[ EU販路開拓ガイドブックシリーズ ] 欧米向けWEBサイト構築&PRノウハウ

このガイドブックはEXA Partnersに委託して作成しました。

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欧米向けWEBサイトの構築ノウハウ

1.WEBサイトは企業の顔であり、欧米向けには情報量よりもスタイルが重要
・日本企業のホームページの多くが情報量過多で、Wordyなサイトになっている
・日本企業のホームページの欧米言語版の多くが、日本語をそのまま英語等欧米言語に直しただけのもので、Wordyさ加減が輪をかけて酷くなる傾向に

2.欧州向けデザインは、イメージカットや色合いを含め、欧米人の趣向に合せる
・欧州向けサイトの構築には、欧州のグラフィックデザイナーを起用すべき

3.欧州市場への展開を狙うには、各市場ごとの言語対応が不可欠
・とりあえず英訳すれば良いというのは幻想。ドイツならドイツ語、フランスならフランス語、スペインならスペイン語がマスト
・さらに完全なネイティヴによる翻訳が不可欠。スペルミスや文法ミスは致命傷であり、Google翻訳でOKというのも幻想

4.欧米向けWEBサイトには、レスポンシブデザイン(マルチデバイス対応)が不可欠
・欧州主要各国におけるスマートフォン普及率は日本以上

5.WEBサイトのアクセススピードとセキュリティもグローバル対応が必要
・サーバーは、AWSを含め、グローバル対応しているサービスを利用すべき

6.海外クレジット/デビットカード決済対応が必須
・デビットカードの使用が多く、日本の決済プラットフォームで通らないことも多いので注意

WEBサイトは企業の顔であり、情報量よりもスタイルが重要

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Source: 安藤人形展

目的・趣旨
・本サイトオーナーは、日本でも最高級の京人形店であり、国内外の皇室王室への寄贈等の実績も多い
・本サイトを、日本の最高級の職人技を伝承する同社の世界向けの顔・看板として改善したい

問題点
・ BEFOREは、日本語サイトのテキスト部分を英語に変えただけのもので、トップのタイトルやメニューなど、画像データで漢字を入れている部分などが残ってしまっており、また、非常にBUSY(煩雑)な構成になってしまっている
・ 結果として、本サイトのトップページで伝えたい同社の京人形の繊細さ、伝承技術の繊細さ、職人の正統性等がうまく表されていない

主な改善点
・ 上記を端的に伝えることのできる画像を選択し、ダイナミックかつスタイリッシュなデザインに修正
・ 画像やコンテンツをレスポンシブル(スクリーンサイズに自動最適化)なブロックで構成
・ 日本らしさを伝えるために一部で漢字を象徴的に使用しているが、あくまでも全体のデザインの中で漢字の位置・配置等を検証

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Source: 日吉屋

目的・趣旨
・本サイトオーナーは、日本の伝統技術を、世界の人々に受け入れられるコンテンポラリー商品に昇華させた老舗ベンチャーのフロントランナー
・元々のサイトはカタログ的に商品情報を提供することを志向していたが、今後は海外向けによりブランド構築に注力していきたい

問題点
・写真が小さい、文字が多い、情報が細かいことから、ブランド価値を作るためのスタイリッシュなトップページとなっていない

主な改善点
・ 思い切って文字を切り捨てて、看板商品の大イメージのみで構成
・ 文字フォントや色も調整し、全体として、センスあるスタイルを訴求できるように工夫

一枚のトップページ画像が会社のイメージを決定づけることも多い
⇒ サイトのデザインよりも、センスある写真の撮影が鍵になることも

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Source: ASSA

目的・趣旨
・ 本サイトオーナーは、パリで提供する高級指圧スパ
・ 同社のサービスイメージを端的に伝えることができるページに修正したい

問題点
・ BEFOREは、トップページの画像とサービス内容が合っていない(指圧=日本=竹林という、安易な発想)
・ トップページの文字量が多すぎて、イメージやスタイルを効果的に訴求できていない

主な改善点
・ 現場で写真撮影をし、指圧という日本の技術とスパのイメージを的確に伝える画像を使用 ・ 余白をうまく活用し、欧米人から見てZEN的なスッキリしたデザインで再構成

欧州向けデザインは、イメージカット、色合いを含め、欧米人の趣向に合せる

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欧米で主流となっている「フレーミング」を用いたトップ画像の例

画像や映像において、対象物の位置や切り出し方を工夫することで、視聴者のフォーカスや感情移入を導き出したり、当該画像・映像に深みを持たせるテクニック。例えば、対象物や風景の全景をあえて映さずに、その一部を切り出すことで、当該対象物の存在感を高めたり、視聴者があたかもその風景の中にいるような感情を引き起こすような効果が得られる。(参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Framing_(visual_arts)

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欧米で主流となりつつある「フラットデザイン」の要素

質感を出すテクスチャや立体的な効果を出すシャドーなどを極力用いず、色や形などによりシンプルなサイン、シグナルを用いて構成するミニマルなデザイン。魅力的なビジュアルを維持しつつも、より効果的・効率的に情報伝達ができるデザイン方式として先端的なグラフィックデザイナーにされつつある。また、PC、タブレット、スマートフォンなど異なるブラウザーサイズへの適応にも優れるとともに、デザイン要素を簡素化することでサイトのダウンロードにかかる負荷や時間も軽減できる。(参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Flat_design

欧米向けサイトは、レスポンシブデザイン(マルチデバイス対応)が不可欠

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Source: デロイトトーマツ「世界モバイル利用動向調査2016

欧州市場への展開を狙うには、各市場ごとの言語対応が不可欠

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欧州主要国の消費者が「WEBサイトを利用できる」と返答した言語の割合

ドイツ及びフランスにおいて、英語のWEBサイトを利用できると返答した人は1/4以下
(スペインやイタリアでは、この数値はドイツやフランス以下となる)

Source: CBES17 “The Current State of Cross-Border E-Commerce in Europe”

WEBサイトのアクセススピードとセキュリティもグローバル対応が必要

Amazon Web Service (aws) は、世界53拠点のデータセンターでデータを同期し、アクセスを最適化するプラットフォームの一つ。欧州をはじめとする世界各地でのスピーディーなサイトアクセスを確保するとともに、顧客情報等のセキュリティレベルを確保するためには、サーバー等の採用に関しても、AWSのようなグローバルプラットフォームを利用する必要がある。
(他にも、グローバルでサーバー・ネットワークを提供しているサービスあり)

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Source: AMAZON

デビットカードの使用が多く、日本の決済プラットフォームで通らないことも多い

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カード決済比率の欧州主要国及び日本の比較(2015年) Source: 日本クレジット協会

欧米向けPRノウハウ

1.広告出稿ではなく、PR活動を通じて記事を書いてもらうことが肝要
・広告出稿はコストが高くつくが、単発では期待する効果は得られない(欧州では、広告記事には必ず広告である旨を表示することが義務付けられている)
・他方、PRは、ジャーナリストに関心を持ってもらい、自主的に記事化してもらう手法であり、うまく記事化に繋げられれば費用対効果が高い
・欧米には、様々なPRエージェントが存在しており、ジャンルや規模感に応じて、適したPRエージェントを探して活用するべき

2.記事化されるためのプレスリリースは、デザインや文章の内容にも工夫が必要
・既に、ありきたりの日本発のお知らせは、欧州にもありふれている
・目の肥えた欧州のメディア・ジャーナリストの注目・関心を引くためには、グラフィックや文章の内容にも、工夫が必要 ・ジャーナリストに提供できる高画質の画像集を用意しておくことも必要

3.ソーシャルメディアを使ったマーケティングもフル活用すべき
・ソーシャルメディアを有効活用することにより、消費者の「声」をダイレクトに拾い、顧客との対話を積極的に展開することにより口コミを広げ、自社ブランドを立ち上げる
・欧米には、自分のソーシャルメディアを通じて、マーケティングを助けてくれる「インフルエンサー」も存在
・インフルエンサーにはもちろん金儲けでやっている人も多いが、プライベートなイベントへの招待等を通じて真の現地応援団になってもらえるチャンスも

PRは、日本よりも米国及び欧州で確立されたプロモーション手法

表紙デザイン(SMDO)

Source: Data Presse

記事化されるためのプレスリリースは、デザインや文章の内容にも工夫が必要

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Source: EXA Partners / Le Canal

ジャーナリストに提供できる高画質の画像集を用意しておくことも必要

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プレスリリース後にジャーナリストに提供した画像リンクの例 Source: EXA Partners / Le Canal

ソーシャルメディアを使ったマーケティングもフル活用すべき

的確なソーシャルメディアを有効活用することにより、消費者の「声」をダイレクトに拾い、顧客との対話を積極的に展開することにより口コミを広げ、自社ブランドを立ち上げる

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Source: 各ソーシャルメディア

フォロワーを増やし、エンゲージメントを醸成させて、ブランド認知を高める

1.細かくターゲット顧客をセグメント化し、それぞれのセグメントに応じたプッシュ広告の実施

2.インフルエンサーや影響力のあるファンを見出し相互交流をすることで、エヴァンジェリスト(伝道者)へと育成する

3.リアルのキャンペーンを行うことで、新たなファンの獲得、ブランドへの認知度・理解度促進、ロイヤリティの向上を図る

インフルエンサーやファンとプライベートなレセプション等の交流を行い、真の現地応援団を作ることが肝要

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仏のジャーナリストやインフルエンサーを招待したプライベートなレセプションの例 (ファッション系ECサイトのプロモーションイベント) Source: EXA Partners / Le Canal

フランス人を主体とするプロフェッショナル集団によるベンチャー企業(2010年設立)

EU販路開拓ガイドブックシリーズ

中小機構では、中小企業一社一社の輸出や海外拠点設立を経験豊富な専門家が一緒に考える「海外ビジネス戦略推進支援事業」を行なっています。今般、EU との経済連携協定の締結を契機として、EU進出を図る企業様の支援特別枠を設けるとともに、より幅広い方々を支援するため、「EU 販路開拓ガイドブックシリーズ」を作成していきます。

このガイドブックシリーズでは、進出を図る際に知っておきたいEU マーケットの動向や参入規制、展示会などを活用した販路開拓のポイントのほか、急速に進展を遂げるWEBを使ったマーケティングやEC モールの活用など、オンラインでの販路開拓のノウハウについても取り上げていきます。

平成30年3月から平成31年3月までの特別プロジェクトです。ご期待ください。

「海外ビジネスナビ」にて順次公開予定
https://biznavi.smrj.go.jp/

中小機構とは

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全国10か所の地域本部等及び9か所の中小企業大学校を支援の最前線として、皆様の経営をサポートしています。このほか、国内外の他の政府系機関や地域支援機関とも連携し、幅広く支援メニューを提供しています。

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公開日:2018年 4月 5日

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