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英語圏向けWebサイト制作のポイント

英語圏向けWebサイト制作のポイント

はじめに

英会話をする際、日本語を起点に文章を組み立てるのは間違いと言われたことはありませんか?日本語と英語では背景も考え方も全く異なるため、要旨を頭に入れた上で頭を切り替えて、一から英語で表現を考える方がよい会話になります。
これはWebでのコミュニケーションも同様です。大切なのは相手の視点に立ち、文章だけでなくデザインも含めた表現を整えていくこと。当たり前のようでなかなかできないことを、英語圏向けWebサイト制作のポイントとしてまとめました。

「コピーサイト」では伝わらない?日本語サイトを翻訳しても意味がない理由

世界のインターネットユーザーは約50億人以上、そのほとんどが英語か中国語、もしくは両方の話者です。海外向けWebサイトを制作する際、多くの企業はまず「英語」のサイトにしようと考え、日本語サイトからそのまま英語に翻訳して制作します。しかし、この手法では英語圏での顧客開拓はできません。なぜなら、言語ではなく肝心の「中身」が英語圏の顧客向けになっていないからです。日本語サイトはあくまで日本の顧客向けに書かれた内容です。

英語圏の顧客は日本の顧客とは文化、商習慣、そしてなによりニーズが異なります。極端な例えですが、「目に見えない力で日本の工業を支える」という日本向けのキャッチコピーを翻訳しても、英語圏の顧客には何ら響かないのが自明の理です。なぜなら、英語圏では「日本の工業を支える」ことは自身のメリットに直結せず、このコピーに意義を見出せないからです。サイトのターゲットが「英語圏に暮らす外国人」であれば、彼らのニーズに応えるコンテンツとデザインを用いるべきであり、サイト全体をゼロから再構築する視点が不可欠です。「あくまでターゲットに寄り添うこと」。現地の顧客に響く内容を、彼らに伝わる方法で追求することが、海外向けWebサイト制作の第一歩となります。

コストはかかるのか?ゼロ円から始める、英語圏向けサイト制作の3つの方法

英語圏向けWebサイトの重要性を認識しつつも、「コストがかかる」「手間がかけられない」という理由で二の足を踏む企業は少なくありません。しかし、高額な費用をかけずとも、英語での情報発信を始める方法は存在します。
一つ目は多言語対応に関する方法です。「タグを入れるだけで作れる多言語サイトツール」があります。既存の日本語サイトに専用htmlタグを一行追加するだけで、多言語サイトが完成します。これは元サイトのレイアウトやデザインが基本となり「コピーサイト」ではありますが、世界各地の言語に対応できるというメリットがあります。
二つ目は、STUDIO※1等の「ノーコード制作ツール」を活用する方法です。Webサイト制作の知識がなくても、パワーポイントを操作するような感覚でオリジナルの海外向けサイトを一から制作できます。

※1 Studioは、ノーコードでWebサイトを構築・公開・運用できるクラウドベースのWebデザインプラットフォームで、英語版と日本語版の両方が提供されています。 これらの方法を効率的に活用すれば、最小限の費用、労力で英語圏への扉を開くことができます。

「何を伝えるか」が鍵。英語圏ユーザーにはこれがないと響かない

英語圏ユーザー向けサイトは、デザインと顧客体験の両面で「英語圏標準」にする必要があります。日本のサイトは情報量が多くカタログ的である一方、英語圏のサイトはシンプルかつ直感的、明確なCTA(お問い合わせ等の行動喚起)を持つ「テレビCM的」な作りが主流です。この違いの根底には、サイトに期待する役割の差があります。日本が情報提供を重視するのに対し、海外では「コミュニケーションの起点」と捉えます。コミュニケーションは、まずは自社を理解してもらうことからです。
「何を考え、何を目指し、どう貢献するのか。」
海外企業のミッションは、具体的で社会へのメッセージ性が強く具体的であるが故、賛否両論があるものも多く、八方美人ではありません。閲覧者自身が「自分と合うか合わないか」を判断できるという傾向にあります。
海外サイトでは、このわかりやすさが必要です。自社のミッションを発信し、サイトコンセプトやデザインに落とし込むことが重要です。このミッションこそが、文化を超えて顧客との強い繋がりを築く核となります。

まとめ

英語圏向けWebサイトの制作は、単に日本語を英語に翻訳する作業ではありません。ターゲットとする国の顧客視点に立ち、彼らの文化や商習慣、ニーズに応えるコンテンツとデザインをゼロから構築する「新たなコミュニケーション戦略」と捉えるべきです。
日本国内では当たり前の表現や情報豊富なデザインも、英語圏では違和感のあるケースが多々あります。大切なのは、自社の強みや「私たちは何者で、世界にどう貢献したいのか」というミッションを、具体的で心に響く言葉とデザインで伝えることです。
幸いにも現代では、AI翻訳の進化により言葉の壁は低くなり、ノーコードツールなどを使えば低コストでサイト制作を始めることも可能です。しかし、技術はあくまで手段であり、その根底にある「何を伝えるか」という本質が最も重要です。加えて、GDPR※2のような法規制への対応も欠かせません。

これらのポイントを押さえ、日本市場、英語圏の市場を問わず、相手の心に届くコミュニケーションを追求することが、より効果の高いWebサイト制作へと繋がると信じています。
英語圏向けWebサイト構築のお悩みには、中小機構の海外展開相談を是非ご利用ください。効果的に伝えるサイトづくりのアドバイスが可能です。

※2 GDPR(一般データ保護規則)は、EUの個人情報保護に関する法律です。

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筆者紹介

中島 嘉一 中小機構 中小企業アドバイザー(国際化・販路開拓)

家電メーカーの元海外駐在員。デジタルをフル活用した海外営業支援が専門です。英語圏・中国語圏を中心に、Linkedin等を起点とするデータマーケティング、多言語Webサイト制作、AI活用等、企業様の課題に応じたアドバイスをしています。ローカライズを意識し、海外顧客とダイレクトにつながるスキーム設計を支援します。

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