中央アジア調査レポート

近年、EU市場においては、日本食や日本ブランドの消費財等へのニーズが高まってきている。しかしながら、もとより生鮮品の輸送は鮮度維持の観点から輸送困難性が高く、また消費財においても高額な物流費が必要で末端の販売価格において優位性が著しく損なわれるため、日本国内で生産した商材ではハンデを負うこととなる。また、EU域内への直接進出は、投資コストや高額な人件費等の面で中小企業にはハードルが高い現状にある。

このため、EU圏に近い地域を対象に、EU市場への販路開拓を意図した日本の中小企業の進出可能性を探ることを目的とした調査(EU市場をターゲットとした周辺地域への進出可能性調査(以下、「本調査」という。))を実施した。

本レポートは、その結果を簡潔に取りまとめたものである。

本調査の対象国は、日本企業の進出が未だ少なく、特に情報の少ない中央アジア地域において、一定の産業発展が成されおり、事業環境、投資環境等の面で日本の中小企業による展開が可能と想定される国として、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの3カ国を選定した。また本調査は、事前調査、現地調査(各国それぞれ約3日間程度)、事後のフォローアップを行い、主として、経済状況、投資・ビジネス環境、EUとの物流環境や外国人の在住環境等について情報収集するとともに、事業化の可能性が見込まれる分野、外国企業進出事例などに関する情報も可能な限り収集に努めた。

最後に、本調査の実施に当たっては、各国日本大使館、各国在京大使館、独立行政法人国際協力機構(国内事業部、東・中央アジア部、各国現地事務所、技術協力プロジェクト専門家)、各国政府機関・投資支援機関・経済団体・現地企業等に多大なるご協力をいただいた。ここに厚く御礼申し上げる次第である。

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