マレーシア 現地レポート

業種別・品目別の消費動向・売れ筋商品〜マレーシアにおける消費トレンド②〜

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「マレーシアの消費者市場概観」に引き続き、マレーシアにおける消費トレンドについてご紹介します。

自動車

年間60万台の乗用車が過去10年以上に渡ってコンスタントに売れている。東南アジア最大の乗用車市場となっている。
前述のごとく高級車の比率が高いことが大きな特徴。
国産車のメーカーでナンバーワンのシェアを誇る第2国民車メーカーのPerodua社は現地資本との合弁企業であるが基本的にダイハツや三井物産が株の過半数を占めていると言われ、ダイハツとトヨタの車を作っている日系の会社と言える。マーケットシェアは30%強。
第1国民車のProton社も元々は三菱自動車との合弁で三菱の車を作っていた会社。いまは合弁関係を解消しているが一部で三菱のランサーを製造している。トヨタと政府系のUMW社の合弁会社のUMW Toyotaのシェアが15%,その他本田、日産、スズキ、マツダ、スバルのブランドを合わせるとマレーシアの乗用車市場の約70%は日本車で占められていると言える。
日本車は故障が少なくメンンテナンスにお金がかからない、燃費がいいという定評があり、再販価格も欧州車ほど落ちないので好んで購入されている。一時韓国の現代やKIAが売り上げを伸ばした時期が数年前にあったが今はその勢いは落ち、あまり新車を見かけない。中国のCherryも販売を始めた当時は見かけたが現在ではほとんど走っている車を見かけなくなった。
他の東南アジア諸国と同様、日本社のシェアが圧倒的な市場と言える。
統計によると2012年の車両登録台数は乗用車・商用車を含め227万台である。人口1,000人当たりの保有台数は775台という高い比率になる。
したがってほとんどの家庭には車が行き渡ったと思われ現在は2台目、3台目の需要や買い替えが需要の中心となっているようである。
このように乗用車は輸入税および国内の税金が高いため日本車で比較すると約2.5から3倍の価格にもかかわらず良く売れている。多くは最長7年の自動車ローンを利用したHire Purchase と呼ばれる月賦販売を利用しているようだ。このローンを利用すると月額数百リンギ(1万円から1.5万円)の支払いで手軽に車が買えることから就職したての大卒などは就職と同時に運転免許を取得し車を購入する風潮がある。

 

家庭電化製品

日本の家電製品のブランド力は衰え、韓国のサムソン、LG、が多くのシェアを獲得し中国のHierが後を追っている。
日本勢退潮の理由はある中国系マレーシア人はこう語っていた。
70年代、80年代は日本の有名ブランドの独壇場だった。日本メーカーはそのことにあぐらをかき、消費者の求めるものを提供するという努力を怠った。過剰な機能を持つことで高コストの製品を提供し続けてきた。その点で後発のサムソン、LG、Haierに価格で太刀打ちできなくなり、市場を奪われた。

 

スマホ

マレーシアではスマホの普及率が驚くほど高い。普及率は80%を超えていると思われる。パソコンを持たない層もスマホを購入している。
マレーシアの人たちは暇さえあればスマホをいじっている。レストランで家族連れが子供を含めそれぞれがスマホかタブレットを持ち会話もほとんどなくスマホで遊んでいる光景が日常的に見られる。買い物に行って見かける風景は店員が仕事そっちのけでスマホに見入っている姿である。経営者もそれを当たり前だと思っているのか、注意しても無駄と思っているのか放置されているようである。
マレーシアには外国人労働者が合法・非合法を合わせて350万人いると言われている。例えばSecurity Guardはネパール人が多い。給与は月額1,000-1,500リンギと思われる。筆者のコンドミニアムのネパール人ガードの例で見ると彼らの80%は新品や中古のスマホを持っている。前払いの料金を払い本国の家族や友人とメッセージのやり取りや、時には会話をし、さらにはユーチューブで映画を見ている。
一般にレストラン情報などもスマホを通じて得ているようでスマホでの広告宣伝は効果が高いと言われている。

 

ギフト

一般のマレーシア人は結婚式、何かの記念日、クリスマス、誕生日などの特別な日以外はギフトの習慣がない。 また、ギフトを「モノ」ではなくお金やギフトバウチャーを渡すケースの方が多い。
ギフトが生活に根付いていないことからショッピングモールの中でギフトショップを見かけることは少ない。 一般にギフトを売る店の品揃えは高級感がなく、特色もないので魅力的な商品を売っているとは言えないのが現状である。しかしながら例外もあり、Memory Lane Gift Shop 及びS & Jという店はメジャーのギフトショップとして堅調な営業を続けている。
伝統的なギフトは中国正月、断食明けのイスラム教徒(マレー人)の祝日、インド人のディーパバリ:Deepavaliという光を敬う祝日などの前には、ソフトドリンクの瓶を真ん中にタワー状に立ててその周りをお菓子で囲んで全体をプラスチックのフィルムで包む、見た目の派手なハンパーと呼ばれるギフトがやり取りされる。これは主にビジネス目的でやりとりされることが多く日本のお中元やお歳暮に似た習慣と言える。

 

クリスマス

子供達にはクリスマスの時期におもちゃなどが贈られる。恋人達の間ではクリスマスプレゼントがやりとりされる。

 

伊勢丹のニュースレター

一例として伊勢丹が毎月発行しているNewsletterの2月号はバレンタインデーを特集している。
日本とは異なり、マレーシアではバレンタインデーに主に男性が女性にプレゼントをする。
男性からのギフトは花束、チョコレート、テデイーベアなどの人形とメインのギフトであるアクセサリーや化粧品などであり、これらを女性に送る。女性からは男性用のオーデコロンなどをプレゼントすることもある。
当日は少ししゃれたレストランでバレンタインデーにカップルでディナーを取りながら、男性が思いを寄せる女性に花束とプレゼントを渡す姿が見られる。人気のあるレストランは2月14日のバレンタインディナーのテーブルは早くから予約でいっぱいになる。
伊勢丹のバレンタイン商品の広告に出ている、女性用のネックレスの価格帯は150リンギから1,500リンギである。
ペアウオッチも三種類掲載されている。これは二人で着用する目的で男性が購入し二人で着用するためのものと思われる。 ペアウオッチの価格帯は一個当たり233リンギから1,300リンギ。(1リンギは約27-30円である)。 Anna SuiというブランドのバッグやiPhone6のケースは米国のAnna Suiというデザイナーと伊勢丹マレーシアが25周年を迎えた際に共同開発したブランドという。昨年12月10日に共同開発商品を発表した際には、現在179リンギで売られているiPhone6のケースを50リンギで発売し飛ぶように売れたという。

 

中国正月用みかんの詰め合わせ

国正月の際にはお金をイメージしてミカンを箱で送りつけることも日常的で街のあちこちに中国正月前にはミカンを売るテントが建つ。また中国正月にはホームメードや店で売られているクッキー類が行き交う。 伊勢丹のニュースレターにも中国製の箱入りみかんが紹介されている。

 

ダイソーの商品もカジュアルなギフトに

最近ダイソーやMuji などの日本の店がオープンしたことでギフト用品市場の状況は変わりつつあるようだ。消費者はギフト商品の選択肢が増えユニークでセンスのいい商品を手軽に購入できるようになった、という。 最新の動向として、 Tokyu Handsが2月に2週間限定でテスト販売を行っている。場所はマレーシアを代表するPavilionショッピングモールの中である。

 

楽天マレーシアのバレンタインデー向け商品

http://www.rakuten.com.my/event/flower-gift/?m-id=my_pc_ev_bottombanner_flowergift
花籠、チョコレード(森永、明治もある)、枕、ペア人形が紹介されている。 (注:最近楽天マレーシアはネット販売から撤退を発表した)。

 

化粧品

伊勢丹、イオンなど日系大型小売店、パークソンなどローカルの大型スーパーのGround Floor(一階の売り場)には必ず化粧品売り場があり、ワンフロアフロアが化粧品売り場で埋め尽くされている。世界中のすべてのブランドが揃っていると言って過言ではない。日本からは資生堂、コーセー、SK—Ⅱ、Shu Uemuraなどが出回っている。
女性向けの製品特に化粧品は景気の良し悪しに関係なく売れるようである。 特にマレーシアでは化粧品には輸入税がかからないため日本より価格が安いと言われている。
例えば伊勢丹の売り上げナンバーワンは食料品を除けば、化粧品である。特に売り上げが増えるのは12月。ギフト用としての売り上げが伸びることがその理由。
年に何回か化粧品のセールがある際には数十万円ものSK-Ⅱなどの化粧品を買い込む日本人固定客がいると聞く。量的に見て転売用に購入しているものと思われる。伊勢丹では化粧品のセール中の購入者には色々な特典が用意されている。
マレーシアの大手銀行の一つのCIMBバンクのカードを使って、
• 1,000リンギ以上購入すると12ヶ月の分割払いが無利子で利用できる。
• 100リンギの購入に対して10リンギのバウチャー(金券)を出す。
• Weekend サービスとして500リンギの購入に対して15リンギのキャッシュバック。 など色々な特典が用意されている。
最近の傾向としては特徴を強調した専門店がショッピングモール内に次々に開店していることである。SepheroあるいはSasaというブランドの化粧品や香水だけを販売している店が続々とオープンしている。 また日本の Shu Uemura(化粧落とし用のオイル)はかつて伊勢丹などの中で売り場を持っていたが、売れ行きが良いため、外にでて大きなショッピングモールの中で独立した店舗展開をするようになった。

 

韓国製の化粧品

最近目覚ましいのは韓流ブームに乗った韓国製の化粧品と香水の進出ぶりである。ブランドとしてはFace Shop, Etude, Laneige, Skin Food, and Innisfree. があげられる。
韓国のスーパースターやアイドルを起用した精力的な売り込み努力が功を奏している。
例えば伊勢丹のニュースレターにはLaneige(ラネージュ)というブランドのスキンケア用品の広告が載っている。以前は価格が安かったが人気が出てきて中クラスの化粧品の価格をつけるようになったという。長い黒髪の韓国女性の写真をあしらった広告している。さらに街中では市内を走るモノレールの橋げたを5本ほど使ったWaterをテーマにした大きな看板広告を打っている。
韓国化粧品は一般には比較的安い価格で購入しやすいことから市場で強い競争力を持っているということである。
他の例として当地の英字新聞the Sun 2016年1月29日付けの裏全面に掲載された当地の大手ドラッグストアチェーンのWatsonsの広告を紹介する。
Watsonsが韓国にOEM生産を依頼したと思われるコラーゲン化粧品の広告である。ここでも「韓国製」が前面に出ている。
• “Collagen by Watsons”というシリーズで7種類の用途別の商品の写真が載っている。
• 価格はRM27.90-RM62.00。
• これまで7,100万本の販売実績。
• Made in Koreaと表示。
• 韓国人と思われる長い黒髪の女性の写真を掲載。
• 広告の端の部分を切り取って店に持っていくとRM50以上買い上げた場合RM8.00割引く。
• 筆者もWatsonsに寄り、試供品を顔に塗ってみた。しっとりとして嫌なニオイもせず、いい感じの製品であった。顔用で55リンギであった。

さらに中国正月のキャンペーンでは「美しくなりたいならWatosonsの韓国化粧品を」というテレビのCMを流したという。

他に伊勢丹のニュースレターには以下のような地元や欧米の化粧品が紹介されている。
バレンタインデーの贈答用を意識した組み合わせセットがメイン。
例えば、Clarinsというマレーシア製の男性用、女性用のセットがある。
米国製も多く、Calvin Kleinは30年前から根強い人気を持ち, Estee Lauederの製品もある。米国製では他にCosme Decore, L’erbolarioがある。 Origin、とNeal’s Yard Remediesの製品はオーガニックをうたい、人気があるとうことである。
イタリー製はBvlgari,フランス製はLanvin, Sisley。イギリス製はBurberry。 ドイツ製はMontblancなど多くの国からのブランドが紹介されている。
スイス製のla praineという顔のケア用化粧品は4,040リンギの3点セットを販売している。これでも30%値引きした価格とうたっている。
日本製は根強い人気を誇るSK-Ⅱが紹介されている。Kenzoは余り人気がないという 全体的な価格帯はセットで300 – 4,000リンギ。中心価格帯は500 -1,000リンギ。
その他主要ブランド: Versace Eros, Clinique, Polo, Armani, Kanebo, MaxFactor.

 

コンフェクショナリーとベーカリー

マレーシアのお菓子はクエと言われるマレーの伝統的な菓子と月餅や各種クッキーなどの中国菓子が主流であった。
その後欧米のチョコレート会社が進出し(ハーシーとキャドベリー)、ネスレの大きな工場も出てきた。それにより西洋のチョコレートやビスケット、アイスクリームなどが急速に普及した。その後ショートケーキ、シュークリームなどを作る中小規模な工場があちこちにでき、西洋的な菓子が市場の大半を占めるようになった。

ローカルのチョコレートメーカーのBerly’sは十数年前に元金沢大学留学生のMr. Tingが創業。マレーシアを代表数お土産品の一つとなった。空港やショッピングセンターに必ずある。またKL市内のChocolate Kingdomという同社の大型店には連日多くの観光バスが押しかけ日本や中国の観光客がお土産として購入している。
数年前に日本からRoyceが進出しKLCCなど大型ショッピングセンターに店舗を構えるようになった。
いわゆる食パンのメーカーは従来ローカルのGuardianが市場を独占する状態であった。しかしながら数年前からイタリーのMassimoブランドが進出してGuardianの市場を奪い、両者ほぼ拮抗状態にあるとみられる。
日本からは明治屋と称するブランドで1980年代の中頃からマレーシアで食パンや一部菓子パンの製造を続けている。この店は日本企業の経営であったが日本の明治屋とは無関係。その後伊勢丹KLCCの中に山崎パンがSun Moulinの店名で開業し多くの顧客を集めている。
数年前にはマハティール元首相が現地に根を下ろした日本企業と組んでThe Loafというパン屋を開業した。日本びいきで「日本に学ぼう」というルックイースト政策を推進したマハティール氏は「日本のパンが好きで日本クオリティのパン屋を開きたかった」ということである。

これまではいわゆる食パン中心のパン市場だったが、最近は工房的なパン工場とカフェを併設するファッショナブルな店が増えつつある。 またチェーン展開するOld Town やSecret Recipe などのケーキや食事も提供するコーヒーショップチェーンが大きなショッピングセンターや街のショップロットで数多く見かけるようになった。

このようにコンフェクショナリーとベーカリーの分野では、現在のマレーシアの人々消費レバルは非常に高いレベルに達している、と言える。
価格帯は高いものからリーズナブルなものまで非常に広く分布している。メニューも豊富でマレーシアのローカルな製品から日本のシュークリームやどら焼きまで販売されている。

最近の傾向としては日本の抹茶を使った菓子がこれらの店で流行り始めている。特にRT Pastry Sdn Bhd社は抹茶入りのバースデーケーキを販売し、人気を博していると聞く。
日本からの輸入品ではネスレの抹茶キットカット、グリコの、抹茶ポッキーが輸入され多くのスーパーマーケットやドラッグストアの店で販売されている。またカフェでは抹茶ラテ、抹茶アイスが提供されている。

多くのマレーシアの消費者はランチや簡便な食事としてコンフェクショナリーやベーカリー製品を毎日のように口にするようになった。
これらの消費の高まりを受けてStarbucks, Coffee Beans, San Francisco Coffeeといったカフェチェーンはコーヒー以外のコンフェクショナリー、やベーカリーの品揃えを増やしている。
有名なコンフェクショナリーとベーカリーの店は以下の通り
Rotiboy, Komugi, Kings Confectionary, RT Pastry House, Lotte, Famous Amos Chocolate Chip, Sticky, Lavender, Garnett, Auntie Anne.]

 

ファーストフード

マレーシアには多様な人種が存在することから、多種多様なローカルフードを手軽な価格で楽しむことができる。 その代表格はマレー系のご飯の上に辛いペースト、きゅうり、ピーナツ、チキンなどをのせて食べるナシレマ。インド系の薄いナンをいろいろなスープや香辛料の入ったスープをつけて食べるロティチャナイである。これらは朝食、昼食として人種を問わず好まれている。
街角の手軽な店で100円前後の値段で安く食べることができる。また持ち帰りもできる。

マレーシアにおけるファーストフードの草分けはフードコートであろう。フードコートに行けばありとあらゆるローカルフードやパスタなどが注文して直ぐに提供される。
海外から進出したファーストフード店はその価格と利便性から多くの需要がある。特にマレーシアでは64%の人口をイスラム教徒のマレー人が占めていることからファーストフードはすべてハラール(イスラムの戒律に則ったもの)という特徴がある。
フライドチキンはマレー人、中国人、インド人が共通に口にすることができる唯一の肉でありマレーシアでの消費量が大きい。鶏肉はすべての人種が口にすることができるのでKentucky Fried Chickenは早い段階からマレーシア全土に展開されている。
大手のファーストフードチェーンが時折、フリーギフトやプレミアムギフトを割引価格で販売することを抱き合わせにしたキャンペーンを展開している。そのような期間中は夜中でも列を作っている若いマレーシア人の姿を目にすることがある。
有名なファーストフードチェーン
McDonald’s, Kentucky Fried Chicken, Pizza Hut, Domino Pizza, A & W. ,King Burger.日本からはすき家、吉野家、はなまるうどん、ミスタードーナツが最近出てきた。

 

カフェ

KLや他の主要都市の中心部に勤務する洗練されたサラリーマンが増えて来た。これらの多くの人たちは、Starbucks, Coffee Beans, San Franciscoなど名の通ったコーヒーショップでコーヒーブレークを取ることを好む傾向が見られる。

その主な理由はこれらのコーヒーショップが進出した際の宣伝が功を奏したためである。すなわち、つかの間のプライベートタイムを楽しむためのリラックスできる雰囲気としゃれた環境が整っているというイメージを浸透させることに成功した。

最近ではこれらの場所がビジネス目的で使用されるケースが増えつつある。例えば保険のエージェント、建設請負業者、フリーランスのデザイナーやヘッドハント業者などがお客さんとのミーティングに好んで使っているという。

ここ数年の間にローカルの有名なレストランチェーンの展開が目覚ましい。例えばOld Town, Papa Richなどである。
これらの店は店舗で提供しているホワイトコーヒーと呼ばれるコーヒー・ミルク・砂糖を混ぜたものを”スリーインワン”として、ほとんどのスーパーマーケットで販売しており、中国からの旅行客に好んで購入されているという。

 

その他の飲料

マレーシアで消費される飲料は伝統的なローカルの飲み物からアルコール飲料まで幅がある。
このうちアルコール飲料は人口の60%を占めるイスラム教徒のマレー人は口にすることが禁止されている。マレーシアではアルコールとタバコにはSin Tax(罪に対する税金)という考え方に基づく高い税金が課せられている。このためアルコール飲料の価格は周辺諸国の中ではかなり高い国になっている。

 

テータレ

マレーシアでもっともポピュラーなローカルの飲み物はThe Tarik (テー・タレ)と呼ばれるものである。濃い紅茶に甘いコンデンスミルクを入れて、混ぜる際に2つのカップの間を上から下に交互に往復させる様子が二つのカップの間をつなぐ棒のように見えるため、マレー語で棒を表すTarikが名称に使われている。これに砂糖を加えるため非常に甘い。このテータレに生姜をすり下ろしたものを加えたテーハリア。テー(紅茶)の代わりにコーヒーを使ったコーヒータレ、Miloを使ってマイロタレなどバリエーションがある。これらに氷を入れるとアイステータレなどになる。
これらのローカルの飲み物は1-2リンギでMamak Shopと呼ばれる街角の簡便なローカルレストランで提供され人種を問わず好まれている。
こういう甘い飲み物を好むせいか、マレーシア人の糖尿病患者の割合は人口の20%と非常に高い。

 

Boh Tea:ボーティー紅茶

1929年にイギリス人のRusselとセイロン人の技術者によって高原のCameron Highlandで栽培が始まっている。Boh Teaとブランドをつけ、現在では国内4ヶ所1,200ヘクタールのお茶畑で生産されている。お茶畑の風景は日本のお茶畑と全く一緒である。
Boh Teaはマレーシアを代表する飲み物の一つとして海外にも輸出され日本でもファンが多い。海外からの旅行者が購入するお土産品の定番にもなっている。安くてそれなりに味がいいからということである。

 

ローカルの缶入り・瓶入り飲料

国内大手飲料メーカーのF&N社は操業が1883年に始まっておりコンデンスミルク、MILO, 100 Plus(スポーツ飲料),ソーダなどの缶入りやボトル詰めの飲料、サンキストの紙パック入り果汁飲料、MILOなど幅広く生産している。
マレーシアでは他にCoca Cola, Pepsi, Lipton Tea,などがポピュラーな飲み物である。

 

ビール

ビールはCarlsberg, Tiger、Heinecken, Anchor, Guinessなどのブランドに加え、タイ、インド、中国からの輸入ビールも相対的に安価な値段で出回っている。
ビール飲料のシャンディーについてはシンガポールからはAnglia Shandy、ローカルではJolly Shandyのブランドが知られている。
日本のビールではアサヒがマレーシア国内で製造されている。キリン、サントリーは輸入。

 

日本料理店

筆者はマレーシアに1987年に赴任した。
その当時の日本料理店の数はクアラルンプール(KL)市内で約10軒であった。現在は400店をはるかに超えていると思われる。
隔世の感がある。

ローカルの人達の日本食への最初の接触は日本人の客や上司に付き合って日本料理屋に行き、てんぷらと鉄板焼き、という入門コースに馴染んだところから始まっている。
しかしながら生の食材を使う寿司・刺身は敬遠されるという時代が長く続いた。その後健康志向が高まり、「日本食は健康だ。寿司、刺身が体にいい、長生きできる」という認識が欧米の日本食人気の高まり、さらに日本への旅行者が増えたことから広まり、寿司、刺身に興味を持つ人が増える段階に入ってきた。ローカルによるしゃぶしゃぶの専門店もできた。
現在では日本料理店がKL市内の至る所で見られる。その80%以上はローカルの経営者でシェフもローカルの日本料理店である。マレーシアの日本人経営の日本料理店で修行し独立したケースが多い。

また、日本で留学中に日本食料理店でアルバイトをした経験を生かしてマレーシアで日本料理店を開業したというケースも多い。このパターンの最近の例では日本の料理屋でアルバイトをした人が帰国後おにぎり屋チェーンを展開したケースがある。「ニコニコおにぎり」という店名ですでにKLで20店舗以上展開している。

日本人のシェフがいる店はKL市内で約50店と見られる。

日本料理店の中で、地道に成功しているパターンは、料理人は日本人でその日本人がローカルの中国系女性と結婚して一軒だけ店をやっているというケースである。中級日本料理店の「上村」、焼き鳥の「炭家(すみか)」がそのケース。従業員管理など店の切り盛りとお金のことは中国人の奥さんが握り、旦那は料理をしている、というパターンである。

 

回転寿司

日本人や日本企業と付き合いのなかった一般のマレーシア人にとって寿司との最初の出会いは「すし金:英語名Sushi King」という回転寿しチェーンで初めて巻き寿司を食べたというケースが大半であ

 

ろう。 巻き寿司が主体で値段が低く抑えられ、味もローカル向けに特化して成功を収めている。 すし金は10年以上前に第1号店が開店して以来、着実に店舗数を増やしてきた。 いまではマレーシア国内に100店以上展開され、ほとんどのショッピングモールにある、と言って過言ではない。 後発の回転寿しチェーンには他に栄寿司、すし三昧、元気寿司などがある。

 

ビュッフェスタイル日本食レストラン

ホテル内などの日本食レストランは土曜、日曜の週末に日本食ビュッフェを営業し、ローカルの家族連れの人気を集めてきた。約10年前からビュッフェ専門の独立した日本食レストランが開業し、徐々に店舗数を増やしてきた。Saisaki, Jugoya, Gonbei San, Mitasuなどがそれである。価格が手頃で友人同士や家族連れの顧客で賑わっている。

高級寿司店

中クラスの寿司は日本料理店のメニューの一つとして提供されているというパターンが大半だった。しかしながら数年前から日本の高級寿司をマレーシアでも食べたいという需要が出てきた。日本に行って高級な寿司の味を知った中国系の富裕層が特にそれを求めた。その需要に応えるべく、最初に亀寿しが開店した。それに日本から進出した日向(ひなた)が続いた。そして日向のシェフがスポンサーと一緒に開業した織部が開店した。そして最近日本から笹川、鮨正、さいとう、が進出してきた。客単価は、夜でお酒も入れて1.5-2万円というところである。さいとう、は一人1,000リンギと宣伝している。勘定は日本の高級寿司店並みになった。

最近の進出

最近では日本からのラーメンチェーン、居酒屋チェーンや牛どんチェーン、讃岐うどんチェーンがいくつか進出している。 最近の進出は北海道料理を前面に出したつぼ八、カレーのCo Co 壱番屋、銀座銀だこ、おばんざい屋と明石焼きの菜彩、天丼の秋光、ちゃんぽんの長崎和楽、焼肉ギュウキングなど、 これからはたこ焼きとお好み焼きが出てくるものと思われる。

韓国料理の進出

最近は韓国料理店の進出が相次いでいるという。これまでの日本料理だけでなく極東からの外国料理の選択が広くなったと地元の人は考えている。しかしながら筆者の目から見ると、依然として数から見れば日本料理店が韓国料理店を圧倒しているように思える。 韓国料理の店名はUncle Jang, Daorae BBQ, Bonga, Ko-Hyong and San Nae Deul.など。

ラーメン

これまでも、日本のラーメンは日本食レストランでは人気の高いメニューであった。 しかしながら豚肉が使われているラーメンはノンハラール(イスラム教徒が口にすることができない食品)のためマレーシアのイスラム教徒(全てのマレー人と一部インド系)には浸透しなかった。

一部の日本料理店ではハラールのラーメンを作ってイスラム教徒向けにも提供したことがあるが、結果としてラーメンの味が損なわれ、マレー人の顧客を得ることはできなかった。したがってラーメンはこれまでは中国系とインド系の顧客のみが相手と考えられてきた。
しかしながら、最近北海道からのメガネチェーンが進出し、ローカルの従業員としてマレー人を数人採用し、札幌の本社で3ヶ月間研修を受けたケースでは定説が覆された。札幌には数店舗豚肉を使わないラーメン店があり、そこで食べたラーメンの虜になったマレー人従業員たちを虜にした。帰国後彼らは、マレ-シアでハラールのラーメンを探し求めた。残念ながら現時点ではまだ、うまいポークフリーのラーメンはマレーシアで提供する店はなく、見つかっていないようだ。
ここにビジネスチャンスがある。人口の64%を占めるマレー人に満足してもらえるポークフリーのラーメンを開発することができれば大きなビジネスに発展する可能性がある。
ハラール対応の店が札幌には2-3軒あるとのこと。そういう味をマレーシアで展開できれば最大多数のマレー人の顧客を獲得することができよう。マレーシアで成功すれば世界最大のイスラムである隣国インドネシアでの展開にすぐにつなげることができる。

一般に日本料理店は中から上の所得層をターゲットにしているため価格帯が高い。ラーメンの価格も同様で一杯30リンギ前後である。さらにサービス料、税金が付くため日本円では1,000円前後になる。一般に日本より高い金額になる。
主なラーメン店:バンカララーメン、山頭火、一風堂、ちゃんぽんの長崎和楽、らあ麺、居酒屋の麺蔵、その他。

日本の加工食品

日本の加工食品は材料の信頼性や魅力的なパッケージによりマレーシアの人たちに好まれている。例えば日清のインスタントヌードル、ハウスなどのカレールーのペースト、ビスケット、キューピーマヨネーズ(マレーシアで生産)などである。これらの商品は伊勢丹、イオン、ダイソー、日本食品専門店の正直屋やその他多くのスーパーマーケットで販売されている。類似のヤクルトとリビタ(リポビタンD)はマレーシアに企業進出し製品がスーパー、ドラッグストアやゴルフ場で販売されている。さらに最近カルピスが進出し街中で広告看板を見かけるようになった。 しかしながら最近の懸念材料はマレーシア通貨のリンギの下落である。日本から輸入される加工食品の価格が急激に上がってしまい需要が落ち込んでいるという。 なお、日本からHokutoが進出し、しめじを中心とした栽培を工場内で行っており、ほとんどのスーパーで販売されている。

アパレル

マレーシアのアパレルマーケットは80年代から今日に至るまで変化し続けて来た。以前はJ-Pop、最近はK−Popが若者世代で人気を博し、それぞれの時代でその影響を受けた若者や大人向けのファッション製品が流行した。

ユニクロ、無印

ユニクロの進出が注目されている。http://www.uniqlo.com/my/store/men/outerwear/jacket-coat.html#
ユニクロは日本の今日的なファッションをリーズナブルな価格で提供していると評価されている。品揃えも豊富である。筆者から見ると価格は日本より高めと思われる。数年の間に急速に店舗数を増やし、現在では約50店舗をマレーシアで展開している。
面白いのは南国マレーシアで防寒用ダウンジャケットが販売されていることである。南の国の人たちは防寒着に一種のあこがれがあるようだ。KLから車で一時間で行けるGenting Highlandという高原リゾート施設は標高1,700メートルのところにあるため気温が低く防寒ジャケットが必要。ユニクロから簡便なダウンジャケットや半コートを購入し出かけていく人もいるようだ。冬に日本や韓国に旅行する人もユニクロで防寒衣装を購入している。 ユニクロに加え、無印良品が進出し、日本のアパレルをより小規模ながらも紹介している。

なお、靴とバッグの分野では男性用も女性用も日本製品の進出はほとんどない状態。マレーシアの消費者はこの分野での日本のブランドをほとんど知らないという。 例外は(株)吉田(吉田カバン)のPORTERというブランド。 布製のポーチや手提げ、ショルダーバッグ、リュックなどでユニセックスの製品。高価格ながら人気がある。mastermindという日本の新興ファッションブランドとのコラボ製品は後述するように伊勢丹のTOKYO FASHON DISTRICTというイベントでのベストセラーであったと聞く。

欧米のアパレル

欧米のアパレルも進出している。欧米の高級ブランドはほぼ全て15年前には進出を終えている。値段も手頃でカジュアルなGAP, Espritなども進出。最近ではCotton On, and Forever 21などが出店している。スエーデンのH&Mはユニクロよりやや早く進出しすでに多くのショッピングモールに展開されている。

ローカルのブランド

伊勢丹のニュースレターにはCultivationというブランドで婦人服が一面を使って宣伝されている。価格帯は100-200リンギ。

最新の動き

最近注目される動きはペナンのEvolve Concept Mallの中のLOGO FASHION LOUNGE & GALLERY である。 ここでは欧米の一流ブランドの製品が消費者の買い求め易い価格で販売されている。

三井アウトレットパークが2015年7月に空港近くに開店した。KL市内から一時間近くかかるため特にウィークデーの集客に難がある。アパレルは少なく。一流ブランドを大幅値引きで販売するという期待には現時点では十分に答えてはいない。

このように多くのブランドがマレーシアのアパレル市場に流入しており、競争が激しい市場となってきた。

TV・映画とアニメ

テレビ放送についてはマレーシアのAstroという衛星放送が日本のNHK,米国のCNN, CBC,英国のBBC, カタールのアルジャジーラ、ドイツ、オーストラリア、中国、韓国のニュースを24時間流している。
さらには米国の映画やドラマ、英国、ドイツ、フランス、スペインのサッカー番組、米国のバスケットボール、野球などのスポーツ番組が24時間放映されている。地上波のローカルテレビ番組もこのシステムで見ることができる。

昔から親しまれている日本のアニメ

日本の映画とアニメは昔からマレーシアで受け入れられている。マレーシアの人たちは子供の頃から日本の映画とアニメに親しみ、大人になっても好んで見ている。
日本のアニメや映画を見るために日本語を学び始める人も多い。日本語がある程度できる人たちは日本のアニメや映画を見て楽しむばかりでなく、日本語力を向上させるという実用も兼ねて見ているという。
特に30代の人たちは日本のアニメを好んで見るという。彼らは80年代、90年代の子供時代を通じて日本のアニメから強い影響を受けてきた世代である。
例えば、Astro Boy(鉄腕アトム), Detective Conan, Doraemon, Sailormoon, Escaflowne, Macross, Gundam, Saint Seiya, Fushigi Yuugi, YuYu Hakusho, Gaban, Godzilla, and Ultraman. など、数多くの日本のアニメに親しんできた。
2000年代から今日まで、日本のアニメはさらに進化した。最近では以下のような新時代の日本のアニメが紹介されはじめている。
Fullmetal Alchemist, Shadow Skills, Digimon, One Piece, Bleach, Parasyte Maxim, Kekkaishi、 Attack of the Titans.

前述のマレーシアの衛星放送Astroはアニメ専用のチャンネルを持ち、24時間全国に放映している。大半は日本のアニメであり、日本語だけでなく二ヶ国語放送システムにより英語やマレー語で見ることができる。 これらアニメの影響でいくつかのショッピングモールではコスプレやアニメフェスティバル年中行事として開催されるようになった。

欧米からもTransformers, Thundercats, Silverhawk and Smurfs,などのアニメが入ってきているが日本のアニメは圧倒的な存在感がある。

日本のイメージが日本のアニメから描かれるという「定説」はマレーシアでも事実のようだ。日本のアニメの底流に流れる思想は「正義感」と言われマレーシアの人たちの間で「日本人は正義感が強い」というイメージが形成されてきているという。さらには東日本大震災直後のテレビ画面で暴動や略奪を起こすことなく整然と並んで援助物資を受け取る日本人の姿から「どんな状況になっても日本人は規律を守る」というイメージが描かれてきた。 マレーシアの人たちはアニメから「日本人が力を合わせて第二次大戦の敗戦から立ち上がり、日本が強力な国になることができたか」というレッスンも学び取って来たという。
例えば小職の知り合いの中国系マレーシア人女性CandyさんとKikiさんの二人が仕事のミーティングのついでに以下のようなことを語ってくれた。彼女達は43歳のOLである。
宮崎駿の「千と千尋の神隠し」は教育的見地から見て優れた作品であるという。(記録によるとこの作品は2002年にマレーシアで公開されている)。彼女達二人ともこの映画を見てとてもいい映画だと思ったが、もっと積極的に評価したのはCandyさんの知り合いの小さい子供を持つお母さんであった。この映画は子供を教育する上でとても優れている、と評価し子供に何度も見せたという。理由は以下であった。

主人公の千尋が「どんな環境に置かれても働かなければ生きていけない」というルールを湯婆婆から聞かされ、千という名前を与えられ最初は無器用ながらも自分なりに与えられた仕事を成し遂げたこと。それが周りに評価されて両親と共に人間の世界に戻ることができたというストーリー。

子供に「常に努力を続けていけば報われる」ことを教える格好の題材になったのだという。このようにある種の日本のアニメは教育にもいい、と思われているのである。

さらにCandy さんは、45歳の兄が熱烈なガンダムファンという話をしてくれた。そのお兄さんは子供の頃から30年以上にわたってガンダムのファンであり続けているという。日本に行く度にガンダムのフィギュアを買ってくる。その数はすでに200を超えている模様。棚の上や専用のキャビネットに入った色々なガンダムを自分に見せて嬉々としてその状態のガンダムのことを説明してくれるそうだ。そのお兄さんが日本にある巨大なガンダムの像と嬉しそうに写っている写真をスマホから探し出して見せてくれた。 ガンダムの30年以上に渡るファンがマレーシアに居るということを知り「アニメの力」を再認識した次第。

映像による宣伝を積極的にと入れているのは韓国である。韓流ドラマやシンガーのイメージを国家的規模で宣伝してきたことが効を奏している。
政府が民間企業に補助金を出して民間主導で宣伝活動を行ってきたことが成功の理由と言われている。 見た目の優しい俳優や女優を使い、ロマンティックなラブストーリーを演じさせた。そして見る人に韓国という国そのものがそのようなロマンティックな国という「イメージ」を持たせ、自国製品のイメージアップにつなげてきた。「冬のソナタ」のヒットで秋や冬に韓国に旅行するマレーシア女性が少なくないのだという。 日本でもそういう話を以前聞いたことがある。女性の反応は国が違っても同じような面があるようである。しかしながらドラマの中の韓国の美男美女が整形の賜物というイメージもマレーシアの彼女たちは持っている。それでも韓国ドラマに惹きつけられているのである。つくづく映像の力は怖いと思う。 日本は韓国ドラマ以上の「アニメという最強の武器」を持っているのであるからそれを対外宣伝活動にもっと積極的に利用すべき、と思う。

日本語熱から韓国語熱に

1990年代と2000年に掛けてほとんどのマレーシア人は木村拓哉や滝沢秀行のドラマや映画とそれに続くSMAPなどJ-Popの影響を受けてきた。
そして日本のドラマや映画を観る目的だけのために日本語を学ぶ人も多く出てきた。 しかしながら2005年以降韓国ドラマの旋風が吹き荒れ韓国ドラマのロマンティックなストーリーに多くの人々が惹きつけられている。このため、最近では日本語よりも韓国語を学ぶ人が増えたと聞く。

音楽

80年代から日本の音楽がもてはやされ、安全地帯、チューブ、Xジャパン、チャゲアンド飛鳥などが一人気を博した。奇しくもこの時代は当時のマハティール首相が日本の成功体験に学べという「ルックイースト政策」を推進していた時代に重なった時期でもあった。

紅白歌合戦

80年代からつい最近までマレーシアのTV3などの放送局は日本の紅白歌合戦の放映権を購入し2時間番組に編集して放映していた。その後Astro の衛星放送が始まってからはNHKの海外向け番組を24時間流し、紅白歌合戦はリアルタイムで放送されるようになった。 日本を代表する歌番組である紅白歌合戦を見て、マレーシアの人たちは日本には演歌からポップまで多くのジャンルの歌手がいることを理解した。
歌手としては、 Amuro Namie, Fukuyama Masaharu, SMAP, Hamasaki Ayumi, Seiko Matsuda, Chemistry, Tokio, Mika Nakajima, Wada Akiko, Tendo Yoshimi, Kobayashi Sachiko, , などが知られているという。

韓国音楽

しかしながら昨今では、韓国が持ち前の宣伝力を発揮してマレーシアの外国音楽市場は全てK-Popに奪われている、といって過言ではない状況になっている。

書籍

マレーシアでは唯一紀伊国屋だけが日本書籍を扱っている。店舗もKLCC内に1店舗だけである。したがって紹介される書籍の種類は限られ、価格も高いように思える。
最近は日本語で本が読めるマレーシアの人たちは、オンラインで日本から直接本を買うようになったという。またこれらの人々は日本に旅行に行った際に本を購入してくると聞く。
中国語に訳された日本の書籍をローカルの書店で購入するケースもあるようである。
マレーシア人が好んで買うのは漫画。それと日本語検定試験の指導書。 最近ではインターネットでこれらの書籍をダウンロードして購入できるようにもなった。 紀伊国屋は台湾で発行された中国語版の日本語指導書を日本のものよりも安く販売している。多くの日本語を勉強している中国系の人たちはこれら中国語版を好んで購入しているようである。なお、紀伊国屋は第2号店を伊勢丹Lot10の中に出店する準備を進めている。日本語書籍のみを扱う大型店と聞く(後述)。

ヘアスタイル

マレーシアの人たちは日本と韓国のヘアスタイルをすぐに取り入れる傾向がある。 最近の男性のヘアスタイルは側面を刈り上げ、前の部分と頭頂の部分の髪の毛を残すスタイルが流行している。 女性の場合はK-Popのアイドルを真似て黒い髪を長く伸ばすのが流行している。 そして最新の動きとして男も女も髪の毛を漆黒に染めることが流行っているという。 日本人のスタイリストもKLには数人おり、ある程度流行っているようである。

美容整形

マレーシアでは一般的に整形美容は依然として不自然と嫌がる人が多く、それほど普及はしていないという。 特にイスラム教徒とヒンズー教徒は、美容整形は神から与えられたものを勝手に変更することであり、神の教えに反することになると考えているとようである。 またこれらの人たちには経済的にもそういうことにお金を使う余裕がない人が多いこともあり、イスラム教徒とヒンズー教徒の間では美容整形をする人は少ないという。 しかしながら中国系の若い人たちや働いている層は韓国のアイドルの影響を受け過ぎているようで、タイや韓国に出かけて行って整形手術を受ける風潮が出てきたと聞く。

電子タバコ

マレーシアでは人口の半数近くが喫煙者と言われている。特にワーカークラスには喫煙者が多い。 このためマレーシア政府は禁煙を推奨している。 タバコの税金を上げ、価格を高くし、冷房のある場所での禁煙などを法制化し、さらにはタバコのパッケージにガン症例の写真を印刷するなど禁煙への誘導を図っている。この写真は癌患者から出産した赤ちゃんの悲惨な姿をそのまま写真に撮ったものなどリアルなものが使われている。 最近はイスラムの水タバコShishaや電子タバコが普及。これらはオンラインでも手軽に購入可能となっている。 一時、食事をする場所や職場でも電子タバコが一つのファッショナブルなスタイルとなっていた風潮があったが最近は下火のように見える。 政府には電子タバコを制限する動きも出てきている。

「“ジャパンコーナー“の展開」へ続く