本シリーズは全8回の構成になっています。 前回では、出展成果目標の設定方法と、出展目的の実現に最も相応しい海外展示会の探し方・選び方について紹介しました。今回は、出展目的に則した出展品の絞り込みや効果的な展示の仕方について紹介します。

出展品の選定

前出の「海外出展計画」に基づき、出展目的や参加する展示会が決まると、次は具体的に出展する商品や技術・サービスを絞り込みます。 海外販路開拓を行いたい国や地域で、ターゲット市場に対する事前の分析と戦略をもって商品を選定することが重要です。 また、展示会場で商談を行うためには、事前に商品の規格認証など現地の規制・基準などを調査しておくことと、価格や取引条件などの商談の準備も念頭に入れておくことが必要です。

販路開拓したい国や地域の情報については、JETROが提供している「国・地域別情報」が参考になります。国や地域の基礎データ(人口・面積・言語・宗教等の基本データ)と貿易・投資制度、基礎的経済指標などの情報が提供されています。

国・地域別に見るビジネス情報とジェトロの支援サービス
そのほか国際的安全保障や国内外の輸出入規則などの遵守にも留意しておく必要があります。日本の貿易管理制度(輸出入・貿易管理に管理、手続きなど)の情報は、経済産業省のホームページで公開されています。

貿易管理(METI/経済産業省)

出展品の選定の流れの要点をまとめると以下のようになります。

展示装飾の進め方

(1)展示装飾の委託

出展する商品や技術が決まったら、具体的な出展準備作業に着手します。

(2)展示装飾の進め方

出展における装飾展示に求められることを簡潔にいえば、出展者の意図や意気込みを来場者にきちんと伝えることです。そして、来場者の関心を引き寄せ、商品や出展企業に対し、少しでもよい印象を与え、この会社と取り引きしたい、あるいは商品を試してみたいといったアクションにつながることが重要です。 そのためには、以下のようなステップを踏んで、展示装飾を検討することが必要です。

そして、来場者に訴求力のある 「キャッチコピー」を設定し、展示コンセプトに反映します。
また、商品展示にあたっては、商品の単なる機能説明に留まらず、メッセージが必要です。消費者にとってどう役立つのか、使用方法とともに具体的に提案し、使用方法を披露することで、よりインパクトのある展示になるといえます。当然ですが、この場合、通訳を有効に活用するために出展目的や商品説明を事前に行うなど準備が必要です。

「第6回 海外展示会活用のための実務知識(その4)─出展品の輸送方法と来場者の誘致方法─」へ続く

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