海外進出ノウハウ

[ 海外出展 ] CHAPTER 6 海外向け提案ツールをつくる

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海外ビジネス展開のために必要なパンフレットなどの提案ツールをつくります。展示会において使うだけでなく、個別の営業などでも使うことになるでしょう。バイヤー側の目線を意識しながら作成してください。

 

 

ACT 29 英語の名刺をつくる

 

何を扱っている会社なのか伝わる工夫を

 

もし、まだ英語の名刺がない場合、展示会後の連絡先を伝えるためのツールとして用意しておきましょう。連絡先に加えて、WEBサイトのURLやSNSのアカウントなどもあれば載せておきます。バイヤーは展示会に来ると何枚もの名刺を受取ります。何を扱っているかわかるようにしたり、印象的なデザインにしたり、写真を入れたり、名刺の束の中で埋もれないよう工夫をします。

 

 

ACT 30 商品PR資料をつくる

 

企業情報ではなく、商品をきちんと説明する

 

パンフレットでは、企業より商品をアピールすることに力を入れます。会社案内に興味を持つ海外バイヤーは多くありません。企業情報の詳細はWEBページを見てもらいましょう。
ギフトやインテリア、食品など感性に訴えるものでは、ブランディングを重視してパンフレットを作成します。パンフレット用の商品写真が売場や販促活動に使われることもあります。

 

 

機能や効能の根拠となるデータを準備する

 

機器・機械類や健康食品など、機能性や効果によって訴求する商品は、バイヤーを説得するために必要な根拠となるデータも英文で用意します。
また、生産財でのメンテナンスなど、アフターサービスが必要な分野では、それらの説明資料を用意します。

 

 

食品は現地の表示義務や規制にあわせる

 

食品の場合は、成分表示やアレルギー表示など、現地市場の規制や慣習にしたがって、必要とされるものも用意します。現地の消費者が安心して食べられるものでなければ、取り扱ってはもらえません。また、現地でその食品がどの程度、受け入れられるのかも把握しておきましょう。

 

 

無理に現地語にせず、まずは英語で

 

質の低い翻訳は、情報を正確に伝えられないだけでなく、企業や商品の価値を毀損します。翻訳を含め、パンフレットの作成は信頼できる先に依頼します。ブランディングのため、あえて日本語を残すことも一案です。
価格や取引条件など、バイヤーなどの仲介者・流通業者まで伝えればよいものは英語で十分です。
商品パンフレットや機能・効果の根拠データなど、消費者にも同じ内容で伝えたいものは、なるべく現地語にしておくとよいですが、現地語の翻訳者にあてがない場合は、展示会の出展段階では英語としておき、現地の市場に精通したディストリビューターや現地パートナーを見つけてから、彼らの協力を得て現地語バージョンを作成してもらうほうがよいでしょう。

 

 

パネルやポスターは使い方のイメージを明確にする

 

パネルやポスターは、なんとなくつくるのではなく、使い方のイメージをハッキリさせてから作成します。たとえば、ブースの前を通る来場者に足を止めてもらうためのものであれば、離れたところからでも見える大きさで目立つようにします。逆に、スタッフが他の来場者の対応をしている間にブースに入った人を逃さないことを狙うのであれば、時間を稼ぐために詳しい説明を読ませるものにしておきます。
ブースでの売り口上(セールス・ピッチ)についても、あらかじめ英文などでつくっておけば、説明のレベルが担当者間でバラつくことを防げます。
長い話は聴いてもらえないので、バイヤーの興味を引くためのごく短いものと、興味をもったバイヤーに説明する少し詳しいものと2 パターンをつくっておくと有利です。

 

プレス・キットを用意する

 

 

ACT 31 注文を受ける準備をする

 

通常の貿易での売買の流れ

 

海外との売買の流れは下図のようになります。
展示会においては、売り手側として取引条件や価格を提示する資料を用意し、スムーズに注文を受けられる準備をします。書類の様式は、貿易実務の本などを参照してください。

 

通常の貿易での売買の流れ

 

 

注文を受けやすくする工夫

 

バイヤーからのサンプル注文を「投資」として考えるならば、割安な価格設定をしておくことも一案です。「たくさん買えば割引してもらえる?」というのはバイヤーによく聞かれる質問なので、発注する量が多い場合の割引も考えておくと商談の助けになります。
サイズや色違いなどで点数が多い商品の場合、売れ筋などを参考に、バイヤー側がテスト販売をしやすい組み合わせでセットをつくり、サンプルオーダー用のキットとして用意しておくことをおすすめします。バイヤー側の選ぶ負担を減らすことがポイントです。輸送価格をあらかじめ算出でき、また送料が安くなる組み合わせに注文を誘導できることもメリットです。

 

 

オーダーシートを用意する(消費財の場合)

 

とくに消費財の場合には、その場で注文できるオーダーシート(注文票)を用意し、バイヤーの発注負担(手間)を減らします。
オーダーシートに決まった様式はありませんが、商品の単価を並べておき、購入数量を記入してバイヤーのサインをもらうことで「注文書(purchase order)」になります。
国内よりも物流にコストがかかる分、最小発注ロット(Minimum Order Quantity:MOQ)や箱当たり入り個数なども設定しておき、商談時に伝える必要があります。

参考までに、買い手が前金(前受金)に同意した場合は以下のような流れになることが多くなります。proforma invoice が請求書を兼ね、invoice は送り状(明細書)となります。

 

買い手が前金(前受金)に同意した場合

 

 

ACT 32 価格表をつくる

 

価格が不明な商品は買ってもらえない

 

価格表は、誰にでも出す資料ではないので商品PR資料とは別にします。
展示会に買い付けに来るバイヤーは、展示会ごとに予算を決め、買い物リストをにらみながら商品を探します。価格が不明な商品は買い付け候補になりません。プライスリスト(price list)、ラインシート(line sheet:雑貨・繊維などの価格・スペック表)など、価格を伝える資料が必須です。

 

 

価格付けはさまざまな条件を考慮して

 

海外(とくに欧米圏)では、小売価格は小売業者が決める場合が多く、日本の希望小売価格のような概念に馴染みがないので、価格は上代ではなく下代で用意するのが一般的です。
外貨で価格を設定する場合は、為替レートや原料価格の変動も考慮し、有効期限を設定します。価格は、後で下げることはできても上げることは困難なため、最初の価格設定は慎重に行います。
当初は小売業者に直接販売し、後に拡販のためディストリビューターを通すことになった場合などに、想定していなかったディストリビューターの取り分(マージン)を捻出するため、サプライヤー(自社)の取り分を減らすことになったというケースも聞きます。価格には、あらかじめ余地を残しておきましょう。