海外進出ノウハウ

[ 海外出展 ] INSIGHT 08 伝統工芸の海外展開

Google+ Pinterest LinkedIn Tumblr

現地マーケットに合わせた戦略をもっとじっくり考えてみるべきです

さまざまな海外展開プロジェクトの舵を取り、日本の伝統工芸を国内外へ広く紹介している堀田卓哉さん。ビジネス専門家の視点から、海外市場に向けたローカライズ(現地向けの仕様にすること)の重要性や新たな販路開拓の取り組みについて伺います。

堀田 卓哉 さん

どうすれば海外で勝負できるか
そのやり方を伝えたい


僕は1977年生まれ、いわゆるロスジェネ世代です。中・高時代からあまり日本に良いニュースがなく、日本にいても自分の未来は明るいものにはならないのではという漠然とした思いがあって、つねに海外に出たいと思っていました。

でも、ヨーロッパ留学後、縁あって浅草に住みまして、有名な「三社祭」を見たんですね。これはすごいと驚き、祭に参加したい一心で地元の青年部に入りました。すると、提灯屋の六代目だとか、もなかの皮をつくり続けて160余年の老舗の跡取りといった同世代の若者がたくさんいたんです。彼らが「日本の文化をより良いものにして、次の世代に引き継いでいくことが仕事なんだ」と広い視野で自分の役割を考えていることに、すごく新鮮な驚きを覚えました。

同時に、彼らの悩みも見えてきたんです。自分の技で世界に出たいし、勝負できる自信もある、でも「どうやったらいいのか、わからない」と言うのです。だったら、そうした専門性を磨いてきた人たちと僕みたいなビジネスの専門家が組むことで、もっと日本を盛り上げるようなことができるんじゃないか。そう考えて会社を辞め、独立しました。

三社祭でお神輿をかつぐ堀田さん

市場に合わせたローカライズが「売れる商品」をつくる手法


ところが僕、最初に大失敗をしたんですよ。伝統工芸の職人と新鋭デザイナーのコラボでミュージアムショップグッズをつくる「Tokyo Crafts & Design」に携わり、イタリアの「ミラノサローネ」に出展したのですが、なんと1個も売れなかったんです。

イタリアのバイヤーたちはみんな、「日本には素晴らしい技術があるんだね!」と褒めちぎってくれるのですが、じゃあ買うかというと買わない。「美しい。でも、ちょっとサイズが小さいな」とか、「芸術的だよ。でも、こっちでは売れにくい色かも」というように必ず「でもね」がついて、実商売につながらないんです。やはり国内のミュージアムショップを意識してつくった商品ですから、海外向けにはつくられていなかったということなんですね。海外で売りたいのなら、やはり市場に合わせてローカライズ(現地向けの仕様にすること)しなければならない。

その後、中小機構の「Next Market In」事業では、「ターゲット市場のバイヤーやデザイナーと一緒に、ローカライズした商品開発をする」という手法をとりました。3年間やらせていただいた結果、すべての企業が成功するわけではないですが、売れる確率が高い手法であることは間違いないと感じています。

1 2 3 4

中小機構 ロゴ