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【中東ビジネスのヒント】第17回 「電子機器(教育機器、ゲーム機器、等)を日本で開発(企画・設計)し、中国/台湾のEMSで製造するメーカーです。わが社製品のGCC市場向け輸出を目指し度のですが、どのように取り組むべきでしょうか?」


  • 2017-06-29
  • 中東
  • 国の概況と動向
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先ず、一般論として、GCC市場、とりわけUAEの消費財市場では、先進工業国のみならず、ASEAN/韓国/中国等の中進・新興工業国の製品がたくさん入り込んでいます。ゆえに、先進工業国製の消費財であっても、未だブランドが確立できて居らず知名度も低いメーカーの製品は、最初は、厳しい価格競争に晒されることとなります。

輸出可能性の検討に当たっては、最初に市場調査を行い、当該製品の「市場性」を見極めることが先ず重要です。即ち、

 


 市場にニーズが既にあり、競合他社の類似製品が販売されているか?

 もし、Yes.の場合、機能・性能・価格に於いて貴社製品の優位性は?市場規模はどのくらい大きいのか?

 もし、No.の場合には、貴社の当該製品は想定ユーザーに対して新しく訴求力を持つ商品か? ニーズを創出し得るか?

④ 
誰がターゲットすべき消費者層/購買層になりそうか?

⑤ 
輸入・販売代理店として適格な企業がありそうか?

⑥ 
GCC向け輸出では、GSO(Gulf Standardization Organization)の規定する安全規格に準拠することが求められており、中でもサウジ向けはSASO(Saudi Arabia Standardization Organization)の定めるより厳しい規定を満たす必要がある。現地の輸入・販売代理店候補に調査させた要件を全てクリアーできるか?

 

といった観点/諸点を調査し見極めることが必要。

 

 以下に若干捕足します。

● GCC全6か国の市場すべての調査を行うことは、時間的にも費用的にも負担が大きいが、市場調査開始のタイミングが合えば、先ず、GITEX(注)に出展することは一案。

 

注)GITEXは、ドゥバイ(=地域で随一のビジネス・ハブ)で開催される多くの見本市中、最大級の集客数を誇る人気の電子機器見本市で、毎年10月に開催される。

 

GITEXに出展することで、当該製品への業界関係者/消費者の関心の度合いを測ることが出来、又、代理店候補企業との遭遇(マッチング)の機会にもなる。更には、状況の進展次第では、そこが商談の場にもなり得る。又、出展せずとも、同展示会を訪問し、出展商品を視察することで、GCC市場での電子機器製品の嗜好と動向と、今後の流行の兆候を感じることもできよう。

ドゥバイ訪問の機会をとらえ、展示会場外でもドゥバイの家電・電子機器市場を視察することで、現在の市場での“売れ筋商品”(貴社製品の類似品が市場に存在するかの確認も含め)/小売価格の動向を知ることもできよう。

 

● GCC市場は相対的に購買力があり、新製品に対する感度/受容度が高い市場であると同時に、多国籍の出稼ぎ人が人口の大きな部分を占め、その多くは廉価指向(出稼ぎ人達が帰国する時のお土産需要)、という特殊性もある故、主要な電子機器メーカーにとっては、新製品の“ショールーム”的性格と旧モデル・廉価版の捌け口的性格の市場となっている。従って、自社製品・商品に関して、次の諸点から市場調査を行うことが必要であろう。


①  類似品の有無。既に、類似機能を有する他社類似製品が市場に存在する場合は、それら製品の、性能・機能/価格/ユーザ・タイプ/輸入業者/卸売・小売業者(ルート)等の情報を収集。

②  自社製品と類似品との比較・対照(性能・機能、価格、ユーザー・タイプ等の観点)

  潜在顧客・潜在ユーザーの絞込み(所得層、年齢層、人種等)

④  輸入・卸・小売を担いうるパートナー候補の絞込み

⇒ 「現地企業との出会う」方法に関しては、【中東ビジネスのヒント】第9回をご参照。

 

 

 

GCC向けに電子機器を輸出する場合、GCC スタンダード(サウジアラビアの場合にはSASO)に準拠していることが必須である。

 ⇒ より厳しいサウジ向けの場合、「船積前に『適合証明書』(Certificate of Conformity=CoC)を取得して置くことが必須。その為に求められるのは、

(1)  書類審査

(2) サンプリングと試験

(3)  出荷前検査
等の手続き。

これらの規格との整合性、及び、許認可の運用に関する詳細は代理店候補が容易に調査しうる事項ゆえ、代理店候補から情報入手した上で、本邦のサウジ政府指定検査機関にも問合せるべきであろう。(検査機関によって、得意とする製品分野がある模様。)その際、貴社のビジネス・モデルでは、「日本で開発し、中国で製造。中国からGCC市場に輸出。」という形態であることを踏まえて、代理店候補に調査をさせることが肝要。

● 調査終了後「市場性あり」と判断される場合は、代理店を起用し輸出を開始する運びとなろうが、代理店に関しては、【中東ビジネスのヒント】第3/6/7回をご参照頂き度。

 

 

Profile プロフィール

国際化支援アドバイザー(国際化支援)富山 保
総合商社に38年勤務し長年海外ビジネスに携わってきた。若い頃の会社派遣のアラビア語研修皮切りに、
合計約15年間の現地駐在経験(サウジアラビア・UAE等)を有する。

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