海外進出ノウハウ

[ 海外出展 ] INSIGHT 06 海外での契約

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契約の知識を身につけることで有利な条件で契約を結ぶことができます

海外展開では、契約書を読むのも一苦労。化粧品・ファッション・食品をはじめ、さまざまな日本企業のニューヨークにおける小売業務展開をサポートしているニューヨーク在住の弁護士・内藤博久さんにアメリカの状況と契約のチェックポイントを伺いました。

内藤 博久 さん

中小企業の海外展開は「契約型」がほとんど


海外展開の形態は、大きく「拠点型」と「契約型」に分けられます。「拠点型」は、たとえば現地法人を設立したり、現地でレストランを経営するなど、ローカルに根差して自分たちで人も雇うようなかた
ちです。

対して「契約型」は、代理店やオンラインを活用したビジネスなどで、販売の委託先を見つけて契約さえすれば、日本にいながら、海外展開できます。

契約型で海外進出する際、企業さんがまず気にするのは、現地の輸入規制や「実際に商品が売れたら税金はどうするの?」「どうやって申告をするの?」といった会計士の専門分野についてです。その後、エージェントやディストリビューターを雇う際に、契約書の内容確認や交渉のため、弁護士が呼ばれるケースがあります。

アメリカの場合、ビザの取得や会社の立ち上げ、知的財産権、商標権、特許、著作権、人事関係など、それぞれに弁護士が専門化されているため、1人の弁護士ですべて事足りるわけではなく、そのつど、適切な弁護士とコンタクトをとる必要があります。まずは、日本の公的機関の海外事務所などに問い合わせてみるとよいでしょう。

法的トラブルを回避するための契約書のチェックポイント


ウォルマートなどの大手リテールストア(小売店)と取引をすると、オンラインで700ページ以上にもわたる契約書(ベンダーフォーム:Vendor Form)が送られてきます。どのベンダー(製品の供給会社)に対しても同じフォームを使いまわすため、あらゆるジャンルの商品や免責事項を想定して、ものすごい量になっているのです。

とても読みきれないので、「まあ、いいか」と読まずにサインしてしまう中小企業さんが多いのですが、なかにはベンダーが必ず守らなくてはいけない項目があるので、自社の取引に関連する部分だけは、必ず探し出して確認してください。

たとえば、「ラベルのつけ方」や「納期」「納品方法」などの基本ルールは正確に把握しておかないと、いきなりペナルティをとられて「えっ、聞いてないぞ?」「いや、契約書に書いてある」という話になります。

もっとこわいのは、「訴訟リスク」です。たとえば、子ども用玩具をウォルマートに卸し、その製品でちょっとした事故が起きてしまった場合、ウォルマートが消費者から訴えられてしまう可能性があります。

そのためウォルマートの場合はベンダーに対し、「第三者機関に頼んで使用テストをしてもらい、安全だという証拠を、必ず英文ですぐに提出できるようにしておいてくださいね」といった条項を細かく契約書に盛り込んでいます。それをクリアしていないと、いざというとき、小売が受けた損害の他に、Reputation Risk(信頼性の毀損)に対する賠償も求められる可能性があります。Reputation Riskや機会損失などの損害については、ベンダーはできるだけ削除または補償の軽減をする必要があります。

大手リテールストア契約書のチェックポイント

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