中東 現地レポート

日本製ジュエリーの市場性 – 中東ビジネスのヒント 第15回

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総論

GCCは原油・ガスの産出国であることから連想されるのか、又、誇張した取上げ方をするメディアもある為か、わが国では、「ドゥバイは(GCCは)珍しいモノであが良ければ高値(言い値)売れる市場。」という“神話”が罷り通っているようです。然し、これは必ずしも現実の姿ではありません。実態は、市場での競争は非常に激しく「何を売るのか?」「誰に売るのか?」「幾らで売るのか?」「どこで売るのか?」「どのように売るのか?」が重要であり、その意味では、他のどの新規市場開拓と変わるものではありません。結論的には、適格な現地のパートナー(輸入・卸・小売業者=代理店)を通じて、現地消費者の趣味と購買力に見合うジュエリーを輸出・販売をする体制を構築できれば、日本製ジュエリーの現地での販売は可能であろうと思われます。但し、典型的な趣味の贅沢商品である「ジュエリー」の販売に於いては、非日本人である購入者(主として、インド人/パキスタン人/アラブ人/欧米人)の「感性」(趣味・美意識・審美眼)に訴求し得るかという点では、機能・性能が購買動機の主要な要素である量産工業製品とは異なる難しさはあると思われます。以下に、ドゥバイ市場を例に、若干の補足を行います。

1.輸入者/販売者について

(1)UAE(ドゥバイはその中の1首長国)では、輸入・販売はUAE人(法人・自然人)のみ行うことができる。仮に、外資がUAE内で販売会社を設立し販売を行う場合、その販売会社は「UAE資本が、51%以上を所有している」ことが必要である。
(注)但し、Dubai Gold & Diamond Park は、Jebel Ali Free Zone Authority FZA の傘下にあるFZであり、外資100%での会社設立が可能。(詳しくは、Question5.「フリーゾーンとは?」の項をご参照。)

(2)「輸出をするだけ」を目指すのであれば、ジュエリー業界での経験が豊富な現地企業を輸入者/販売業者(或いは、代理店)としてを発掘・起用する必要がある。
(注)「ジュエリー」のような贅沢品・奢侈品(非工業製品)の輸入が、UAEの代理店法の対象となるか否かは、現地の弁護士に要確認。

(3)ドゥバイは歴史的にインドとの関係が深く、人口の約90%を占める外国人居住者(殆どは、出稼ぎ人)の約半分をインド人が占める。ドゥバイ宝飾業界も企業オーナー/出資者はドゥバイ人であっても、実際の経営と工房/小売店舗の運営と実働はインド人が担っているケースが殆どである。即ち、商談で対面するのは殆どインド人である。

(4)宝飾業界のプレーヤーの形態としては、大きく次のように分けられよう。

↓ 〇 製作・(輸入・卸売)・小売を行う業者

(規模順) ↓ 〇(輸入)卸売・小売を行う業者

↓ 〇(輸入)小売業者

その何れの形態も、正規に設立・登記された企業であれば輸入は可能であり、実際に自社で輸入する企業も多数存在する。

(5)現地側輸入パートナーを選定する場合には、
① 規模(決済能力/信用力)
② 店舗数/店舗ロケーション
③ 貴社製品・作品に対する評価と姿勢、
④ 当該企業が取扱うジュエリーの品揃えの中に於ける貴社製品・作品に納得できる位置付けが与えられるか否か、 等を慎重に考慮すべきであろう。

(6)毎年12月にドゥバイ、International Jewelry Week という中東~南西アジア最大のジュエリー展示会が開催され、そこには在ドゥバイの大手宝飾企業の多くが出展する。同展示会を訪問し、作品・趣味の傾向を調査すると共に、出展企業/視察訪問企業と取引可能性に就き、意見・情報交換を行うことは効率的な市場調査の一環となろう。

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