インド 現地レポート

インド モディ政権下における投資環境の現状について

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インドへの既進出企業が抱える諸問題とそれへの取り組み

最後に、既にインドへ進出している日系企業が抱えている諸問題についてですが、これら企業は日々の会社運営の中で様々な問題に直面しており、とりわけ行政に絡む諸問題については、インド各地の日本人商工会等を通じてインド政府の関係各機関に建議書等の形で改善要望を行っているところですが、図2の通り、各分野にわたって様々な問題があることがわかります。

図2

まずはじめに税制ですが、グローバル企業が抱える移転価格税制に関連して当該税制に対して他国に比してアグレッシブといわれるインド税務当局に対して、日系企業がリスクヘッジしておきたい思惑があります。またSADのように税法上要件を満たせば受けられることになっている還付請求もインド当局への請求手続きの煩雑さや処理遅延等が頻発していることからの要望となっています。また、複雑すぎる間接税体系を一本化するGSTについても長年の懸案事項となっています。さらに資金調達におけるECBについては、例えば親子ローンに係る返済期間等の条件緩和や、会社法関連においては2013年新会社法により新たに厳しくなった会社運営に係る要件緩和等も要望事項として挙げられています。インフラ面においても、まだまだ整備が不十分ということもありますが、加えて最近では非常に厳しい環境関連規制(PCB等)についても運用の透明化や簡素化が求められているところです。
以上より、インドへの進出においては多くのリスクもあり、事前の様々な情報収集や検討が不可欠ですが、グローバル化を図る上でインドを無視することはそれ以上のリスクとも捉えられます。これからのさらなる拡大が見込まれるインドマーケットにおいて果実を取るべく、まさに今が戦略を練るタイミングであるともいえるのではないでしょうか。

プロフィール

国際化支援アドバイザー(国際化支援)岩瀬 雄一

2000年に監査法人太田昭和センチュリー(現あずさ監査法人)東京事務所国際部に入所。製造業を中心に、米国会計基準、国際財務報告基準、日本会計基準の会計監査業務を手掛ける。2005年にあずさ監査法人大阪事務所に転部し、株式公開業務に従事。2007年10月よりKPMGインド事務所に赴任し、2010年11月に日本に帰任後、あずさ監査法人を退所。現在はインド進出日系企業へのコンサルティング業務を手掛け多くの現地法人設立・駐在員事務所設立をはじめ現地法定監査・税務業務及びM&A業務のサポートを行っている。
日本国公認会計士/税理士 Fair Consulting India Pvt. Ltd. Managing Director

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