本シリーズは全8回の構成になっています。 前回までに、海外展示会の出展メリットはどこにあるのか、そのメリットを上手に活かす出展検討の進め方について紹介しました。今回は、海外出展にあたって検討すべき出展事業計画の内容と、出展決定後の出展計画の立て方について紹介します。

海外出展計画の検討

(1)出展にあたっての事前検討

海外展示会への出展にあたっては、自社の経営資源の最大活用を図る海外出展戦略のもとに、出展目的の明確化、出展シナリオ、仮説の設定を立てます。
具体的には、出展目的の例として自社のどの商品や技術・サービスを出展対象とするのか、また、主要対象国の選定などです。その後、出展シナリオと仮説を立てます。ターゲットとしての顧客、自社の組織体制などです。実際に出展したあとは検証を行うことが重要です。

(2)海外出展計画の決定

3カ年程度の海外出展計画を策定し、出展成果の達成状況により、PDCAサイクルにより毎年計画を見直します。
※ PDCAサイクルとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法です。

海外出展計画の立て方

(1)出展体制

海外展示会への出展が正式に社内決定した時点で、展示会業務を実行する組織をまず確立し、組織的に活動できる(プロジェクトチーム)体制を社内に作ります。
プロジェクトチームは、営業、技術、海外事業等の担当者と決裁権限のある経営層リーダー等で構成するのが望ましいでしょう。中小企業にあっては経営層のリーダーシップのもと少数の人材に全部を担当させることも考えられますが、特に海外情報の収集や海外企業との重要な交渉にあたっては、優秀な通訳によるサポートを確保する必要があります。
下記のプロジェクトチームのような業務がありますが、実施にあたっては、経営層リーダーのリーダーシップのもと、技術や営業、海外事業担当等の社内関係者との協議や意識共有が重要です。

(2)海外出展計画の作成

プロジェクトチームは、事前検討の結果等をもとに、以下のような出展計画書を作成し、出展に向け基本方針や関連する業務内容・予算・スケジュールを社内で情報共有できるようにします。

「第4回 海外展示会活用のための実務知識(その2)─参加の目的と展示会の選定─」へ続く

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