欧州における有機食品市場は、近年急速な拡大を見せています。

本レポートは、欧州の中でも特に有機食品に対する消費者の意識が高いと言われているオーストリアの有機食品市場をまとめたものです。なお、このレポートは2019年に執筆されたものであり、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。

日EU・EPA(経済連携協定)による関税撤廃品目の大幅増加

日本国内の有機食品市場は1,300億円と言われ、健康ブームの影響もあり、大手小売店を含めた取扱業者は年々増加しています。

一方、EU有機市場は日本の約27倍となる270億ユーロ(約3.5兆円 ※1ユーロ=130円)です。有機生産農地は過去10年で125%増と拡大し、EU域内だけでは生産が間に合わないため、EUの輸入事業者数は5年間で232%増加しています。

2019年2月、日EU・EPA(経済連携協定)により、多くの品目で関税が即時撤廃となりました。日本で有機JASの認証を取得した商品は、EUで同等の取り扱いを受けることができるため、日本からEUへ有機商品を輸出する環境は追い風となりました。

本レポートは、ドイツ、フランスに比べて市場規模は小さいものの、一人当たり消費額が大きく、有機食品に対する消費者の意識が高いと言われているオーストリアに着目しました。

第1章では有機食品を取り扱う事業者インタビューを、第2章ではオーストリア小売店情報を紹介しています。

オーストリア環境
オーストリアにおける有機農家件数の推移

本レポートを通して、日本から有機商品を輸出するビジネスのヒントを探ること。もう一つは、オーストリアの先進事例から、日本国内で有機商品(マーケット)を開発するヒントになれば幸いです。

最後に、本レポートの趣旨を理解し、快く協力して頂いた、Advantage Austria Tokyo(オーストリア大使館商務部)、JETROウィーン事務所の皆様に心から感謝申し上げます。

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