中東 現地レポート

現地の土産の選定 – 中東ビジネスのヒント 第22回

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ご相談:(ビジネスそのものに関する相談ではありません。)
近く、市場調査の為にGCC諸国を訪問し、既にアポを取得した現地の大手企業の経営幹部・販売のトップ方々に面談の予定です。 初めて会う彼らに日本から持参するお土産としては、どのような品物が現地の人に喜ばれるでしょうか?

(「お土産/プレゼント」は、差上げる方も、貰う方も、その人の価値観・趣味・嗜好が強く影響するものだと思います。従って、頂いたご相談に対するアドバイスもわたしの過去の中東地域の人々と接した経験に基づくものではありますが、飽くまで筆者の極めて個人的な意見であることを予めご理解下さい。)

GCC諸国では、地元大手企業の殆どがファミリービジネスです。そのオーナーたちは皆さん自国民ですが、番頭的地位の幹部以下では、お雇い外国人も多く見受けます。欧米人も見かけますが、より多いのはインド人、エジプト人、パレスチナ人、ヨルダン人、スーダン人、パキスタン人等多国籍な人々です。そして殆どがイスラム教徒です。出身国が違えば文化も異なり、趣味嗜好も異なっているのは当然です。現地で面談される相手がどこの出身者なのか事前に分かればそれも参考情報になるでしょう。

●考慮する要素(事前に分かっている場合ですが)   

①相手がオーナー(若しくは、オーナーファミリーのメンバー)か?     
⇒相対的に立派なものを選ぶことをお勧めします。   

②会社組織の中でどのくらいのポジションの役職か?     
⇒役員クラスの幹部であれば、ファミリー出身とお雇い外国人とで、お土産に差を付ける必要もないと思います。お雇い幹部であっても番頭/腹心的に社内階層で上位に位置する人には、多少、良い物を用意されるべきでしょう。   

③日本を始め海外出張経験の頻度は?     
⇒訪日経験の豊富な方だと、既に、日本的なお土産(飾り物等)を幾つも有している可能性があるので、最新の電子機器や高級果物・洋菓子(現地では手に入らぬアイテム)を選ぶことも一案。   

④出身国は?     
⇒イスラム教国であれば、宗教的な要素を勘案すべきです。 

●以下に、参考例を挙げたいと思います。

1. オーナー経営者/ファミリーメンバー幹部

通常、広い執務室を持って居り、そこには立派な額に入れられた、取引先企業から授与された表彰状・感謝状といったものや、取引先からプレゼントされたそれなりに高価そうな品が陳列されていることが多い。貴社の当該訪問企業に対する立場・距離感にもよるが、強い印象を残したいのであれば、(陳列され記憶されることを期待して)日本的なやや高価なものを用意されるのも一案。  

○例としては、   
(1) 日本の伝統工芸品(英文の開設メモが付されていることが望ましい)      
○七宝焼き飾り絵皿・額      
○兜(「昔、サムライ戦士が戦場で使用したヘルメット」的な英文解説付き)      
○飾り扇子(スタンド付き)      
○屏風(置き)時計      
○江戸切子ガラス容器(花瓶、水差し等)   (

2) 糖度の高い超高級フルーツ(日持ちしないので、最初の訪問国のみとなろうが)      
○マスクメロン      
○白桃      
○りんご 

2.オーナー(ファミリーメンバー)以外の幹部(含む、お雇い外国人)

このクラスの人は、出身国を問わず国際経験の豊富な人たちが多く、現地では入手が難しい日本の美味しい食べ物などは喜ばれよう。  
例としては、   
 
○洋風焼き菓子(ひとつひとつラップしてあるもの)      
→・2000年頃には「風月堂」の洋菓子が、2000年代後半には「ヨックモック」が、そして2010年代半ばには、  「ビア-ドパパ」のシュークリームや「シャトレーゼ」の洋菓子がドバイで販売が開始されている。       

○現地で販売されていない(珍しい)アイテム      
→ ・低周波マッサージ器(乾電池式、パッドを幹部に貼り付け微弱電流を通すタイプ)        
・トクホン/サロンパス等の湿布薬(使用経験のない人は、こりだけではなく、額に貼ると頭痛にも効くと好評。)        
・風呂敷(物を包むさまを実演。且つ、ご婦人のスカーフにも使えると説明。カラフルな柄のものがお勧め。)等。

3.部課長クラスの上級スタッフ

このクラスは、殆ど出稼ぎ外国人。貴社の社名入りの宣伝用ギフトアイテムが無難。

4.留意点   

(1)面談相手は、まずイスラム教徒であると思われる故、食べ物の場合には、決して、「アルコール」及び、「豚肉(含む、エキス)」の含有のないものであること。   
(2)相手がイスラム教徒である場合、宗教的モチーフ(神社仏閣や教会、或いは、天女、観音像等)を有するものは避ける。   
(3)相手がサウジ人である場合は、人形/彫像/人物画等は避けるのが無難。   
(4)GCCの国々は、一部を除き70年代になって独立した国が多く、近代的学校教育の中で、日本の歴史・文化に就いて十分な情報を得られていない人々が殆どである。
然し、自動車やAV/IT機器のお陰で、先進工業国としてのプラス・イメージは強く共有されている。そこで、お土産を渡される機会に、その品物に関する説明・解説を英語で用意されて行かれると、より貴社の来訪を記憶に留めて貰うことに資すると思われる。

プロフィール

国際化支援アドバイザー(国際化支援)富山 保
総合商社に38年勤務し長年海外ビジネスに携わってきた。若い頃の会社派遣のアラビア語研修皮切りに、 合計約15年間の現地駐在経験(サウジアラビア・UAE等)を有する。