海外進出ノウハウ 近畿本部

どうしたらいい? 海外ビジネストラブル

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中小機構の国際化支援サービスでは、海外ビジネスのトラブルに関する相談をお受けしています。

重要なのは、「トラブルの兆しは前段階でつぶしておく」ということです。中には、海外展開で取引候補を選ぶ、あるいは絞り込む段階で相談して頂ければ、防ぐことができたものも多くあります。

ここでは、海外ビジネスのトラブル回避のコツや留意点を説明します。

トラブルはどこで起きる?(出荷後多し)

 海外ビジネスの交渉では、商品をどう販売するかという話に集中しがちです。しかし、言語や商習慣が違うぶん、国内取引よりもトラブルに発展しやすいため注意してください。時には「性善説」よりも、以下のような「猜疑心」を持って交渉に臨む必要があります。

●品物を受け取ってからクレームをつけられるかもしれない
●サンプルと実物との違いを強調されるかもしれない
●サンプルだけ受け取って、コピー品を作るかもしれない
● 市場で違法コピー品や偽ブランドが出てくるかもしれない

実際にあった相談例とその回答例を紹介します。

相談例とその回答例

  1. 船積み書類上の記載ミスを理由に決済が滞っている

    (回答例)
    信用状(L/C)決済でのトラブルです。この場合、貴社の取引銀行経由で信用状発行銀行に対してL/Gネゴ、ケーブルネゴなどの方法で入金を促しましょう。多少の銀行コストが発生するかもしれませんが、代金回収を最優先に行動してください。信用状決済では、信用状発行銀行の指定したとおりに、インボイスなどの船積み書類を作成することが大原則です。

  2. 出荷したアパレル製品の色がサンプルと違うとクレームが来ている

    (回答例)
    実物とサンプルの仕様(色)が異なるという状況です。最初にサンプルを送った段階で、相手からサンプル仕様の承認(署名した書類)を得ておくことが重要です。色見本でも、マンセルの番号(5Y 8/10)などを用いて色の仕様を客観的に示すことができるようにしておきましょう。サンプルの品質が工場出荷時レベルのものなのか、輸出相手の手に届く段階のものなのかも事前に決めておきます。工業品ならば、仕様書や図面を提出し、承認の署名を得ておくことでトラブル防止になります。

  3. 当社製品とデザインが酷似したブランドが輸出先で販売されている

    (回答例)
    違法コピー品が輸出先で出回っているトラブルです。販売に先立ち、その国で商標(ブランド)登録を行う必要があります。場合によっては特許などの知財出願も考えましょう。デザインが類似した商品の排除は難しいですが、不正競争防止法などの現地法令を活用して解決できる場合があります。被害状況(金銭損害)と法的手段利用の費用を計算しながら解決策を考えていくことになります。そのためにも、事前に最低限の知財登録が必要です。

  4. 取引相手の販売が著しく不振なので関係を清算したい

    (回答例)
    どういう根拠で「販売不振」と判断できるのか、その定義が必要です。日本からの購入額なのか、現地での再販なのか、単月なのか、半年連続なのか、客観的に数値を含んだ定義をまず作ります。その上で取引相手と合意し、契約書に記載します。もし「販売不振」により契約を清算する場合には、「途中解約」の条件を設定しないといけません。ただし、こちらの思い通りになる契約書を作ろうとするのではなく、交渉の段階で「飲める条件」「飲めない条件」を議論することが大切です。契約書締結後の「途中解約」は記載がない限り難しいため、契約が満了するまで待つしかありません。その間に、水面下で新たな取引候補の検索に着手しておきましょう。新たな相手と話をする際には、守秘義務契約を結び秘密裏に交渉することになります。

  5. 相手から送られた契約書の中身をよく理解しないまま署名、返送した

    (回答例)
    これは最悪のケースです。契約期限が無期限の場合もあります。署名したものは合意と見なされるため、当方にも契約履行の義務が発生します。相手から送られてきた契約書案は、しっかりと理解してから署名するようにして下さい。英語以外のxx語と日本語の二言語契約書にも要注意です。契約書は英語一択で行きましょう(日本語のみで相手が了解してくれるならそれに勝るものはありませんが、非現実的です)。

  6. xx国の取引相手との契約書で、大阪地方裁判所を管轄裁判所としている

    (回答例)
    管轄裁判所を日本の地方裁判所にしておくと一安心、なんてことはありません。トラブルの際、仮に日本の裁判所で勝訴判決が出たとしても、相手国で強制執行力を発揮できません。金額保証を得るためには「相手国の裁判所に訴える」ことが必須です。そこで勝利して初めて、相手から金銭保証を得ることができるのです。
    裁判には時間と資金と労力がかかるので、最近では紛争解決手段として「仲裁」という方法が選択されてきています。一回だけの判決、秘密担保、費用少額(裁判と比べた場合)、判決の強制力あり、という内容で新たな選択肢となっています。

信用調査や貿易保険のご活用

 ご相談いただく中でも特に多いのが、代金回収に関するトラブルです。取引開始前に相手の信用調査を行う、貿易保険をかける、など対策することで防げる場合が多々あります。調停、仲裁、訴訟という紛争解決手段に進む前に、こうした事前の予防線を張っておくことをお勧めします。

外部リンク集

【貿易保険】株式会社日本貿易保険(NEXI) 
【信用調査】Dun Report(ダンレポート) 
【信用調査】Coface(コファス)海外企業信用調査(ジェトロサイト内)
【信用調査】Conocer(コノサー) 

おわりに

今回ご紹介した回答例はあくまで一例です。

貴社のケースに合った適切な方法を選択するためにも、中小機構の国際化支援サービスをご利用ください。無料で何度でもご相談頂けます。

中小機構近畿本部 国際化支援AD 芳賀 淳 

 

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中小機構では、芳賀 アドバイザーをはじめ国内外350名の専門家体制で、海外ビジネスに関するご相談を受け付けております。

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※ご利用は中小企業に限らせていただきます。

 

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