有限会社SHINOS AMPLIFIER COMPANY(以下「SHINOS」)は、従業員3人のハンドメイドギターアンプの工房で、愛用者には日本を代表するプロミュージシャンが含まれる。YouTubeでの製品紹介など、PRにも努めてきたなか、国内のみならず海外展開は同社の大きな目標の一つだった。

ホームページで海外展開ハンズオン支援事業を知り、当初は、米国を海外ターゲット市場として、中小機構にご相談にみえた。相談内容は、販路開拓、EC販売、米国安全規格認証取得などが中心だった。その後、PRが功を奏してか、中国大手楽器ディーラーから製品の取り扱いを始めたいと連絡があり、2022年4月より中国向け輸出案件として、中小機構のアドバイザーと共に、各種課題を解決していくことになった。

中国から大口の引合いがきた。さてどうしたらよいか?

インコタームズの学習から始まり、中国向け製品仕様220V対応、中国語取り扱い説明書、ディストリビューター契約(非独占)、中文契約書の締結、中国CQC認証対応など、アドバイザーの助言・支援に基づき、各種課題を整理して、個別課題を順次解決していった。中文契約書作成については、在中国の現地アドバイザー(中国人弁護士)の支援も受けながら取り組んだ。また、先方(取引先候補)とのコミュニケーションは通常は英語メールで行ったが、オンライン面談が必要な場合には、アドバイザーの助言を受け、中国語通訳者を入れて誤解のない意思疎通を図ることができた。

商談と輸出成約を通じて一連のプロセスを習得。

先方との交渉では、FCA(運送人渡し)、前払い条件、中国語取り扱い説明書は現地で翻訳して同梱するなど、当社の希望を叶えることができた。また、実際の手続きを行う中で、インコタームズでの運送費や保険の詳細についても理解を深めていった。また、海外向け製品仕様対応、契約書の作成と締結、認証対応など、一連のプロセスについて実践を通じて習得できたものと考える。

初回受注に加えてリピート受注を獲得。大きな自信に!

2023年4月に初回出荷として数百万円の売上を計上することができた。また、中国大手楽器ディーラーが同年10月の中国開催の展示会で当社商品をPRしてくれたことで、リピートとして数百万円を追加受注することができた。そして、当面の輸出目標である1000万円が見えてきている。実践を通じて、海外仕様商品の輸出に関する一連のプロセスを習得し、成果に結びつけることができたことは、貴重な経験と自信に繋がっているとのことだ。

企業の声

インコタームズ、安全規格認証対応、ディストリビューター契約書作成、売主(輸出者)に有利な取引条件での交渉など、当社に寄り添った支援をして頂き感謝しています。先方とのやり取りの中でわからないことがあったときに、気軽に相談をできたことがとても助かりました。今後は中国での実績と経験を基に、米国輸出にチャレンジしたいと思います。

企業プロフィール

有限会社SHINOS AMPLIFIER COMPANY
URL: https://shinosamp.com/
代表者: 取締役 篠原 勝
所在地 東京都杉並区
資本金 300万円
従業員数 3人
業種 製造業
事業内容: 同社は2006年に篠原社長が1人で立ち上げたギターアンプメーカー。2000本以上のミュージシャンのライブ現場を技術者として経験し、視聴者を感動させるステージに何が必要かを一番に考え、ミュージシャンが満足してパフォーマンスできる環境づくりを追求してきた。
商品内容: 代表商品は、プロミュージシャンに人気の「Luck6V」、小型でありながら最高のサウンドと機能を実現した「ROCKET」に加え、ベースアンプやギタリストの秘めた才能をも引き出すエフェクターも製造している。同社商品は、自社オンラインショッピングおよび楽器店で販売されている。

マスタービルダー・代表 篠原 勝 氏とSHINOSアンプ

担当アドバイザー: 冨井 秀 中小機構 中小企業アドバイザー(国際化・販路開拓)

中小機構について

独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)は経済産業省が所管している中小企業政策の中核的な実施機関です。起業・創業期から成長期、成熟期に至るまで、企業の各成長ステージで生じる様々な経営課題に対応した支援メニューを提供しています。
「海外展開ハンズオン支援」では、国内外あわせて300名以上のアドバイザー体制で、海外ビジネスに関するご相談を受け付けております。ご相談内容に応じて、海外現地在住のアドバイザーからの最新の情報提供やアドバイスも行っております。どうぞお気軽にお申し込みください。

「海外展開ハンズオン支援」
※ご利用は中小企業・小規模事業者に限らせていただきます。

公開日:2024年 3月 4日