みなさんは「富裕層」と聞いて、どのような方が思い浮かぶでしょうか。近年、「当社の製品を海外の富裕層に売りたい!」という中小企業の方々からのご相談が増えてきています。このレポートでは、中小企業の方々が富裕層に向けた海外展開を計画するうえで、そのターゲット像の具体化に資するべく、富裕層と呼ばれる方々のお気に入りのものやライフスタイル、お勧めのショップなどをインタビュー調査し、まとめたものです。みなさんの商品開発やマーケティングのお役に立てれば幸いです。
なお、このレポートは2018年に執筆されたものであり、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。

プロフィール

指名:赤木 曠児郎
職業:画家
年齢:85歳
家族構成:一人暮らし
出身:岡山県
自宅エリア:パリ15区

1960年代初頭、絵を学びにパリに

岡山県出身。29歳の時に留学するために奥さんと渡仏。ボザール(パリ国立高等美術学校)で絵を学び、画家としての活動を始める。傍ら洋服のデザインをしたり、ショップ販売したり、ファッション通信のパリオフィスを立ち上げ、ジャーナリストをしていたこともあるそうです。日本では大学で物理学を専攻していました。あまり自分に自信が持てず芸術方面に進みました。しかし物理で学んだことは絵にも強く影響しており、科学的思考とインスピレーションを大事にする絵は赤木先生ならではです。

独自の画法

自ら発見して以来多くの作品に用いてる画法は赤い線で風景を描写する手法で、絵に独自の立体感とインパクトを与えます。フランス芸術家サロンで1971年、1974年に金賞、翌年はフランス大統領賞を受賞しパリで一目を置かれる画家になります。パリの複数の区役所でも赤木先生の絵は飾られているそうです。以後40年間パリの風景画を書き続けています。

生活スタイル

ルーティーンは健康を保つ秘訣

読書とラジオ視聴が日課です。歩くことが日課になっているのが功を奏してか重い病気は一回もかかった事がなく、病院の検査も一切受けないとの事。朝が早く午前3時には起床し仕事することも。自炊する時は野菜中心で自然なものを口にするようにしています。朝食はパンと紅茶で、日頃から乳製品を多く摂るように心がけている。たまの外食以外ほぼ日本の料理を自炊しています。40年間ずっと同じアパートに住んでいます。

バカンスはほどほどに

奥さんがご存命だった時はクルージング旅行が好きで頻繁に出かけていたそうです。日本には個展の準備や開催のため年に2、3回帰る。洋服と時計は日本のものを着用するため、日本にいる際は三越や大丸で買い物をすることが多い。フランスにいる時は靴にお金をかけるという。あまりフランス人と一緒にバカンスを取ると仕事のリズムを掴めなくなるため、別荘での休暇などはなるべく避けるようにしている。あと時間を見つけては画材の整理などをしています。あまりにありすぎてどれだけ片ずけても先が見えないとのこと。パリにいる時は日本人の友人と過ごすことが多い。

買い物について

本当に必要な物以外は買わないようにしている

物を買うときの一番の基準は値段。その後品質などを見て判断します。今まで買った一番大きな買い物はパリのアパルトマンです。奥さんを亡くしてから外食が増えたと言う。行きつけは近所にあるミシュラン一つ星を獲得したレストラン「Neige d’été」。それ以外は近所のインド料理屋やイタリアンに行くことが多いです。それでもなるべくスーパーやマルシェで買ったもので日本食を自炊するようにしていますね。

洋服などは日本で

日本に帰った時は日本製品を三越や大丸で購入します。以前はGIVANCYを愛用していましたが、今では作りがしっかりしているので日本製のものを愛用しています。靴はフランス製のブランドTODDやJM WESTONといった品質のいいものをはくようにしています。

情報収集方法

ラジオは作業しながら聞けるので便利

NHKのニュースをラジオで聞くのが日課です。仕事もFrance Inter などフランスのラジオを聞きながらやる。ラジオのいいとこらは作業しながら聞けることで自分の生活にすごくあっています。その他の情報収集源は定期購読している週間アサヒですね。テレビは見る時間がないのであまり見ないです。映画も以前は好きで良く見ていたが今の映画はテンポが早すぎてついていけないですね。昔の映画には「間」がありそれが好きでした。インターネットも良く使います。SNSはfacebookとLINEを活用しています。

成功者、富裕層の定義

成功者とは自分の稼いだお金で生活できる人。そして人生で一番大事なものは好きなことをする事だと思います。富裕層に関しては最初から「お金を持っている人」と定義します。自分の手で幸せを掴み取ることが成功者と言えると思いますね。