みなさんは「富裕層」と聞いて、どのような方が思い浮かぶでしょうか。近年、「当社の製品を海外の富裕層に売りたい!」という中小企業の方々からのご相談が増えてきています。このレポートでは、中小企業の方々が富裕層に向けた海外展開を計画するうえで、そのターゲット像の具体化に資するべく、富裕層と呼ばれる方々のお気に入りのものやライフスタイル、お勧めのショップなどをインタビュー調査し、まとめたものです。みなさんの商品開発やマーケティングのお役に立てれば幸いです。
なお、このレポートは2018年に執筆されたものであり、現在の状況と異なる可能性があることをご了承ください。

氏名: ファティマ・アル・エブラヒム(Fatemah el Ebrahim)
年齢:36歳
職業:インテリアデザイナー/コーディネーター
家族構成:5人家族
(子供は男の子3人:5カ月、3歳半、9歳)
自宅エリア:ロンドン・ベルグラビア地区ウィルトンクレセント
職場エリア:フリーランスのためプロジェクトによる
住居の間取り:3ベッドルーム、2バスルーム、2リビングルー
ム、キッチン
車所有台数:1台(旦那様が主に運転されるレンジローバー)
使用する言語:英語/アラビア語/イタリア語

両親が望んだ弁護士という仕事

中東のクウェート出身です。以前は弁護士として大使館に勤務していたんですよ。弁護士はやりがいのある仕事ではありましたが、自分の意志というよりは両親の希望により進んだ道でしたから、心から楽しんだことはなかったかもしれませんね。そんな生活の中で、ずっと思い描いていた別の職業への夢が膨らみ始めたのです。

幼少期からの夢インテリアデザイナー

ローマに5年住んだ後、ロンドンへ引っ越しました。もう7年程になります。私は自分の部屋の模様替えが大好きな子供でした。6歳ぐらいからですか。よくああでもない、こうでもないと試行錯誤しながらやっていたのを、今でもはっきりと覚えています。面倒くさいと思う人もいると思いますが、私はそれが楽しくて仕方がなかった。その時のワクワクした気持ちは今でも鮮明に覚えています。今思うと、幼い頃から自分のやりたい事が見えていたのだと思います。その夢を叶えるためにロンドンで「KLC School of Design」へ通ってインテリアデザイナーの学位を取得、フリーランスのインテリアデザイナーになりました。現在はロンドン、ローマ、クウェートの富裕層向けインテリアデザインを担当しています。

生活スタイル

仕事は詰め込まない

仕事はフリーランスのため不定期です。好きで始めたインテリアデザイナーという仕事なので、その好きな気持ちはいつまでも持ち続けていきたいんです。お金のために仕事をしているわけではないので、スケジュールはあまり詰め込まないようにしています。仕事とプライベートのバランスが大事ですからね。睡眠時間は1日6時間程度。健康的な生活を心がけていて、週2回ジムでピラティスをしています。
趣味を仕事にしたようなものなので、息抜きをする時もアート・デザイン関連が多いですね。アンティークマーケットや家具店を定期的に訪れて、新しいデザインのアップデートをしつつ、常にインスピレーション・感性的刺激を受けるようにしています。

料理もアートです

料理は大好きで週4回くらいは自分でキッチンに立ちます。新鮮な食材で短時間でできるイタリア料理が好きですね。仕事で忙しいことが多いので、いかに効率よく料理できるかは私にとってすごく大切なことなんです。料理にもアート的要素があるので、ここから仕事につながるインスピレーションを得ることもありますね。

ナチュラル&ヘルシーがテーマ

週末には主人と一緒にレストランで食事をすることも多いですが、基本的に外食はヘルシーではないと思っているのであまり好きではありません。ナチュラルでヘルシーな食事をするように日々心掛けています。子供たちも含めてジャンクフードは厳禁です。子供たちのおやつにもナッツ・フルーツ・野菜など、フレッシュで安全なものを選んでいて彼等もヘルシーなものが大好き。イタリアにもアパートを持っているのですが、イタリアのスーパーは素晴らしいですよ。フレッシュでオーガニックな食材が簡単に手に入ります。ロンドンは加工済みの食品が多いのが難点ですね。サプリメントなど人工的なものは好きではありません。自然療法が好きなので薬もあまり飲みませんね。

厳選した人付き合い

友人は自分が本当に好きな人だけです。敏感な性質なので、自分と合わない人と一緒にいると悪い意味で影響を受けてしまうんですよ。キラリと光るオリジナリティを持った人に惹かれますね。いろんな国の人がいますよ。モンゴル出身の友人もいますが、不思議なことに私たちクウェート人と笑いのツボが一緒なんです。友人とは週に1回か2回は会うようにしています。ベビーシッターも信頼できる友人からの紹介なんです。毎日来てもらってとても助かっています。

公園や田舎でリフレッシュ

ロンドンという大都市での生活は刺激的だけどとても疲弊するものです。疲れた時は公園や田舎に出かけて息抜きをするようにしていますね。幸いすぐ近くにハイドパークという大きくて自然豊かな公園があるので重宝しています。

住居の印象

ロンドン屈指の高級住宅街

私たちの住居があるロンドン・ベルグラビア地区は、ハイドパークが見える距離にあり、各国大使館に囲まれた地域です。徒歩圏内に小さくてお洒落なお店がたくさんあるので、この地域だけで生活できるんですよ。すぐ近くにお気に入りのスーパーやチーズ屋さんがあって、とても便利です。

無駄なものを一切省いた高級感あふれる部屋

家の間取りはベッドルームが3つ、バスルームが2つ、リビングが2つとキッチンです。どの部屋もシンプルで無駄がないというのが特徴だと言えますね。必要最低限のインテリアが私の理想。こういうスタイルの部屋で過ごすと落ち着いてリラックスできるので、健康上も良い影響があると思っています。見て頂くと分かるように、壁にも天井にも余分なものは一切ありません。例えば、天井には照明がなく、ダイニングテーブルの近くに大きなリング状の照明を置いています。写真も一切ありません。壁や棚に個人的な写真を飾ることはあまり好きではないんです。部屋全体のテイストがぶれてしまうので。その代わりに私自身が描いた絵画をいくつか飾っています。この部屋に合う私好みの絵画をずっと探し続けているのですが、なかなか見つからないんですよ。私もこの部屋に対するこだわりがあるので、運命の一品に出会うまでは自分の絵を飾ることになりそうですね。壁は白壁を基調にしていて、そこにジョージアン様式のパネリングが施されています。

キッチンは家族が集まる大切な空間

家の中にある家電は冷蔵庫、洗濯機、食洗器、オーブン、ガス台くらいでブランドは全て「ボッシュ(Bosch)」です。以前は子供用にテレビがあったのですが、最近家中のテレビを全てなくしました。生活に必要なものではありませんからね。
キッチンには大きな窓があるのが特徴で、そのおかげでキッチン全体が明るく風通しの良い空間になっています。家の中心に位置しているので家族全員が集まりやすく、忙しい生活を送る私たちにとってとても大切な場所なんです。ここで料理しながら日々の出来事を共有するのが大好きです。キッチン内にも必要最小限の物しか置いていません。そうすることで調理中の無駄を省き、掃除をするのも苦にならないんですよ。私の一番のお気に入りキッチン用品はNurtiBulletの直高速ブレンダーで、スープやジュース、野菜ドリンクや赤ちゃんの離乳食用に大活躍です。スピーディーかつ効率的に調理ができ、場所を取らず、掃除しやすいので、私のライフスタイルにピッタリ。

持ち物を拝見

日本の本と不完全なものたち

「わびさび(Wabi-Sabi)」という日本の本が私のお気に入りです。不完全であっても自然のものを大事にする精神に共感できるんです。自然は本来不完全であるという気付きもありました。不完全なものの裏に隠されたストーリー性や歴史に魅力を感じるんです。これはビンテージの家具などにも通じることで、新しいものにはない圧倒的な何かがあるんですよ。セラミックの置物も多く飾っていますが、その不完全さに惹かれるという点では同じですね。

買い物について

品質とオリジナリティ重視

いわゆる有名ブランドは好きではありません。他の人と同じものを持つのが嫌なんです。ブランドにはこだわらず、高品質でありながら、あまり知られていないメーカーの物が好きですね。良いものは長持ちするんですよ。オリジナリティのあるもの、他と違ったものが好きな点は私の信念のようなものですね。よく行くスーパーは「セルフリッジズ(Selfridges)」。高品質でセンスの良いものが集まっています。食料品は「ウェイトローズ(Waitrose)」や近所にある「ファイン・チーズ・カンパニー(Fine Cheese Company)」で済ませることが多いです。今までで一番高価な買い物はブルガリのビンテージ腕時計、ブシュロンやヴェルニエ(イタリア)のジュエリー、シャネルのクラッチバッグなどですね。

プレゼントは直感で

誰かに贈り物をすることはとても意味のある事だと思っているので大好きです。プレゼントを買うという目的で買い物に行くというよりも、何かをふと目にした時に友人の顔が思い浮かんで、よし、これをプレゼントしようと思うことが多いですね。誕生日プレゼントとして良く選ぶのは本やキャンドルで、フランスの有名ブランド「マド エ レン(Mad et len)」のキャンドルがお気に入りです。

情報収集方法

メディア嫌いです

テレビも見ませんし、新聞にも目を通さなくなりましたね。友人の欄でもコメントしましたが、敏感な性質なので、悲しいニュースを目にすると一日中影響を受けてしまうんです。SNSも基本的には嫌いで、インスタグラムだけが唯一楽しめるオンラインメディア媒体ですね。アート・デザイン関係の物が多く挙げられているので、見ていて楽しいんですよ。日本人で言えば、高田朋佳(たかだともよし)氏のファッションが好きで彼のインスタグラムをフォローしています。最近は仕事が忙しくて本や雑誌を読む時間がなかなか取れませんが、空いた時間に読むお気に入りはCerealとKinfolkというライフスタイル誌。本については、家族や友人のお勧めを読むように心がけています。

日本文化に対して

インスピレーションを感じられる場所

残念ながら日本に行ったことはありませんが、アジアの中では一番行ってみたい場所です。自然や日本家屋、建築、生活様式、ファッションなど、インスピレーションを掻き立てられる要素が多いと感じるんです。日本のお茶も好きで自宅でよく楽しんでいます。ロンドンにある「青山フラワーマーケット(Aoyama Flower Market)」の花は他のものと一味違っていて大好きですよ。

日本企業もウェルカム

私自身、日本のわびさびの精神や自然、独特のファッションなどが好きなのもあって、日本のインテリアにも興味があります。ヨーロッパでは手に入らない、日本独自のデザインは確かに存在しますからね。もし興味がある日本企業・メーカーさんがあれば、いつでもウェルカムです!

成功者・富裕層の定義

成功する人は情熱を持ち合わせている

成功者とは、自分の携わっていることや仕事をより良いものにするための努力を惜しまない人のことを指すと思います。学習し続け新しいことに挑戦する情熱を常に持ち合わせており、他の人とは違う存在になろうという野望を持っている人ですね。
富裕層は必ずしも働き者とは限りません。何かを生み出すことよりも消費することが好きな人も多い気がします。お金が十分にあって自分の情熱を持ち合わせているのであれば、その資産を科学や人道的目的に使うということもできると思うのですが…

ファティマ氏の御用達のお店~チャールズ・バーナード(Charles Burnard)

店名:チャールズ・バーナード(Charles Burnard)
業種:家具販売、オーダーメイドの照明/家具デザイン+創作
所在地:15 Crawford Street, London, W1H 1BR
電話番号:+44 (0)20 7993 4968
営業時間:月~金 10:00-18:00、土 予約受付のみ
定休日:日曜日
ウェブサイト:www.charlesburnand.com(英語)
取材対応者:従業員、マイケル・トッテン(Michael Totten)さん
商品名(値札)等の言語:英語

インプレッション

落ち着いた通りに佇む業者向けの家具ショールーム

ロンドン市内メリルボーン地区。ここは大通りから少し離れた静かな場所で、感じの良い小さなお店が立ち並びます。お店の外観も内装も落ち着きがあってセンスの良い家具が目を引く素敵な空間。客層はファティマ氏のようなトレーダーや業者がメインだとのことで、我々がお店に伺った時も他にお客さんはいませんでした。ファティマ氏も仕事上の情報をアップデートするために月1回程の頻度で来ているとのこと。
プロ相手のお店なので、この店舗も商品を売るためというよりは、顧客に商品を見てもらうためのショールームとして存在しているとおっしゃっていました。

お店の概要

イタリアン家具販売店から家具デザインを手掛けるまでに

14年前にサイモン・ステュアート(Simon Stewart)によって創立されたお店。幼少期から憧れていたという彼の祖父の名前がそのまま店名になっています。以前はロンドン北西部のイーストフィンチリー地区にお店を構えていたそうですが、インテリアデザインの本拠地はセントラルロンドンにあることから、現在のメリルボーン地区に5年程前に移転しています。
オーナーは以前からイタリアンデザインに魅せられていて、世界各国を巡り一点物の家具を買い集めていたそうですが、イタリア旅行中に出会ったビンテージ家具職人に魅了され、それ以来自分で家具デザインも手掛けるようになったという経緯があります。
イギリスのデザイナー向けインテリア見本市「デコレックス(Decorex)」にも毎年作品を出品していて、一味違うユニークな物をメインに扱っています。近い将来、ニューヨークにも小さなお店をオープン予定とのこと。

品揃え

高品質でユニークな家具たち

店内はユニークな家具がおしゃれに配置されていて、ゆったりとした雰囲気を醸し出しています。地下にはファブリックやタイルなど、オーダーメイド商品に使われる素材のサンプルが並んでいます。オーダーメイド商品は、照明を含め家具全般を取り扱っており、オリジナルデザイン商品に注力中。これからはガラス製品を追求したいとのこと。高級家具の価格帯ではあるものの、ロンドンの高級家具店にしてはリーズナブルな価格設定だと言えるでしょう。例えばオーダーメイドのテーブルは100万円弱の価格帯でした。お店にある商品はオーナーであるサイモンさんのお眼鏡にかなったユニークで高品質なものばかり。従業員によると、オーナーがこの店の全ての基準とのこと。おすすめ商品はヨーロッパ中世スタイルの照明で、お店でもオリジナリティ溢れる商品の数々を目にすることができます。

顧客

プロ相手の仕事

トレーダー(インテリアデザイナーなどのプロフェッショナル、業者)が主な顧客なので、繁忙期も彼らの仕事の忙しさに連動するとのこと。ファティマ氏もインテリアデザイナーという職業上、この店を頻繁に利用している顧客の1人。既に完成されたインテリアだけでなく、彼女が関わるクライアント向けの家具1つ1つのオーダーメイドデザインにも関わってくる重要なお店。
このお店で扱っているイタリアの高級ファブリックメーカー「デダール(DeDAR)」が彼女のお気に入りで、クライアントのインテリアにもよく使うのだそう。30%のトレードディスカウント(業者間の取引割引)が適用になり、クライアントにとってファティマ氏を雇う大きな理由の1つになっているようです。

宣伝方法

インスタグラムが宣伝媒体

お店のウェブサイトとインスタグラムが主な宣伝媒体。お店のウェブサイトには商品の写真が何点か並べられてはいるものの情報は限られており、商品詳細を見るためには登録が必要。インスタグラムの方がより多くの商品関連写真を目にすることができます。「Architectural Digest top 100 designers」という、業界で影響力のある雑誌が挙げるデザイナーにオーナーが選出されていることを考えると、インテリアデザイナー業界ではよく知られた存在だと言えるでしょう。

日本産の商品

日本製品の取り扱いはなし

イタリアやイギリス、最近ではアメリカが主な取引先なので、日本製品は一切取り扱っていません。日本に商品を輸出したこともないとのことでしたが、オーナーの家具に対する情熱を理解し吸収しようという意欲がある人であれば日本人であろうと何人であろうといつでも大歓迎だと仰っていました。アジアではシンガポールの企業と仕事をしたことがあるそうなので、日本企業にもチャンスはあると言えるでしょう。

ファティマ氏の御用達のお店~アレックス・イーグル (ALEX EAGLE)

店名:アレックス・イーグル (ALEX EAGLE)
業種:ファッション、家具、アート、デザイン、写真、陶芸、本などを一般客向けに販売。地下にはエステ有り
所在地:6-10 Lexington Street, London W1F 0LB
電話番号:+44 (0)20 75890588
営業時間:月~土11:00-19:00、日 予約受付のみ
定休日:なし
WEBサイト:alexeagle.co.uk
取材対応者:従業員、コーネリア・アンダーソン(Cornelia Anderson)さん
商品名(値札)等の言語:英語

インプレッション

ソーホーの小さな通りに佇むおしゃれなお店

お店はロンドン・ソーホーの大通りから少し入った小さな通りにあります。建物の外側は頑丈な鉄格子のようなもので囲まれていますが、一歩お店に足を踏み入れると明るく、隅々までおしゃれで魅力的な空間が広がります。このエリアは以前レストラン街でしたが、数年前からハイエンドのお店が立ち並ぶようになり、ちょっとしたおしゃれスポットになりつつあるそう。客層は一般層とのことでしたが、商品の価格帯から中産階級以上の人がメインだと考えられるでしょう。

お店の概要

アレックスの自宅を再現した店内

お店のオープンは4年前。オーナーであるアレックス・イーグルの自宅に置いてあったインテリアやファッションが原点になっているのだそう。どこのブランドで、どこで買ったのかと友達に聞かれることが多く、これがきっかけでマーケットを始めたことが全ての始まり。このお店は、まるでアレックスの自宅を再現したかのように、オリジナリティに富んだ商品で溢れているのです。洋服だけにとどまらず、様々なジャンルの物を販売していて、オンラインでも購入できます。

品揃え

全てオーナーが厳選した高品質商品

自宅を再現したというコンセプト通り、取り扱い商品は、服、ファッション全般、ジュエリー、アート、家具、食器、本、美容関係商品など幅広く、リラックスした雰囲気の中で、個性を放つ厳選された品々に囲まれながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。オリジナリティ溢れる品々は、オーナーのアレックスが実際に手に取って選んだものばかり。地下には美しい家具やアート作品で飾られたイベントスペースやエステサロンもあります。単なるショップというよりも、様々な人々が集い感性を磨きあうクリエイティブ空間だと言えるでしょう。

顧客

幅広い客層

客層は仕事帰り、ランチ中の人や観光客、学生など比較的バラエティに富んでいるとのこと。ソーホーという場所柄、観光客を含めいろんな層の人が来店すると言えます。

宣伝方法

SNSは幅広く

わざわざ宣伝するというよりも、口コミでお店の情報が広がることが多いとのこと。ウェブサイトでは、各商品を購入することができる他、最新商品やデザイナー、イベントスペース情報など、顧客のニーズをしっかり把握した分かりやすい内容となっています。SNSはインスタグラム、ツイッター、フェイスブックと幅広く抑えていて、それぞれ最新情報のアップデートがしっかりされています。

日本産の商品に対して

お店にも日本製品が陳列

既に何点か日本製品がお店に並んでいました。まずは、アメリカのモリハタインターナショナルという会社が出している備長炭フェイスマスクやフェイスパフ。日本の伝統的な素材や技術を海外の人にも味わってもらいたいという強い思いの下に作られた商品だからこそ、オーナーのアレックスの目にとまったのだろうと推測できます。それからカワノナオキ(NAOKI KAWANO)というパリ在住の日本人アーティストの絵画や彫刻も。彼の作品は私たちの現実に何かしら新しい領域をもたらそうとしているのが特徴で、アートを通して現実以外の側面を常に模索しているのだそう。
これら以外にも、いいなと思う物であればもっと多くの日本製品を取り扱う可能性は高いとのこと。日本製品に求めるポイントは「非実用的で、風変りで、一味違った」ものなのだそう。ロンドンでは一般的に日本の商品は人気がありますが、関税が高いため、実際に販売する段階になるとかなりの高値になるのが一番の壁だとおっしゃっていました。この輸入障壁がクリアできれば、可能性はかなり広がるはずだというアドバイスを頂きました。