “この商品を買った人はこんな商品も買っています” に相当する ”Customers who bought this item also bought” に表示される商品をチェックしてみました。

競合商品の顧客属性調査

① 無地のどんぶり型

② 抹茶茶碗

③ 大き目で藍色基調のデザイン

アマゾンUKの顧客属性調査からわかったこと

以上をふまえ、虎ノ門窯社ではインスタグラムから以下の様な使用イメージの投稿内容で発信を始めてみることにしました

  • 麺などの料理シーン
  • 茶道文化の世界観や抹茶ドリンク
  • ガーデニング

インスタグラムからの発信イメージ(参考例)

ソーシャルメディアからアマゾンUKサイトへの送客スキーム

さて、アマゾンUKサイトへの送客手段としてインスタグラムからの発信に関する方針が固まってきました。
以下の図は送客スキームです。

アマゾンへの送客はインスタグラムのアカウントページから虎ノ門窯社のWebサイトを経由させます。インスタグラムでは各投稿画面から外部Webサイトに直接リンクを貼れない、という特有の事情もあるのですが、Facebookなど他のソーシャルメディアでもやはり同様に自社のWebサイトを一旦経由する様にします。

ソーシャルメディアから直接アマゾンサイトに飛ばした方がより多くの集客が見込めるのではないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。なぜわざわざ虎ノ門窯社のWebサイト経由にするのでしょうか?

理由は、アマゾンサイト上での「購買率」をなるべく落とさないためです。アマゾンサイト内の検索アルゴリズムでは、検索結果上位表示の条件の一つとして購買率も考慮されていると考えられています。つまり商品ページを見たユーザーの購買率が高ければ、ユーザーにとってより魅力ある商品と判断される、というわけです。

ところが、ソーシャルメディアからの来訪者は、興味はあっても、まだ「買おう」という意思には至っていない場合が多いため、ソーシャルメディアから直接アマゾンに送客してしまうと、購入確度の低い「冷やかし客」をたくさん連れてきてしまうことになり、結果アマゾンの自社の商品ページの購買率が下がります。そしてその結果、検索で上位に表示されづらくなってしまう、と考えられています。

それを防ぐために一旦自社のWebサイトに誘導し、購入確度の高い見込み客を絞り込んでからアマゾンサイトに送客できる様にします。

インスタグラムで海外のフォロワーを増やすには

インスタグラムでフォロワーを増やすポイントとして重要なのが以下の2点です。

  • ハッシュタグの選定
  • 質の良い投稿写真

まず自社商品に関連の高いハッシュタグで検索した際に “人気投稿”として上位表示される投稿写真などを参考にして、どういうテイストがユーザーに好まれるのか研究しましょう。投稿内で使用されている他のハッシュタグも参考になります。

“質の良い” 写真について: いわゆるインスタ映えする見栄えの良さも大事ですが、同じ趣味・嗜好を持つユーザーが “良い♡” と共感したり、興味をそそる様な要素を取り入れることにも注力してみると良いでしょう。今回は海外のファンを増やすことが目的ですので、“日本ならでは” の見せ方も意識してみるのも良いと思います。

ハッシュタグとは?
投稿内で使われるハッシュマーク(#)を先頭に付けたキーワードです。
ハッシュタグについて詳しく知りたい場合はネット上の様々なサイトで紹介されていますので調べてみてください

インスタグラム:参考事例

英語のハッシュタグ名に迷ったら・・・
ハッシュタグを自動で生成するツールを使ってみる手もあります

最後に、今回のプロジェクトで虎ノ門窯社がやるべきことの全体像を次のページにまとめてみました。本稿ではアマゾン出品を題材としましたが、アマゾン以外のECモールで販売する場合も同様のアプローチが適用できます。

虎ノ門窯社 アマゾン出品プロジェクト 全体像

上図の③海外向け自社サイト構築、④数値管理は本稿では触れていませんが、それぞれ 『欧米向けWebサイト構築 STEP BY STEP ガイド』シリーズの 他の稿でカバーしています。よろしければ参考にしてみてください。

③海外向け自社サイト構築: “3.海外バイヤー向け商品紹介サイト編”をご覧ください。BtoB/BtoCの対象は異なりますが、Webサイトデザインや商品ページの制作に関する考え方は活用できる点が多くあります。

④数値管理: “1. 越境EC編” をご覧ください。自社の越境ECサイトとアマゾンの様なECモール出店では、取得できる数値情報に多少差異はあります(ページビューなど)が、ECビジネスの数値管理の考え方は基本的に同じです

番外編 ソーシャルメディアの選択について

今回、虎ノ門窯社ではインスタグラムを活用していますが、そもそもソーシャルメディアには、Facebook, Twitter, YouTube などいろいろあります。海外向けの発信媒体を選ぶ際には判断基準として以下の様な考え方があります。

① 対象顧客との親和性
対象市場で主要ソーシャルメディアとして使用されているか
年齢や性別などの属性と合致しているか

② 自社商品・サービスとの親和性
自社の業種・業態と合っているか

③ 自社の人的リソース
継続的に発信できる人員はいるか

①、②は一般的な話ですが、海外向けの場合は③も十分検討してみてください。

例えば英語などの現地語で100文字程度の投稿を日常的に書ける人がいない場合、FacebookやTwitterよりも、画像での投稿が中心のインスタグラムやピンタレストの方が運用しやすい場合も考えられます。

ビジネス用途としてのソーシャルメディア – プラットフォーム別の特徴 自社のビジネスに合うのはどれ?

UKのソーシャルメディアプラットフォーム別ユーザー数

一位はFacebookですが、インスタグラムも1,000万人以上のユーザーがいます。虎ノ門窯社の商品の様に対象顧客の嗜好がある程度絞り込める場合、インスタグラムのハッシュタグをうまく活用することで嗜好性の近いユーザーとつながりやすい、というメリットもあります。

THANK YOU FOR READING!

UKを始め、ヨーロッパ各国のECモールサイトを見ていると、まだまだ現地で知られていない日本の良いものが沢山あると感じます。一方で販売商品は膨大な数となっており、いかに自社の商品を見つけてもらい購入につなげるか、というのは多くの出品者にとって大きな課題となるでしょう。本稿では、アマゾンを例としてECモールで売り上げを伸ばすための『ベストプラクティス』についてまとめてみました。ECモールならではの集客力を活かして海外の顧客獲得につなげていただければと思います。

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EU販路開拓ガイドブックシリーズ

中小機構では、中小企業一社一社の輸出や海外拠点設立を経験豊富な専門家が一緒に考える「海外ビジネス戦略推進支援事業」を行なっています。今般、EU との経済連携協定の締結を契機として、EU進出を図る企業様の支援特別枠を設けるとともに、より幅広い方々を支援するため、「EU 販路開拓ガイドブックシリーズ」を作成していきます。

このガイドブックシリーズでは、進出を図る際に知っておきたいEU マーケットの動向や参入規制、展示会などを活用した販路開拓のポイントのほか、急速に進展を遂げるWEBを使ったマーケティングやEC モールの活用など、オンラインでの販路開拓のノウハウについても取り上げていきます。

平成30年3月から平成31年3月までの特別プロジェクトです。ご期待ください。

「海外ビジネスナビ」にて順次公開予定
https://biznavi.smrj.go.jp/

中小機構とは

独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)は経済産業省が所管している中小企業政策の中核的な実施機関です。起業・創業期から成長期、成熟期に至るまで、企業の各成長ステージで生じる様々な経営課題に対応した支援メニューを提供しています。

全国10か所の地域本部等及び9か所の中小企業大学校を支援の最前線として、皆様の経営をサポートしています。このほか、国内外の他の政府系機関や地域支援機関とも連携し、幅広く支援メニューを提供しています。

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公開日:2019年 4月 22日

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