みなさんは「富裕層」と聞いて、どのような方が思い浮かぶでしょうか。近年、「当社の製品を海外の富裕層に売りたい!」という中小企業の方々からのご相談が増えてきています。このレポートでは、中小企業の方々が富裕層に向けた海外展開を計画するうえで、そのターゲット像の具体化に資するべく、富裕層と呼ばれる方々のお気に入りのものやライフスタイル、お勧めのショップなどをインタビュー調査し、まとめたものです。みなさんの商品開発やマーケティングのお役に立てれば幸いです。
なお、このレポートは2018年に執筆されたものであり、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。
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プロフィール
氏名:イングリッド・パルソン(Ingrid Palsson)
年齢:40代
職業:投資家
家族構成:夫と子供4人
自宅エリア:ロンドン、イビザ
職場エリア:場所は問わず
車所有台数:4台
使用する言語:英語、スペイン語
世界を股にかけて
4歳までバルセロナで育ち、大学までをスウェーデンのゴッテンブルグで過ごしました。それからマドリッドとミラノの大学院で経済学を学び、ロンドンでゴールドマンサックスのヘッドハンターをしていたんです。人が好きな自分にとても合う仕事でした。結婚して子供が生まれてからは、子供たちの世話をするために仕事は不動産投資に変えました。この家の1室を知人に貸したりもしています。子供たちが大きくなったらまた何か別の仕事をしたいと考えています。夫の仕事の関係で、香港にも5年ほど住んでいたことがあります。
生活スタイル
朝は瞑想とバレエを
朝6時~6時半頃に起きて、子供たちを送ってから15分ほど瞑想を行います。朝の予定が入っていないときは趣味のクラシックバレエの練習も。毎日30分は本を読み、夜は11時頃就寝して7時間ほど寝ます。毎月1度は家族でイビザに来ていますが、生活リズムは変わりません。サプリメントは毎朝マルチビタミンを摂ります。薬は嫌いで、できるだけ摂らないようにしています。
Wellnessが趣味
趣味は読書、テニス、瞑想やクラシックバレエなどの運動で、健康増進(Wellness)ですね。あとはドラマや映画鑑賞。音楽も好きで、スティーヴ・アオキやビヨンセ、アヴィーチー、レニークラヴィッツなどを聞きます。料理中や食事中も音楽をかけて楽しんでいます。アートやファッションも大好きです。
休日は年2日だけ
休日はほとんどないです。年に2日くらいですかね。家族との休暇は毎月1回、イビザで過ごします。長期休暇は2ヶ月に1度で、今年(2018年)の夏はギリシャ、イタリア、フランス、ストックホルム、イビザで過ごしました。来年はカリフォルニアに行く予定です。休暇のプランは夫と一緒に決めています。休暇中もインターネットや電話で仕事はしています。
お気に入りの家は毎日お手入れ
イビザでは庭師と、家の管理をお願いしている方が毎日来てくれます。毎年エアコンやシステムをチェックしてくれて、塗装も毎年変えています。テラスや窓も週1回掃除してもらって、テニスコートのメンテナンスも庭師にお願いしています。不在の間も毎日来てもらっています。
ハウスキーピングは毎日、アイロンがけと掃除、洗濯と、ロンドンでは料理もお願いしています。ナニーにはロンドンでもイビザでも子供たちの世話をお願いしています。
近年食生活が変化
毎日1食は自宅で食べるようにしています。ロンドンではスペイン人のハウスキーパーさんにお願いしたり、自分でもします。スペイン料理などの健康的なものを中心に、パンやパスタなどのグルテンはなるべく摂らないようにしています。お寿司は毎週家族で食べに行っていて、我が家の好物です。
イビザでよく行くレストランはイタリアンは「IT ibiza」、スペイン料理は「Ama Lur」、ビーチサイドで景色が良い「Cala Bonita」も良いですし、音楽やイベントを楽しみながら食事が出来る「Heart」も。ロンドンでは日本食だと「NOBU」や「Café Japan」へ行きますね。
友人とはバレエや食事を
週2~4回ほどは友人に会います。ロンドンでは、子供の頃からの友人や、大学時代、ビジネスを通じて、ロンドンや香港に住んでいた時に仲良くなった友人、ママ友など色々です。一緒にクラシックバレエのレッスンに行ったり、お茶や食事をしたりします。イビザではロンドンの友人が来たときに一緒に食事を楽しみます。
住居の印象(立地を含)
イビザを知らないのは勿体無い
イビザはとても良いところで、ぜひ日本の方にも知ってほしいんです。最近は少しずつ日本人の来訪者も増えています。とにかくこちらでは音楽が目一杯楽しめます。日本でも有名だと思いますがスティーブアオキなど、著名なDJもよく訪れています。美しい自然や海岸、ビーチなど、もっと知ってほしい。パエリアや魚介類などの食事もとても美味しいし、boquerones(イワシ)やスペインのスパークリングワイン・カヴァも名物です。
この家に来るまでも山道のようなところを少し通りましたが、ハイキングができるコースもありますし、リトリート(リトリートというのは、日常生活から一旦自分を切り離して瞑想など自分と向き合う時間を持つことで思考の転換を行う、日本で言う「禅」のような取り組みを指します。)をするにもとても良いところです。オーガニックの食品が手に入りやすいことも。
最高の眺望と環境
この家は緑と海のバランスが最高で、とても気に入っています。ロンドンも好きですが、イビザは木々や海などの自然からパワーを貰える気がします。子供たちにもそういうものを感じさせるのが良いと思い、毎月一緒に来ています。
こちらでも仕事をするので、夫が仕事をするデスクからは海が見える造りにしました。
持ち物を拝見
元気が出る服を揃えて
イビザのクローゼットにはカラフルな服が多いです。気分が上がるような色やデザインのものが好きですね。ロンドンから持ってくることもありますが、基本的にイビザとロンドンでは別です。
パワーを感じるインテリアを選ぶ
人に貸す部屋も含めて、家具なども自分で選んでいます。アートもインテリアもエスニックなものにパワーを感じるので、最近選ぶのはそういうものが多いですね。
品質で選んだ日本製品
家にある日本製のものは、資生堂とカネボウの化粧品。ロンドンのハロッズで購入しました。初めて購入したのはホンダの車です。あとはソニーのテレビ。香港で買った炊飯器も日本製でしたね。あとは食器、お箸、抹茶。アートでは村上隆氏の作品を購入しようとしたこともありました。結局買いませんでしたが、素晴らしい作品でした。
子供たちのものだとソニーのPS4、ハローキティの靴下やグッズもあります。子供たちお気に入りのPS4はイビザでだけ使って良いことにしています。ロンドンでは禁止です。いくらでも続けてしまうので(笑)
買い物について
食材は専門店で新鮮なものを
イビザでの食材はUtramarinos mestre supermarketやOrganic Marketで新鮮なものを買います。購入はハウスキーパーや自分が担当していて、できるだけオーガニックの食材を選びます。
こだわりのファッションは行きつけの店で
ファッションはロンドンではグッチ、クロエ、イザベルマラン。あとはLiberty Londonや、日本人がディレクションしているDover Street Marketにも行きますよ。イビザではセレクトショップIbiza NYCや、フランスのデザイナーのショップLas Noches Ibizaや、イビザのデザイナーが手がけるボヘミアンスタイルのCharoRuizが好きです。CharoRuizはレースや高品質の綿が使われていてデザインだけでなく質もすごく良いんです。
ネットではUKのファッションサイトmatchesfashion.com、net-a-porter.comも使います。
定番のプレゼントは
プレゼントは誕生日やクリスマスに渡します。クリスマスは家族だけ。友人にはブレスレット、セーター、モンクレールの帽子、Kusumi Tea、シャネルの香水などをあげましたね。男性の場合はワインです。友人の家に招かれたときは、ワインやチョコレートを持参します。
海外に行っても、誰にもお土産は買いません。でも夫が日本に出張した際は、ウイスキーや食品を買ってくることもあります。
今までで一番高いお買い物は、イビザの家と、カルティエのダイヤモンドの時計、車ですかね。
情報収集方法
複数の新聞をオンラインで
テレビはあまり見ず、Netflixで映画を見ます。子供たちもNetflixが好きです。
雑誌はヴォーグ、タトラー(TATLER)、ハーバードビジネスレビューを購入します。新聞はオンラインで。イビザではエル・ペリオディコ (El Periódico de Catalunya)、ロンドンではガーディアン(The Guardian)、テレグラフ(The Daily Telegraph)、フィナンシャルタイムズなど。ラジオはイビザではLOS40、ロンドンではCapital UKを聞いています。私はPodcastを聞きませんが、夫は利用しています。
SNSはインスタグラム
SNSはフェイスブック、ツイッター、リンクトインは登録していますがあまり使っていません。インスタグラムはよく利用しています。情報収集や調べものは、必要があれば知り合いに電話で聞くこともありますが、大体いつもインターネットですね。
日本文化に対して
日本は最先端の社会
日本には東京と、北海道のニセコへスキーをしに行ったことがあります。京都や富士山にはまだ行っていないし、桜も見たいのでまた行きたいですね。
日本はテクノロジーや人においても最先端の社会だと思います。人も優しくて食も素晴らしい。公衆トイレも綺麗な国は世界でも少ないです。ファッションもスタイリッシュで、洗練されているのでとても好きです。日本のインテリアやスパ、旅館、温泉なども。
ホテルは六本木のグランドハイアットが一番お気に入りです。表参道や青山エリアも美しいですよね。日本に行って一番食べるのはやはりお寿司です。鉄板焼きも好きです。日本食は食べても重くないところが良いですね。
トレンドを作り出すマーケティングを
日本には才能のある経営者が沢山いるので、ぜひ日本から一歩踏み出してみて欲しいです。日本製の物は品質も素晴らしいので、市場の可能性はまだまだあると思います。ただし、マーケティングはよく考えて計画することが重要です。トレンドを作り出して展開していけば、きっとうまくいきます。日本の物がもっとヨーロッパに来るのは大歓迎です。
成功者・富裕層の定義
成功とはバランスが良い人生
「成功」は、人によって異なると思いますが、私はバランスの良い人生を送ることだと思っています。仕事と家族とお金と健康のバランスです。
富裕層の定義はお金を沢山持っていることだと思います。ただ、幸せはお金だけではありませんからね。
人生で最も大切なもの
人生で重要なのは家族
人生で一番重要なものは家族です。彼らがいないと「愛」はないので。
イングリット氏の御用達のお店~レストラン&バー・カラ ボニータ(Cala Bonita)
店名:カラ ボニータ(Cala Bonita)
業種:飲食業(レストラン&バー)
所在地:Playa de s’Estanyol, s/n, 07819,
Balearic Islands, Spain
電話番号:+34 605 45 05 92
営業時間:夏期(6月~9月)年中営業
11:00-23:00
ウェブサイト:https://www.calabonitaibiza.com/(英語)
取材した方のお名前:オーナー Mr Antonio、Ms Ana Torrellas
開店年月日:オープンは2016年7月です。
ターゲット:外国人観光客がメインの顧客になります。その他地元の方々もいらっしゃいます。
客層:92%が外国人観光客で、イギリス・アメリカ・フランス・イタリア・メキシコなどからの観光客が多いですね。その他8%はスペイン人となります。
エリア・立地:高級住宅があるエリアで周りは閑静です。シークレットビーチもあり、ダウンタウンエリアから車で約15分程の場所に位置しています。
ジャンル:スペイン料理, 海鮮・シーフード
人気商品:海苔ソースのイカ、新鮮なシーフードなど。ベジタリアン料理やグルテンフリーのメニューも用意しています。
仕入れ先:ローカルのディストリビューターから仕入れています。
平均単価:約30~50ユーロ
コンセプト:ビーチの近くで食べれるイビサ料理(新鮮なシーフード)
PR:口コミが多く、インスタグラムとFacebookが主なPRツールとなっています。
イングリット氏の御用達のお店~レストラン&バー・チリンギト ブルー イビザ(Chiringuito Blue Ibiza)
店名:チリンギト ブルー イビザ(Chiringuito Blue Ibiza)
業種:飲食業(レストラン&バー)
所在地:Paseo Marítimo 15, 07840, Balearic
Islands, Spain
電話番号:+34 971 33 13 31
営業時間:夏期(6月~9月) 年中営業 9:00-01:00
朝食・ランチ・ディナー
ウェブサイト:https:// chiringuitoblueibiza.com(英語)
取材した方のお名前:Manager Mr Juanan Maritinez
開店年月日:2017年6月にオープンしました。
ターゲット: 外国人観光客がメインの顧客。その他、地元の方々がファミリーで訪れます。
客層:60%は外国人観光客の方々で、イギリス・アメリカ・フランス・イタリア・ドイツ・メキシコなどからの観光客が多いです。その他40%は地元スペインの方々になります。
エリア・立地:サンタウラリアエリア。イビサ島の北西部に位置し、夏場は観光スポットになります。周りは高級住宅があるエリアになります。
人気商品:Araies, Fidea、新鮮なシーフードなどです。
仕入れ先:ローカルのディストリビューター、イスラエル、バルセロナ、マドリッド、ロンドンからも直接輸入しています。日本食材は、バルセロナのCom Importから仕入れています。
平均単価:約50~55ユーロ
コンセプト:新鮮なシーフードを使った地中海中東料理
PR: 口コミがほとんどで、SNSが多いです。特に多いのはインスタグラムとFacebookです。
公開日:2019年 12月 25日
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