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EUの富裕層へ向けた日本製品進出可能性調査レポート(イギリス編②-サイモン・ブレンディス氏-)

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 みなさんは「富裕層」と聞いて、どのような方が思い浮かぶでしょうか。近年、「当社の製品を海外の富裕層に売りたい!」という中小企業の方々からのご相談が増えてきています。このレポートでは、中小企業の方々が富裕層に向けた海外展開を計画するうえで、そのターゲット像の具体化に資するべく、富裕層と呼ばれる方々のお気に入りのものやライフスタイル、お勧めのショップなどをインタビュー調査し、まとめたものです。みなさんの商品開発やマーケティングのお役に立てれば幸いです。
 なお、このレポートは2018年に執筆されたものであり、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。

サイモン・ブレンディス氏(Mr.Simon Blendis)

プロフィール

氏名:サイモン・ブレンディス(Simon Blendis)
年齢:40才代
職業:①コンサートマスター②大学教授(ギルドホール音楽院にて) 
   ③セッションバイオリニスト(映画の音楽演奏など)
家族構成:日本人の奥様(ピアニスト)と11歳の息子さん
自宅エリア:ロンドン・ハイゲート地区
職場エリア:世界各国
住居の間取り(部屋数)大きさ:2ベッドルームを含む全11部屋
車所有台数、ブランド:1台(プリウス)
使用する言語:英語

幼少期から始めたバイオリンが職業に

 4歳の時にバイオリンを始め、以来バイオリンは私の人生の一部となりました。ケンブリッジ大学在学中に「シューベルト・アンサンブル(Schubert Ensemble)」に在籍していた友人がいたのですが、彼の紹介で同アンサンブルのオーディションを受け合格。1995年から2018年まで同アンサンブルに所属し、同時に1999年から日本の「金沢オーケストラ」のコンサートマスターを務めています。2014年には「ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ(London Mozart Players)」のコンサートマスターに就任。それ以外にもオーケストラのゲストリーダーとしての仕事、ソロバイオリニスト、セッションバイオリニスト(映画の演奏など)としての仕事もあって、とにかく年中忙しく飛び回っていますね。2018年よりギルドホール音楽院のバイオリン教授にも就任させて頂いています。

生活スタイル

多忙な仕事+家族と一緒に趣味を楽しむスタイル

 仕事内容は前述の通り多岐に渡り、仕事時間も一定していませんから、休みはほとんどありません。睡眠時間は1日7時間ほど。健康のために歩くことを心がけています。風邪予防としてビタミンCのサプリメントも摂っています。趣味はサッカー観戦、ハイキング、浮世絵、ワイン。外食はほとんどしませんね。家で妻の手料理を食べることが多い。とても美味しいんですよ。外食する時はインド料理、タイ料理、マレーシア料理などのアジア料理が多いかな。仕事で日本に行くことも多いので、ロンドンで日本食レストランに行くことはあまりないですね。友人は仕事で出会った人や、子供の頃に音楽キャンプで出会った人が多く、自宅ディナーに招待したり公園に一緒に行ったりして交流を深めています。頻度としては1か月に1-2回程度だと思います。出張は日本、ヨーロッパがメインですね。家族で旅行するときはイギリスのセブンシスターズなどにハイキングに行くことが多いです。

住居の印象

こだわりのつまった可愛らしいお宅

 自宅のあるロンドン・ハイゲート地区は裕福な家庭が多い場所です。我が家のお隣さんは映画監督のクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)氏なんですよ。ロンドンでは有名な自然公園、ハムステッドヒースも近く、治安も良い地域です。この家は全体的にこだわりのつまったオリジナリティ溢れる作りになっていると言っていいでしょう。ワインセラーもあるんですよ。私たちが住む以前ですが、「ロンドンインテリア(London Interior)」という雑誌に写真が掲載されたこともある家なんです。壁紙はありません。絵画は大好きな浮世絵を含めたくさんありますし、結婚式の時の写真もしっかり飾ってあります。照明はベッドルームとレセプションルームがウォールライトで、それ以外の部屋は天井スポットライトになっています。
 キッチンは台所グッズが大好きな妻のこだわりが詰まっていて、機能的かつおしゃれ。主な家電製品は冷蔵庫、電気オーブン、ガス台、洗濯機、テレビ、DVDプレーヤー、ラジオで、どれも違うブランドですね。ステレオはアイワ、レンジはパナソニックだったと思います。

持ち物を拝見

日本製品多数。ワインセラーは一見の価値アリ

 妻の日本語の本コレクションはなかなかのものです。私用の本棚もありますが、圧倒的に少ないですね。個人的なこだわりといえば、やはりワインセラー。フランス産の赤ワインを中心にしっかりとした本数を常に揃えています。日本製の物も結構ありますよ。たんす、浮世絵、ステレオ(アイワ)、車、炊飯器、暖簾、レンジ(パナソニック)、包丁(グローバル)、お皿。日本食材も、しょうゆ、みりん、酒、米、納豆、ふりかけ、ごま油、ゴマドレッシング、柚子胡椒など、妻が必要に応じて揃えています。

買い物について

食品はクオリティー重視、服はカジュアルに

 食品は「ウェイトローズ(Waitrose)」に行って購入するか、「オカド(Ocado)」で届けてもらうことが多いですね。日本食は「あたりや」で。デパートは「ジョン・ルイス(John Lewis)」を利用することがほとんど。高いイメージがありますが、その分商品選びは信頼できます。服はユニクロやギャップ(GAP)などカジュアルなものが好きです。まれに「ポール・スミス (Paul Smith)」などで小物を買うこともありますが、珍しいですね。靴は「コンバース (Converse)」。ちなみに妻も「ザラ(ZARA)」などのハイストリートブランドが多いと思います。今までで一番高い買い物は自宅とバイオリンですね。

プレゼントはあまり贈らない

 誕生日プレゼントは贈らずにテキストメッセージでお祝いします。友達の家に行く時はワイン、チョコレート、花、ケーキなどを手土産で持って行きます。クリスマスプレゼントは家族のみで、これはごく一般的なイギリス人のプレゼント感覚だと言っていいでしょう。

情報収集方法

いろんな情報媒体を幅広く利用

 テレビはサッカーや短いドラマなどを少し見る程度。新聞はオンラインでガーディアン (The Guardian)をチェックしています。ラジオは車に乗っているときはラジオ5でニュースやスポーツを、家ではたまにラジオ3やラジオ4を聞きます。SNSはフェイスブックとリンクトインを利用しています。リンクトインはビジネス相手と利用することが多く、会議などで必要なこともあります。
 本は小説、ノンフィクション、近代歴史などをよく読み、石黒和夫、三島由紀夫、谷崎潤一郎など日本の小説家も好きですよ。

日本文化に対して

イギリスと日本の接点は増えている

 金沢オーケストラの関係で1年に数回は日本に行きます。仙台、北海道、広島、宮島、岡山、東京、南九州、沖縄など日本全国いろいろな場所を訪れましたが、特に九州旅行はとても思い出深いものでした。日本に対して持っているイメージは、自然、優しい国民性、安全、清潔。仕事の観点から言うと、オーガナイズされている点と、メンタリティーが異なること。
 イギリスから日本に旅行に行く人は増えていると思います。サインやお店のメニューも英語表記が増えてきているので、行きやすくなってきているのでしょう。イギリス国内で有名な日本製品と言えば、ユニクロ、車、とんこつラーメン、お寿司ですね。ただ、個人でやっている日本食レストランなどは厳しくなってきているようです。セントラルロンドンの小さなお寿司屋さんは閉店に追い込まれている所もちらほら目につきます。日本人が作ったお寿司でなくても、値段もお手頃でそこそこ美味しい所がどんどん出てきていますからね。

イギリスの子どもたちをターゲットに商品展開を

 日本製品は電化製品、車、食べ物などクオリティーが高く、信頼できるものが多い。一度マーケットに出てしまえば大丈夫だと思いますが、マーケットに出すことが鍵になるのだろうと思います。
 デザインが良く、ちょっと変わっていて、親しみやすい日本製品に惹かれるイギリス人は多いです。特に中産階級のイギリス人の間で日本のものは人気ですよ。経済的にもゆとりがあって、日本への興味がある中産階級子供たちをターゲットにしたらどうでしょうか。漫画やポケモン、ジブリ好きな子供は多いですしね。コンサートでもポケモンやゼルダをテーマにしたことがありますよ。

成功者・富裕層の定義

面白く幸せな人生かどうか

 成功者は、幸せな人生を送っている人または、ある程度の名声がある人。仕事の面では面白い仕事を数多くこなしていることが条件だと思います。

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