自社の海外ビジネス展開に必要なパートナーと出会える展示会を探します。展示会の準備には、慣れている場合でも3~4ヵ月、海外ビジネスの構築を同時に行いながらであれば1年から1年半の期間が必要となります。逆算してちょうどよい時期のものを探します。

まずはWEBでリサーチを

WEBを使って、進出したい国の展示会や関連業種分野の展示会について情報収集を行い、出展する展示会の候補を洗い出します。同業者や取引先、現地国に住む知り合いなどから情報収集できれば、リサーチが効率化できるでしょう。

ジェトロのWEBサイト「世界の見本市・展示会情報(J-messe)」では業種・開催地ごとに展示会情報を検索することができます。全世界の展示会のうち主なものを日本語で調べることができますが、すべての展示会情報が掲載されているわけではありません。

特定分野に特化した小さな専門展示会をWEB で探す場合は、国名や分野名と「展示会」を意味するtrade show / exhibition / fair / messeなどの語を組み合わせて検索します。情報が少ない場合は、ジェトロの現地事務所や現地の商工会議所などに問い合わせてみるとヒントをもらえることもあります。

来場者の多い展示会が良い展示会とはかぎらない

自社の目的に関係しそうな展示会候補を見つけたら、それぞれの展示会の公式WEBサイトの情報を比較します。

開催報告写真から会場の雰囲気を、出展企業一覧から出展者を調べれば、対象業界や出展競合企業のこと、ディストリビューターが出展していればその情報が得られます。良さそうな展示会については、WEBで他の出展者の出展報告を調べてみましょう。展示会の公式サイトではわからない、現地の情報が得られることがあります。

展示会にはさまざまな規模のものがあり、来場者が多いほど良い展示会である、とはいえません。規模が小さくともターゲットと会える展示会が良い展示会といえますが、出展目的が不明確だと規模の大きなものを選んでしまいがちです。大きな展示会になるほど、来場するバイヤー側は買い付け先の候補だけを効率的に回ろうとするので、漫然と出展しているブースに立ち寄る余裕はありません。

展示会もブランディングの一部と考える

ブランディングが重要な役割を果たす商品の場合は、展示会選びもブランディングの一部となりますので、雰囲気や、展示会自体が成長フェイズにある/衰退フェイズにある、といった点にまで気を配って慎重に選定します。

展示会の候補の中から最適なものを選ぶ際には、たとえば次のような観点で比較してみることができます。

規模が大きく、ジェトロの出展支援の対象となることが多い展示会を紹介します。

主催者、ジェトロなどに申し込みをする

展示会候補を絞り込んだら、出展案内を入手するなどして出展申込の受付期間を調べ、申し込みの手続きを進めます。主催者への直接の申し込みは、1年前から受け付けている場合もあります。

ジェトロのJapan Pavilionなどの団体出展の場合は、ジェトロが主催者に出展申込を行ったブースを、さらに出展希望企業に転売するかたちになります。出展案内や出展募集はジェトロが行います。

展示会の主催者により、対象分野に該当しているか、あるいは、十分な商品力があるかを審査する展示会もあり、希望が通らないこともあります。また、出展場所についても、先着順であったり実績のある出展者が優先されることがあり、必ずしも希望の場所に出展できるとはかぎりません。