オーストラリア 地域 海外進出ノウハウ

現地から見るオーストラリア市場進出の魅力

Google+ Pinterest LinkedIn Tumblr

海外進出のテストマーケティングにも適したオーストラリア

大輔:ただ、一方でメリットもあります。

日本企業が海外展開を考える際に、海外地域における自社製品・ブランドの受容性を事前に把握してから進出先の拠点を決めたい、と考える企業は少なくありませんが、そんなときにオーストラリアは「テストマーケティング」の地として非常に最適です。

理由の一つに、多種多様なターゲットのデータを取得しやすい点があります。先ほども述べたように、オーストラリアは多民族国家であるために、アジア圏から欧州圏、北米・南米圏に至るまで、様々なバックグラウンドをもった人々に自社製品を触れてもらえる機会を作ることができます。

同様の多民族国家 (かつ欧米圏の先進国)としてカナダが挙げられますが、日本とカナダは時差が10時間以上離れています。オーストラリアの場合、シドニーやメルボルンがある東海岸で2時間程度なので、日本にいる社員と現地駐在員がコミュニケーションしやすいメリットがあります。

作野:欧米圏や東南アジア圏など、すでに先行企業が多いエリアを進出先として真っ先に考える企業は多いけど、他の海外市場進出も見据えて、オーストラリア進出をまず考えるというのは、新しい視点だね。

地理特性を活かしたビジネスの安定と高単価の販売戦略

作野:テストマーケティング以外で、オーストラリアをビジネスのマーケットとして捉えると、日本企業にはどのようなメリットがある?

大輔:地理的な話でいくと、南半球は季節が真逆であることが、ビジネスに有利に働くケースがあります。
例えば、冬場に売上が伸び悩むメニューがあった場合、日本で冬季シーズンの間、オーストラリアは夏季シーズンにあたるため、オーストラリアで安定的な収益を望むことができます。
また、国民の所得水準が高いために、価格帯を高めに設定しても受け入れてもらいやすい点も、日本企業にとっては魅力的です。

作野:日本企業がオーストラリア市場でとっている高単価の販売戦略で、何か具体的な例はある?

大輔:例えば「ラーメン」があります。
日本のラーメンは、海外でも非常に人気が高いことが知られていますが、オーストラリアでもポピュラーな料理の一つで、ラーメンを提供している店舗はシドニー市内だけで170店近くもあります。

現在、日本人ビジネスマンの平均ランチ額は570円前後を推移していますが、オーストラリアではAU$10.89、日本円で約870円 (AU$1=80円換算)と300円近くも開きがあります。ですから、1杯1,000円以上の価格設定でも、味が評価されて連日行列の店舗は数多くあります。

いま、ラーメン業界は、日本国内市場で「1,000円の壁」問題に頭を悩ませています。同じ麺料理でも、パスタには違和感なく1,000円以上支払うのに対し、ラーメンで1,000円以上になると高い印象を抱かれてしまう消費者心理です。この問題を、国内市場で解決しようとすると非常に難しいですが、オーストラリアでは、このハードルをクリアできる可能性があるわけです。

日本国内で抱える課題をオーストラリアではクリアできる可能性も
1 2 3 4

中小機構 ロゴ