GCC各国は代理店法/商業代理店法を施行しています。これらの法律は基本的な考え方に於いて共通点が見られます。
それら共通項を以下の通り要約・整理するのでご参照下さい。

〇 GCC各国市場では、外国企業が独資で製品・サービスの販売を行うことは認められて居らぬ為、
①当該国に販売会社(当該国資本が51%以上所有すること)を設立、或いは、
②代理店(100%自国資本であること)を起用して販売を行う。の何れかの方法を採る必要がある。

〇 代理店は、当該国資本が100%所有する法人であること。 起用された代理店は代理店契約の締結を登記当局(国によっては、商工省、経済省といった経済関係省庁が多い)に登録する。 登録により、同代理店にExclusivity(独占販売権)が生じるとみなされることがある。 ⇒ これを防ぐためには、現地弁護士に予め相談し、現地の法律で強制されていない限りは、Non-exclusive(非独占)の代理店契約と規定して置くことが肝要。 この点を曖昧にしたまま、登録手続き書類に同意の署名を行わぬこと。(但し、クウェイト/UAEは独占販売権付与が元来義務付けられている。)

〇 代理店起用のメリット
①市場/業界をよく知る優良代理店を起用できれば販売の強力な戦力となる。
②当該製品の市場での知名度があり顔の見える販売窓口(=代理店)の存在は、アフターセールサービス観 点からも、消費者・購買者の安心感となる。
③並行輸入等自社の同一商品との競合や価格混乱を予め防止できる。

〇 代理店起用のディメリット
①代理店契約義務の明らかな不履行/違反行為がない限り、代理店契約期間内では起用側の理由で契約解消は出来ないこと。
②又、基本的に「代理店保護法」的な色彩の法律であるため、契約更新の是非は常に念頭に置き、契約に謳う目標の未達成、違反行為、契約条項の不履行、或いは、起用者側に契約更新の意思のないこと等はタイムリーに書面で度通知し、エビデンスとして残すといった手間をかける必要があること。契約の終了/解消となった場合でも、  代理店は何らかの補償を求めるであろうし、その主張が認められるケースが多い。(「代理店保護法」的色彩)

〇 代理店契約解消を巡り係争になった場合、当該国の法律が適用される結果となる故、代理店起用に際しては十分な吟味と評価を行うだけでなく、 本邦と現地の信頼できる弁護士に契約書内容を細心の注意を払って作成させることが肝要。

〇 外国企業が代理店との契約関係を解消し、新たな代理店を起用し登録しようとする場合、往々にして、 旧代理店との間にある全ての紛争が解決するまでは、旧代理店の登録抹消と新代理店・契約書の登録は保留される。 従って、この間は新たな輸入・販売活動は一旦、停止状態とならざるを得ない。 この点、具体的なケースは現地弁護士に相談することは必須である。

プロフィール

国際化支援アドバイザー(国際化支援)富山 保
総合商社に38年勤務し長年海外ビジネスに携わってきた。若い頃の会社派遣のアラビア語研修皮切りに、 合計約15年間の現地駐在経験(サウジアラビア・UAE等)を有する。